人生を謳歌する | 工藤 勝己オフィシャルブログ Powered by Ameba 心かさねて

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2021年 5月 6日 『伝わる文章教室』初版発行
2024年 1月 9日 重版 4刷発行
2023年 5月 1日 『心をつかむ文章講座』初版発行
2023年 7月 24日『合格論文の極意』初版発行
2024年 8月 11日『面接合格完全攻略』発売予定(予約受付中)

スカイツリーと東京タワー

そして富士山を拝めるのは

職場のエレベーターホール

 

くっきりと夕日に

浮かび上がる富士山に

高田敏子さんの詩

「日々」 を思い出した。

 

 小鳥がいて

 黒猫の親子がいて

 庭には犬がいて

 

 夕方の買いものは

 小鳥のための青菜と

 猫のための小鯵と

 犬のための肉と

 

 それに

 カレーライスを三杯も

 おかわりする息子がいた

 あのころの買い物籠の

 重かったこと!

 

 いまは

 籠も持たずに表通りに出て

 パン一斤を求めて

 帰って来たりする

 

 みんな時の向こうに

 流れ去ったのだ

 パン一斤の軽さをかかえて

 夕日の赤さに見とれている

 

 

買い物籠の重さと

パン一斤の軽さ

それらが対比して

 

この詩はいつも

僕をしんみりと

させてくれる。

 

 

 

 

窓越しの夕日を

心に灯したまま自宅へと帰り

 

晩酌をしながら

いつものように開く新聞。

 

投書欄にあったのは

千葉妙子さん(80)によって

したためられた文章だ。

 

少しアレンジしながら

ここに記してみたいと思う。

 

 夫が亡くなって

 3年が経つ。

 

 夫を介護する毎日が終わり

 いつも訪ねてきてくれた看護師も

 もう来なくなった。

 

 寂しさと悲しみに苛まれて

 私の気分は落ち込んだ。

 

 気晴らしになるだろうと思い

 出かけてはみるものの

 

 いつの間にか

 近所のスーパーはセルフレジになり

 街行く人たちは皆

 スマホと にらめっこだ。

 

 社会の変化に戸惑うばかりで

 これからどうやって過ごそうかと

 考え込んでしまった。

 

 すると ふと昔のことが

 頭をもたげてきた。

 

 5分でも 10分でもいいから

 自分の時間が欲しい

 

 それが 若いころの

 私の口癖だった。

 

 今はどうだろう

 

 時間だけは溢れるほどある

 1日24時間 独り占めだ。

 

 お!テレビに映るのは

 80代、90代の元気な高齢者たち

 

 これからが青春

 

 そう言わんばかりに

 ハツラツとしていて

 元気に過ごしているではないか。

 

 よし! 後に続こう

 

 これは夫が私に

 くれた時間なのだ。

 

 大事に 大切に 丁寧に

 そして マイペースで

 

 夫の分まで

 人生を謳歌しよう

 

 そう 心に誓った。

 

 

 

 

 一人ひとりに天の使命があり

 その天命を楽しんで生きることが

 処世上の第一要件である。

  (渋沢 栄一)

 

 他人の幸福をうらやんではいけない

 なぜなら あなたは彼の

 密かな悲しみを知らないのだから。

  (ダンデミス)

 

 年をとることの残念賞は

 この世には心を煩わすものなんて

 ほとんどないんだってことが

 わかることね。

  (ドロシー ・ディックス)

 

 人生には二つの道しかない

 一つは、奇跡など

 全く存在しないかのように生きること

 もう一つは、全てが

 奇跡であるかのように生きることだ。

  (アインシュタイン)

 

 船に乗っても 波が出やしないか

 嵐になりやしないか

 それとも この船が沈没しやしないかと

 船のことばかり考えていたら

 船旅の愉快さは何もなかろうじゃないか

 人生もまた しかりだよ。

  (中村 天風)

 

 今日も 生涯の一日なり

  (福沢 諭吉)