日大アメフト問題の内田正人前監督が人事責任者として推進する「非常勤講師3600人雇い止め計画」 | すくらむ

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 TBS NEWSの報道の一部です。

 日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、新たな証言です。去年、日大アメフト部では20人ほどが退部しましたが、その一部の背景には、コーチによる暴力問題があったと関係者が、JNNの取材に答えました。
 「コーチに殴られて、耳の神経がまひして、しびれが出てきちゃって」(当時を知る関係者)
 こう話すのは、当時を知る関係者です。去年、日大アメフト部では、「コーチによる暴力問題が起きていた」とJNNの取材に明らかにしました。
 「コーチが暴力を振るったというふうに聞いてます。部内では手を出すといえば、このコーチというのが暗黙の了解というところがあったようです」(当時を知る関係者)
 そうした暴力が始まったのは、内田正人前監督が監督に就任した直後のことだったといいます。日大アメフト部は、おととし、チームが4位に低迷したため、内田前監督が再度就任。

Q.おととしまでチームの状態が悪かった?
 「年が明けて監督が急に(内田前監督に)代わりました。コーチたちが選手に寄り添うというよりは、監督の顔色を伺うような感じになったようです」(当時を知る関係者)
 この関係者によりますと、コーチに殴られけがをした選手は病院に連れて行かれましたが、「練習による脳しんとう」と部内向けには説明され、暴力行為は表沙汰にはならなかったというのです。去年1月以降、日大アメフト部からおよそ20人が次々に退部。一部は暴力問題が原因だったといいます。
 「日常的に暴力・パワハラがあり、コーチらに逆らえない状態だった」
TBS NEWS 28日16時42分


 上記の報道を見るだけでも、内田正人前監督が諸悪の根源であることがよくわかります。そして、内田前監督は日大アメフト問題だけでなく日大当局による非常勤講師の大量雇い止め問題の責任者でもあるのです。この日大の非常勤講師大量雇い止め問題について5月25日、首都圏大学非常勤講師組合が厚生労働省で記者会見を行い、内田氏の日大役職の辞任を求めています。

 記者会見での首都圏大学非常勤講師組合の話によると、内田正人前監督は日大・田中英壽理事長の側近といわれ、2014年に日大の「理事・人事部長」に、昨年2017年9月からは日大の「人事部長」兼任の「人事担当常務理事」に就任し、そして、内田氏が「人事担当常務理事」になった途端、「非常勤講師切り」が始まったとのことです。

 実際、2017年10月、日大の危機管理学部、スポーツ科学部で教えていた英語の非常勤講師15人が突然雇い止め通告を行いました。雇い止めの理由として、日大は授業を外部業者に委託することをあげていますが、文部科学省ですら、大学が授業に責任をもつために「実際に教育にあたる教員」は直接雇用すべきだという原則を示し、外部委託や業務請負に歯止めをかけています。ところが、日大はウェストゲート社という外部業者に英語の授業を丸投げし、ウェストゲート社の講師が授業、採点を行うという計画で、これは偽装請負(違法行為)にあたります。

 さらに、日大は総授業数の2割を削減し、専任教員の担当授業を6割増加させることで、非常勤講師3,600人を雇い止めにする「日大非常勤講師ゼロ化計画」を推進しています。

 2018年2月に日大は、「契約更新上限を4回」とする非常勤講師5年雇い止めを規定した非常勤講師就業規則を突如作成しました。労働契約法が保障する無期契約への転換は雇用の安定をはかるもので、この間、労働組合の運動によって東京大学や理化学研究所、海洋研究開発機構などで雇い止め撤回が勝ち取られていますが、日大は英語非常勤講師を一方的に雇い止めにするだけでなく脱法的な就業規則まで作成しているのです。

 英語非常勤講師15人の突然の雇い止め、外部委託業者の偽装請負、脱法的な就業規則、非常勤講師3,600人の雇い止め計画、これらすべての方針決定と実施・施行の権限を持ち、最も重い責任を有するのが内田正人常務理事兼人事部長なのです。

 首都圏非常勤講師組合は記者会見で要旨次のように告発しています。

首都圏大学非常勤講師組合・日大ユニオン(準備会)は、昨年来、非常勤講師の大量雇い止めに対し、数度の団体交渉でその撤回を求めてきました。しかしこれまでの団体交渉において、直接の責任者である内田正人常務理事兼人事部長は一度も出席せず、事務方や代理人弁護士に交渉を丸投げしています。しかも日大側はその場では何も答えず、「検討する」と持ち帰った事案は全面拒否という、不誠実団交を平然と続けてきました。典型的な不当労働行為です。非常勤講師の大量雇い止めと今回のアメフト事件における利己的な自己都合優先=ルール無視の姿勢は、日大執行部の不健全な体質に由来するものでしょう。内田常務理事と田中理事長が日大における強権を維持し上意下達の大学運営を続ける限り、今回のアメフト事件の事実解明・責任追及も不可能であり、再発防止も困難です。日大の高等教育研究の再生をはかるため、当組合は、5月21日付で日大に対し「緊急要求申入書」を送付し、その中で、これら諸問題の責任者である、田中英壽理事長の理事・理事長職の辞職、内田正人常任理事の解任・解職、理事会および経営陣すべての退陣、事務方責任者の更迭を求めました」

 

(井上伸)