敗戦直前の日本は国の財政の85%を軍事費に投入=憲法9条改悪は私たちの暮らしを掘り崩すということ | すくらむ
2018-05-03 20:29:22

敗戦直前の日本は国の財政の85%を軍事費に投入=憲法9条改悪は私たちの暮らしを掘り崩すということ

テーマ:憲法9条・平和の問題

 

 憲法施行71周年のきょう(5月3日)、東京では「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5・3憲法集会」が有明防災公園で開催され6万人が参加しました。メインスピーカーの竹信三恵子さん(ジャーナリスト、和光大学教授)の発言要旨を紹介します。(※文責=井上伸

 どうしてこんなにひどい安倍政権に3割もの支持がいまだにあるのでしょうか?

 いろいろな問題がたくさんあると思います。その中で憲法9条の問題について、私たちはもっと幅広く言葉を獲得しなければいけないという課題があると思うのです。

 憲法9条にあまり関心がない人の頭の中には、憲法9条と言えば戦争のことだけしかインプットされていません。でも憲法9条というのは、本当はものすごく幅広い裾野を持っているのです。

 それは戦争をしていたときの日本社会をきちんと見ればよくわかります。過去、日本は戦争をするたびにものすごい軍事費を使いまくっていました。統計を調べてきました。日清戦争のときに日本は国の財政の69.4%を軍事費に使いました。それから日露戦争のときは81.9%、さらに日中戦争後は7割代を軍事費に使って、敗戦直前の1944年は85.3%でした。戦争する日本は、国の財政の85.4%を戦争のために使っていたのです。

 これに歯止めをかけられないで、どうやって国のお金を私たちの暮らしや社会保障や生活の安定、貧困解決に使えるのでしょうか?

 戦争が終わったときの憲法9条には、これを大転換させるという意味があったはずです。だから70年も9条を変えなかったわけです。その転換に賛同してきたからです。憲法9条は軍事費増大への歯止めであり、天井であり、キャップをはめているわけです。

 この憲法9条の軍事費増大への歯止めの上に、生存権を守る憲法25条や、女性の家庭内の平等を保つ憲法24条があり、また私たちには働く権利があるのだから国はそれを保障せよとする勤労権保障の憲法27条、そしてそれを使って労働組合をつくって私たちの働く条件を良くするために労働三権を使うという憲法28条があります。私たちのいろいろな権利を守るためには、戦争をしてはいけないということです。

 もし、なんらかの方法で9条の枠をはずしたとします。いま盛んにそれをやろうと安倍政権は言っています。もし憲法9条の枠をはずして野放図に軍事費が増えていってしまったら社会保障をきちんとできますか? 軍事費の増大に歯止めをかけていた9条の枠がはずれるということは、そういう状況になるということです。このことを改憲問題を論じるときや、とくに改憲は問題ないと言っている人たちはどれくらいそのことを意識しているでしょうか?

 「いま介護や保育を充実させることの方がずっと大事なのに、憲法9条とか戦争とかそんな話をしている場合じゃないでしょ」とか、「憲法9条が変わっても私は関係ないです」と言う人もたまにいます。しかし、そう言う人にも関係があるのです。私たちがまともな育児支援やまともな介護支援、貧困対策、そして非正規労働者が4割近くまで増えてしまっている状況で、まともな生活を保障する国の義務ということを守るならば、軍事費にお金を使っちゃいけないんだという憲法9条のキャップを守らなければできないのです。そのことを関係ないと思っている人たちにも私たちはもっとわかってもらわなければいけません。

 いまのようなモリカケ問題を起こす政府において、憲法9条の歯止めをはずしたら、また7割、8割が軍事費に使われる時代が来ないとも限らないということをもう一度思い出す必要があると思います。

 「平和ボケ」と揶揄する言葉があります。私たちはそこそこのお金を民生に使うんだと規定した憲法に守られていて、もうその有難味がわからなくなっています。よくこうした憲法集会などに高齢者の人ばかりが来ていると言われますがそれは当たり前です。高齢者は単に戦争がダメだということだけではなくて、戦争が行われたいた時代、戦争が行われる社会では社会保障はほとんどかえりみられなかったし、女性は社会保障がない分を必死になって家族につくせと言われていたわけです。そのことを高齢者は体感しているのです。だから憲法9条というと言葉にしないけれど無意識のうちに自分たちが体験した暮らし、かつての困った状態、怖い状態が連想されていくわけですね。だからこうした憲法集会に高齢者は来るのです。

 若い人はそれに関心がないではありません。戦争についてのそうした実相が断ち切られてしまっていて、戦争する国になったら奨学金やいろいろなものが全部ダメになる社会になってしまうということが若者に理解されていないだけなのです。だから、私たちはそういう論理構成を持って、そういう言葉も獲得して、じつは戦争しない国というのは、奨学金もきちんとある、学費も安い、まともに教育が受けられる、若者の貧困がない、こういうことのために税金を使える国になるということなんだ。女性について言えば、子育て支援にきちんとお金が回ってくる、いまみたいに待機児童ばかりで大変な社会じゃないことができる国になる。そういうふうに発言していく必要があるということをみなさんとぜひ共有できればと思います。

 こういうことがこれまできちんと共有されて来なかったと思います。私たちは2つの岐路に立っています。国威発揚で誰か一部の人がいい気分になるための国に転換させるのか? それとも原則として国民のためにお金を使うきちんとした社会状況を守るのか? その岐路に立っているわけです。

 ですから今のまま憲法9条を守り切ることができれば、私たちはこれまで憲法9条の枠をはずそうとする人たちにじわじわと掘り崩されてきたいろいろな私たちの権利を、もう一回確認し取り戻すことができるのではないでしょうか?

 もっと実態にあった改憲をしたいという人がいますが、いまそんなことを言っている場合ではありません。いまの争点は、国威発揚のための改憲で国民が貧困に陥り格差が広がるか? それとも国民の生活を守る道か? それがいまの改憲の争点だということをもう一度ここでみなさんと共有したいと思います。頑張りましょう。

すくらむさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントする]

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。