憲法壊す細川護煕氏・小泉純一郎氏-憲法の危機に立ち向かわなければ脱原発は築けない | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)の「脱原発」についての指摘を、いま最も噛み締めなければならないのは、皮肉にもこの小出さんの講演を準備した市民団体の一部の人達でもあるようです。ほんの4カ月前の小出さんの講演の一部を紹介します。くれぐれも、憲法を守り、たった一度の人生ですから、歴史と事実をしっかりと見つめて、だまされないように生きていきましょう。

▼小出裕章さん
 原子力は核兵器そのもの
 核を持つことが世界を支配する力とする
 他の人々を犠牲にする原子力的なものを捨てる必要がある
 憲法守り、歴史と事実を見つめ、だまされないように生きていこう

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11607972736.html

 原子力というのは核です。核兵器そのものなのです。皆さんは原子力と核は違うものだと思い込まされてきたかもしれませんが、同じものなのです。

 その核を持つことが世界を支配するための力なのだと、自民党政権などは思っているわけですけれども、力の論理で平和が築けるはずはないのです。

 そのことに気づかなければいけないと思うし、私たちは他の人々を犠牲にするという、そういう原子力、原子力的なものというものを捨てるということが必要なのだと思います。

 自由と平和を守るということは大変難しい。自由や平和をつくっていくことも大変難しいことだと思います。日本国憲法の前文の初めの方にこう書いてあります。

 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言」する。つまり、政府がバカなことをやらないように私たち国民がきちんとチェックして政府を監視するんだと、それを決意したというのが日本国憲法なのです。私たち一人ひとりがしっかりしなければならない。そうしなければ自由も平和もつくれない。また戦争になってしまうよということが憲法前文に書いてある。そして、こう書いてあります。

 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」

 軍事力によってわれらの安全を保障しようというのではないのです。軍隊ではない、諸国民の公正と信義に信頼して、自分の安全を守ると決意したというのです。

 これは大変なことなのです。簡単なことではない。とても大変なことを私たち国民が請け負うということを書いているのです。そしてこう書いています。

 「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

 日本だけではないのです。一国平和主義でもないのです。世界中のすべての国の人々が平和のうちに生存する権利があるということを認め、世界全体を平和にするために自分たちは軍隊を捨てると言っているのです。

 大変すばらしい憲法だと私は思います。なんとしてもこれを守るということも同時に考えています。

 かつて戦争がありました。大本営の発表ばかりで、一般の人々はほとんど真実を聞かされませんでした。いつも戦争で勝っていると聞かされて、日本は神国だ。天皇陛下がいるから絶対に戦争は勝てると言われました。ほとんどの日本人は戦争は勝てるだろうと思い込まされた。そして中に反対する人がいると、国家がその人たちを虐殺していくということをやったわけですし、それどころか住民自身がそういう人を村八分という形で虐殺していったという歴史もあるのです。

 そんな歴史が一応は終わったけれども、その後で、「いや、悪かったのは軍部だ」と、「俺たちはちゃんとしたところを聞かされなかったからこうなった」と言い訳をする人はたくさんいたと思います。でもそれで本当にいいのかと私は思います。

 福島の事故が起きた今もそうです。今日この会場を埋め尽くして下さっている人たちにしても、福島の事故が起きるまでは原発がこれほどのものだということに気がつかないでこられた方は多いと思います。

 もちろん原発は安全だと言って、マスコミすべてが安全だという宣伝を流してきたわけですから、普通の方々がそう思っても不思議ではありませんが、「だまされたから無罪だ」と言うのなら、またきっとだまされてしまいます。だまされたことに関しては、だまされた責任があるだろうと思っています。

 そして私たちは子どもたちから問われるのです。福島の事故が起きて以降、お前たちはどうやって生きたのか?と。憲法がいま危機に瀕しているときに、その憲法を守ろうとしている人たちももちろんいるけれども、「一人ひとりはどうやって生きたか」ということを必ず見られ、子どもたちから問われるだろうと思います。その問いにきちんと答えられるように私は生きたいと思います。

 私もそうですし、皆さんもそうですけれども、人生はたった一度しか生きられません。人生は一度きりです。そのたった一度の人生ですから、歴史と事実をしっかりと見つめて、だまされないように生きていきましょう。

▼参考エントリー
原子炉は原爆つくるための装置、核分裂は本質的に核兵器のもの-小出裕章さんが指摘する原発の真実

http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11043475800.html

 以上が、小出さんの指摘です。福島原発事故が起きて以降、脱原発に向けて、憲法を守ることこそ大事でだと強調しています。

 ところが、細川護煕氏と小泉純一郎氏、そして選挙対策事務所・責任者を務める馬渡龍治氏(小泉チルドレン)は、昨日のエントリーで紹介したように、憲法を守るどころか、◆福島原発事故防ぐ設備をスクラップ◆核のごみ降り注ぐことに手を貸し◆辺野古V字滑走路GO◆オスプレイは沖縄に必要◆日本軍が慰安婦にした事実はない◆「新しい歴史教科書」を使わなければならない◆集団的自衛権の行使はあたりまえ◆憲法改正し自衛隊は「日本軍」に◆日本の法人税は高すぎる、消費税を上げ安定した税収を◆NSC(国家安全保障会議)創設を急げ◆憲法改正は自民党の使命◆特区で規制緩和推進を――などと、この数カ月ほどで主張し続けている方達なのです。こういうことを紹介すると「過去を掘り起こしてのネガティブ・キャンペーンはやめろ」などと言ってくる人がいますが、これらの多くは、ほんの数カ月前の話で化石を発掘してきたわけではありません。今回の都知事選に関わる重大な問題ばかりです。

 それから、一般職の現場の公務員労働者は業者から99万円を無利子で借りて懲戒免職(解雇※都職員の実例)され、当たり前ですが、二度と職場復帰することは不可能です。

 ところが、国会議員などの政治家は、公務員労働者に対しては「信賞必罰」などと声高に「公務員制度改革」を推進しておいて、自分たち国会議員は1億円を借りて首相を辞職しても、またぞろ都知事選に立候補できるとのことです。

 まして社保庁職員はお金など一銭も借りてもいないのに、「政治のパワハラ」で不当解雇され、職場に戻ることもできない人がいます。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311120470.html

 「殿」の細川護煕氏なら1億円もらっても何ら問題なく都知事選に出馬してもいいが、現場の公務員労働者は不当解雇でさえ、労働組合がたたかい、裁判闘争等によっても職場復帰を勝ち取ることは大変です。

 「殿、出番です!」などと言っている人達は、最初から「強きを助け、弱きをくじく都知事選」「弱い者いじめの都知事選」として出発するということを考えたことがあるのでしょうか? (こんなことを言うと「ネガティブキャンペーン」などと言ってくる人がいますが、そういう人に限って、現場の公務員労働者を「殿」と同じような扱いにしたら「公務員バッシング」を鬼の首を取ったように煽ったりするパターンが多いという、「権力者だけは甘やかすダブルスタンダードバッシング」を誇っていたりしますね)
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-11747918573.html

細川


(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)

※タイトルの最後に「小出裕章さん」のお名前を付けたことで、タイトルだけを読むと、小出裕章さん自身が今回の都知事選に対して意見を言っているかのような誤解を生むものでしたので変更しました。選挙についての記事は今後、タイトルも含め気をつけたいと思います。(2014.1.22 PM17:30)