マンガで見るブラック企業ナノテック -休憩室に至るまで社員の言動をマイク付カメラで監視の人権侵害 | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 「マンガで見るIBMのロックアウト解雇-突然の解雇通告『30分後の終業までに私物まとめ出て行け』」 の作者ちっくまんさんから、新しいマンガが届きました。ちょうど昨日のエントリー「労働組合つくると監視カメラ17台で組合員に嫌がらせ、委員長を『容疑者』扱い」 の「マンガ版」となります。マンガの作者ちっくまさんと、JMIU(全日本金属情報機器労働組合) から、ぜひブログで紹介くださいとのことですので転載させていただきます。


 ※アメブロは、500KB以上の画像をアップできませんので、マンガの1ページと2ページの画像のあと、いくつかコマを割りながらアップして、最後にテキストでも紹介しておきます。(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)



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 ナノテック株式会社は、常磐自動車道柏インター近くにあるベンチャー企業で、金属やセラミックの表面に特殊なコーティングを行う設備製造および受託加工をおこなっています。


 2009年、リーマンショックから1年――。


 「え!? 今年もボーナス無いって!!」


 「ウソだろ!? 会社の売り上げ、元に戻ってんのに!!」


 「給料もカットしたままで。」


 「あれ、不景気をのりきるため、1年だけって話だったはずだよな?!」


 「冗談じゃないよ。あれ、なんだよ、あのヘリポート」


 「ヘリだけじゃないぞ、クルーザーに高級車6台。全部会社の経費で買ってんだろ?」


 「どうすればいいんだ…

 「おれんとこも、子どもが大きくなるってのに…」



 2012年5月、JMIUナノテック支部結成。


 「要求書。ボーナスなしでは生活できません。ボーナスを支給してください」


 「…。」


 中森社長は、労働組合を嫌悪し、組合結成直後に労働組合対策で悪名高い弁護士を2人も雇い入れました。そして、組合の要求に一切応じない不誠実な団体交渉をずっと繰り返しています。


 「?」


 「何を設置するんだ?」


 「さあ…?」


 「なんだよ、これ?!」


 「監視カメラ?!」


 「これ、なんですか?!」


 「防犯用だって――」


 「……。」


 「ああ、この会社。ここ向けの仕様は…」


 「マイク付監視カメラが、ピンポイントで組合員にむけて所内に17台もある…」


 「休憩時間でも息をぬけない」


 「組合の話をしてると、管理職が飛んでくるし…」


 ※作業現場、休憩室はマイク付監視カメラだらけのため、従業員たちは、休憩中、駐車場や会社近くのレストランで会話せざるを得ない状況。



 【団体交渉にて】


 「こんな、たった3行だけの財務諸表なんて、ぼくたちが求めているのは、こんな数字じゃないですよ」


 「僕らの給料がカットされたままな事や、一時金が出せない理由を説明する決算書を見せてください」


 「私たちは、ここ柏で家庭を構えていこうとしてるんです。幼い子どもかかえて、こんな低い賃金でやっていけると思ってますか?」


 「だいたい、なんで中森社長が団交に出席しないんですか?」


 「組合結成通知の時には、『組合と誠意をもって協議する』という確認書にサインしたじゃないですか?」


 会社側「あれは、社長は、『確認しただけ』だそうです」


 「……!」



 【2013年6月】


 「!!」


 「この夏もボーナスないんですか!?」


 「団交にも社長は出てこないし…」


 「もうウチは限界ですよ!!」


 「俺だって」


 「私だって」


 「ストライキしかないのか…。俺たちの要求を、社長にわかってもらうには…」



 【7月8日】


 「今日から19日まで、ストライキだな」


 「おい、このPC、パスワードなきゃ開けられないのか!」


 「誰がそれ知ってんだ?!」


 「ストって大変ですね…」


 「ただでさえ、熟練の人たちが、あいついで辞めてるんだ」


 「この混乱を、社長が知らないはずがない」


 「俺たちだって、本当はこんなことしたくないんだ」


 「ああ。自分の勤めている会社に、まともな会社になってほしいだけだ――」


 このような状況のもとで、1年間で16名と退職者が続出し、労働組合結成時には36名いた従業員が、わずか20名にまで半減しています。自身が経営する会社を、そこで働く労働者を、かれの私物であるかのように考える中森社長。かれの耳に、労働者たちの声を届かせなくては、柏市にとっても不名誉では? 東京大学のキャンパスがあるような場所のすぐそばに、このような「ブラック企業」が存在するのは――?