4月に改正法施行 - 非常勤公務員も育休可能になるけど…(東京新聞2/25) | すくらむ

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 ※「東京新聞」(2011年2月25日付朝刊)に、国公労連が取材を受けた記事が掲載されましたので紹介します。


 4月に改正法施行 非常勤公務員も育休可能になるけど…
 (「東京新聞」2011年2月25日付朝刊)


 国家・地方公務員の改正育児休業法が4月に施行され、これまで育休が認められなかった非常勤職員にも、仕事と育児の両立への道が開かれる。しかし、非常勤職員の身分は不安定のまま。実効性への疑問や継続雇用の保証を求める声が出ている。(福沢英里)


 国土交通省の出先機関で働く東海地方の30代女性は、「事務補助」として雇われた非常勤の国家公務員。人件費抑制で減った正規職員がしていた勤務管理などの仕事を週5日、フルタイムでこなす。正規職員のパスワードをパソコン端末に入力して作業し、代わりに印鑑も押す。


 2年前に採用されたとき、上司に「妊娠した人は辞めてもらっている」と言われた。正規職員と変わらない仕事をしても、育休さえ取れない待遇に、理不尽さを感じてきた。


 女性は以前、別の職場で正社員として勤めていた際に第一子を出産し、育休を経て復帰。長時間労働が当然で子育てとの両立が難しくなり、離職した。会社員の夫の収入が不安定なため、再び働き始めたが、年齢的にそろそろ2人目が欲しいと思い悩む。


 非常勤公務員への育休適用は、パートや派遣などで働く民間の期間雇用者に門戸を開いた改正育児・介護休業法が昨年6月、施行されたのがきっかけ。民間に倣い、育休を取得できる非常勤職員には、一定の条件が定められている(※下表参照)。申請時に条件を満たせば、子が1歳に達する日までの育休のほか、3カ月の介護休暇が認められる。

すくらむ-非常勤

 人事院規則が改正され、昨年10月から、週の勤務時間が常勤職員の4分の3を超える非常勤の国家公務員は原則1年間の任期で、継続的に更新可能な「期間業務職員」となった。従来は、1日の任期を繰り返す「日々雇用」が非常勤の典型。以前よりは雇用の安定化が図られ、育休整備もその延長線上にある。


 東海地方の女性も、期間業務職員になった。だが上司には「契約は最長3年」とくぎを刺されている。人事院は更新回数の上限を設けていないが、「3回目からは、経験者も含めた公募で採用するよう指導している」(人事院職員福祉課)。


 今春、2回目の更新を迎える女性。その後も、公募に応募して採用される可能性がないとは言えない。仮に女性が4月以降に育休を申請しても、任期の更新見込みがあれば、育休を取得できるはず。


 ただ、人事院の指導に強制力はなく、実際は現場の運用次第。女性のいる職場は、非常勤職員が定期的に入れ替わるのが慣例。「非常勤の女性は、若い方がいい」といった雰囲気さえ感じられ、期待できない。


 女性は「イクメン首長が話題になる時代でも、恩恵を受けるのは一部の人だけ。子どもを産み、働き続けたいだけなのに」と語る。


 日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)の中央執行委員、橋本恵美子さんは「第一線で働く非常勤職員が増えているのに、待遇は不十分なまま。非常勤職員は国の施策のはざまで苦しんでいる」と指摘する。