6/14福岡高裁、生存権裁判で原告勝訴判決 - 国・厚労省は上告せず、老齢加算を元にもどせ! | すくらむ

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 ※全国生活と健康を守る会連合会(全生連)からの緊急行動のお知らせです。


 本日、生存権裁判の福岡高等裁判所の判決が午後1時10分に言い渡されました。「老齢加算の廃止は違法」との原告の勝訴判決です。


 福岡の原告団・弁護団と全国連絡会が以下の共同声明を発表しました。


 明日、15日にはこの判決を受けての緊急行動を実施します。ご参加ください。


 福岡高等裁判所、生存権裁判で原告勝訴判決
 国・厚生労働省は上告せず、老齢加算を元にもどせ!緊急行動


 6月15日(火)緊急行動
 12:00~13:00 厚労省前宣伝行動
 13:30~    厚労省申し入れ
        国会議員要請行動
 ※福岡の原告・弁護団が上京します。
 主催 生存権裁判を支援する全国連絡会
    全国生活と健康を守る会連合会(全生連)



 福岡生存権裁判の控訴審判決について


                    2010年6月14日
                    福岡生存権裁判原告団
                    福岡生存権裁判弁護団
                    生存権裁判を支援する全国連絡会


 本日、北九州市内在住の74歳~92歳の生活保護受給者39名が、北九州市を被告として、2004年4月から2006年4月にかけて行われた老齢加算の段階的廃止を内容とする保護変更決定の取消を求めた裁判について、福岡高等裁判所第1民事部は、被告の決定の違法性を認め、保護変更決定を取消す判決を言い渡した。


 老齢加算の段階的廃止をめぐっては、全国8カ所の裁判所(4地裁、3高裁、1最高裁)において約100名の原告により裁判が闘われているが、本判決は初めての勝訴判決である。


 老齢加算制度とは、高齢者に特有の生活需要を満たすために、原則70歳以上の生活保護受給者について、一定額の保護費を加算支給する制度であり、1960年の創設以来、40年以上にわたり維持されてきたものである。


 しかし、国は、老齢加算の廃止を決定し、2004年度から老齢加算を段階的に削減し、2006年度からはこれを全廃した。


 老齢加算の廃止は、「財政問題の解決」のための社会保障費抑制策の一環として行われたものであり、高齢者にとっての「健康で文化的な最低限度の生活」についての実質的な検証をおろそかにしたまま強行されたものである。


 今、格差と貧困が広がる中、最後のセーフティーネットとして生活保護制度が果たす役割の重要性については論を待たない。改正最低賃金法には「生活保護に係る施策との整合性に配慮する」と明記されるなど、生活保護制度は他の諸制度、諸施策と連動しており、生活保護基準の切り下げは、生活保護受給者のみならず国民生活全般に影響を及ぼすものである。よって本件訴訟は、国民の生存権を保障する上で、重要な意義を有するものである。


 本日言い渡された本判決は、専門委員会での議論など廃止に至る経過を詳細に検討した上で、高齢者世帯の最低生活水準が維持されることを求めた中間とりまとめの但書きや、同じく中間とりまとめが求めた激変緩和措置を十分検討することなく行われた本件老齢加算の減額廃止は、社会通念に照らし著しく妥当性を欠いたものであることを明快に指摘し、老齢加算減額廃止が生活保護法56条に違反し違法であることを認めた。


 我々、原告団及び弁護団は、裁判所が、国の老齢加算減額廃止に至る決定過程の杜撰さを断罪し、その違法性を明確に認定したことを高く評価するものである。


 被告及び政府は、本判決を厳粛に受け止めて、その誤りを率直に認めるべきである。


 我々、原告団及び弁護団は、被告に対しては、いたずらに上告せず本判決に従うことを、政府に対しては老齢加算制度を元に復するための措置を速やかにとることを強く要求する。
                                   以上


(↓※明日の緊急厚労省前宣伝行動で配布するビラの文章です)


 6/14福岡高等裁判所、生存権裁判で原告勝訴判決
 国・厚生労働省は上告せず、老齢加算を元にもどせ!


 6月14日、福岡高等裁判所は、「生活保護の老齢加算を削減・廃止したのは違法」との原告勝訴の判決を言い渡しました。


 国は、生活保護を利用している高齢者の老齢加算を廃止し、毎月の収入の2割前後を減らしました。


 「近所のお葬式に出られない」、「食事1日3回を2回に減らした」など、全国各地で深刻な事態がおきました。憲法25条では「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」と規定しています。また、生活保護制度の保護基準は、賃金や年金など、国民のくらしに大きな影響を与えます。


 今回の判決は、国民の生存権を奪った国の行政を断罪したものです。国は、最高裁判所に上告せず、老齢加算を元にもどすべきです。


 生存権裁判にみなさんのご支援を


 国は、社会保障費を2,200億円毎年削る一つとして生活保護費の予算を減らすために、生活保護基準を引き下げました。この引き下げに対して、京都・秋田・新潟・広島・福岡・東京・青森・兵庫の8都府県で、裁判を起こしています。


 国に憲法25条に基づく最低生活保障のしくみをつくらせる生存権裁判へのご支援をお願いします。