中央メーデーに3万2千人 - 大企業優先政治の転換で若者が希望に輝く未来語れる日本へ | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 ※きょうは第81回メーデーです。代々木公園で開催された中央メーデーには、3万2千人が参加しました。中央メーデーでの全労連・大黒作治議長の主催者あいさつを紹介します。


 今年のメーデーは、第1に経済危機と大企業優遇政治が続くもとで、労働者・国民、中小企業の耐えがたい状態悪化が進む中、失業と貧困をなくし、国民の暮らし守れという要求実現を求めて開催します。


 ここに来て、大企業が中国やアジアへの輸出で回復傾向を示し、外需頼みの経済が復活し始めています。そして、財界は相変わらず「競争力強化」を唱え、労働者の賃金削減と中小企業への下請け単価切り下げを推し進めています。


 財界が「競争力強化」を唱え続けて来た間に日本は、成長しない国になってしまいました。この10年間でGDPの伸びは0.4%、労働者の賃金はマイナス5%。一握りの大企業が200兆円も内部留保を増やし続け、労働者・国民には還元しない、正規から非正規への置き換えが進み、派遣労働の導入と企業減税で「大企業栄えて民滅ぶ」状況が続いています。


 他の先進国は、GDPも労働者の賃金も二桁以上増やしています。政治の力で最低賃金を大幅に引き上げ、中小企業や農業への援助など前向きに引っ張っているからです。


 鳩山内閣も財界・大企業の「競争力」という呪縛から抜け出せず、政権交代で期待をかけた多くの労働者・国民から失望感が広がっています。期待に応えるには、大企業が儲かれば国民に滴り落ちる「トリクルダウン」という考え方から脱却して、国民生活が潤ってこそ成長するという考え方に転換すべきです。


 今春闘では、中小で昨年より健闘しているものの厳しさは変わらないというのが現実ではありますが、賃金の底上げ、最賃の大幅引き上げ、中小企業の活性化こそ「貧困と格差」の解消、内需拡大、景気回復への道であります。賃下げ、リストラ、物が売れないという悪循環から抜け出すために、夏の一時金闘争と結合して闘いを継続したいと思います。


 第2に、終盤国会に向けて、労働者派遣法、最賃、後期高齢者医療制度廃止の3つの課題で、鳩山内閣に対して「公約守れ」のたたかいを強めることを呼びかけます。


 労働者派遣法については、「製造業や登録型派遣の原則禁止」は名ばかりで、常用型派遣や専門26業務を例外扱いした抜け穴をつくり、猶予期間も3年から5年設けるなど400万人いる派遣労働者の2割も救済できないという「偽装改正案」です。派遣は臨時的・一時的という抜本改正を求めてたたかいを発展させましょう。非正規労働者が1,700万人を超え、若者の半数が非正規という働かせ方では、未来を希望に輝くものとして語ることはできません。「正社員が当たり前の社会」へと転換させようではありませんか。来る5月16日、明治公園で開催される「青年大集会」を多くの青年で成功させ、未来を切り開くために力を合わせていきたいと思います。


 最低賃金の大幅引き上げは、購買力を高める点でも、景気を回復する上でも重要な課題です。ヨーロッパの最低賃金は労働者の平均賃金の50%前後、日本の最賃は平均賃金の28%と余りにも低すぎます。これからヤマ場を迎える最賃闘争で政府に公約実現を迫り、大幅な引き上げを求めてたたかいを強めたいと思います。


 後期高齢者医療制度の廃止も先送りした挙句に、廃止後は65歳以上のお年寄りを束ねた新たな国保制度が考えられています。これでは「うば捨て山」といわれた後期高齢者医療制度の対象者を65歳以上に広げるだけであります。この点でも公約守れのたたかいを強めようではありませんか。


 第3に、今年は安保条約改定50周年、終戦65周年を迎えます。その年にあたって、憲法9条を守り、核も基地もない平和な日本を目指す為に力を合わせることを呼びかけます。


 鳩山内閣は、「政治とカネ」の問題でご自身の政治資金や小沢幹事長に「起訴相当」が出されても説明責任を果たさない。普天間基地問題では、「移設」先にありきで、沖縄県内に巨大な基地をつくり、鹿児島県徳之島への一部機能の移転を計画するなど公約違反は明らかです。普天間基地の中心部隊は「海兵隊」であり、侵略のための「殴りこみ部隊」です。日本の防衛には無関係の「海兵隊」はアメリカに帰れ、普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去を求めて立ち上がった沖縄の皆さんや徳之島の皆さんと連帯し、基地撤去のたたかいを発展させようではありませんか。


 明日はニューヨークで「核兵器のない世界をめざす国際行動デー」のデモ行進が、3日からはNPT再検討会議が開催され、日本から1,500名を超える代表団が現地入りしています。核兵器廃絶の世界的な流れをさらに大きくさせましょう。


 最後に皆さん。参議院選挙が近づいています。鳩山内閣への失望感と怒りが湧き起こっている中で、自民も民主も期待できないという声が強まっています。また幾つかの新党が旗揚げされましたが、どの新党も「改憲」「増税」「構造改革」「規制緩和」の焼き直しであります。新しい政治を本格的に探求しはじめた多くの国民の期待は、「貧困と格差」の解消、ルールある経済社会の確立、若者が希望に輝く未来を語れる国です。アメリカ追随、大企業優先の政治の転換を求めてともに闘おうではありませんか。


 世界の労働者団結せよ、第81回メーデー万歳。