憲法九条が未来をひらく、九条は戦争ふせぐ最良の方法 - 劇作家・井上ひさしさんの志を受け継ぎたい | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 劇作家の井上ひさしさんが亡くなられました。会見で、三女・麻矢さんは「『組曲虐殺』が書けたから『もう全然いいんだよ』と笑いながら言ってました」と語っていました。最後の作品が「組曲虐殺」というのも井上ひさしさんらしいなぁとあらためて感涙しました。


 私自身、「こまつ座」の舞台をいくつか観ているのですが、「父と暮せば」「泣き虫なまいき石川啄木」「頭痛肩こり樋口一葉」「闇に咲く花」などが大好きで忘れられない作品です。生の舞台は、一度きりの役者さんの息づかいなどの空気感がたまらないものなのですが、下世話な私は繰り返し観たいがために、舞台のDVD化を望んでたりしてました。


 でも「父と暮せば」は、映画監督・黒木和雄さんが映画化してくださって、快哉を叫びました。私自身の映画ベストワンはこの「父と暮せば」です。(それが高じて黒木和雄さんのインタビュー「戦争告発し9条改憲ストップさせたい」 を手がけたりしました)


 井上ひさしさんは、1953年11月から1956年3月まで岩手県の国立釜石療養所で事務職員として働いていました。じつは井上さんは国家公務員だったことがあるのです。このことは、国公労連の機関紙『国公労新聞』の1988年新年号(1月1・11日合併号)の「新春インタビュー」の中で、井上さん自身が語ってくださったことでした。


 それから、私が制作を担当したのですが、2006年11月26日付の『読売新聞』に国公労連が掲載した意見広告「憲法9条が未来をひらく 武力で平和は築けません」には、「九条は戦争ふせぐ最良の方法」という以下のメッセージを寄せていただきました。私たちは、井上ひさしさんの志を受け継いでいきたいと思います。(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)


 九条は戦争ふせぐ最良の方法 井上ひさし(劇作家)


 人間には残虐な面があることはたしかですが、言葉をもち、その言葉で気持ちや考え方を交換し合う能力があります。むだな争いはやめて、なかよく生きることもできるはず。ちかごろ、この第九条の中身が古いという人たちがいます。「平和主義」という考え方は古いでしょうか。問題が起こっても、戦争をせず、話し合いを重ねて解決していく。その考え方が古くなったとは、私にはけっして思えません。むしろ、このやり方はこれからの人類にとっての課題ですから、第九条は、新しいものだといっていい。日本は正しいことを、ほかの国より先に行っているのです。「平和主義」という考え方は、人類にとっての理想的な未来を先取りしたものだといえます。その考え方が戦争をふせぐ最良の方法だと注目している人は、外国にもたくさんいます。第九条は、世界の人々のあこがれでもあるわけですから、なんとしても、その精神をつらぬいていきたいものです。