労働者解雇・ホームレス製造装置の派遣法は抜本改正せよ-政府は緊急の雇用・住居・生活対策実施を | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 きょう午後6時半から、「派遣法の抜本改正をめざす12.4日比谷集会」が2,000人の参加で開催されました。


 会場の日比谷野外音楽堂の壇上には、野党4党がそろい、テレビカメラも林立し、騒然とした雰囲気で集会が始まりました。


 呼びかけ人を代表して、ルポライターの鎌田慧さんが、「労働者派遣法は、労働者解雇法であり、労働者をホームレスにするホームレス製造装置である。緊急に抜本改正が必要で、近い将来、派遣法は解体すべきだ」と大企業による「派遣切り」に対して、怒りを込めたあいさつをしました。


 つづいて、派遣で働く当事者が壇上から次々とアピール。トップバッターは、今朝のテレビニュースでも報道された期間・派遣社員らで昨日結成したばかりのJMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部の仲間。松本委員長が、「今回のいすゞ自動車の不当な解雇に対して断固たたかう」と力強く発言し、万雷の拍手を受けました。いすゞ自動車が、神奈川県と栃木県の2つの工場で働く期間・派遣社員1,400人全員の契約を今月末で打ち切ることを決めたことに対して、労組は、会社側に契約打ち切りの撤回などを求めたたかっています。


 日立の系列会社で働いている派遣社員の方は、「この12月16日で終わりだから、寮も出て行け」とせまられています。「どうかホームレスにさせないで」と窮状を訴えました。


 阪急交通の小会社で、海外旅行の添乗員をしている方は、「もっぱら派遣」で、親会社の阪急交通にだけ派遣され、勤続9年になっていますが正社員の道はありません。全国に1万2千人の添乗員がいて、その9割が派遣添乗員。登録型でひとつのツアーごとの契約という形で、一切のセーフティーネットがなく、ワーキングプア状態にあります。今回の改正法案の登録型派遣に添乗員は残されたままです。「すべての労働者が安心して暮らせる制度にして欲しい」と語りました。


 グッドウィルで日雇い派遣労働をされていた方は、「ついさきほど、データ装備費問題の訴訟で、福岡地裁がグッドウィルに全額の支払いを命じました」と報告。(※データ装備費問題の訴訟とは、日雇い派遣大手で廃業したグッドウィルが、派遣労働者の給与から1回の労働につき200円を「データ装備費」として天引きしていた問題で、福岡市の男性が同社を相手に支払いを求めていたもの)


 大分キヤノンで派遣・請負で働いている仲間らは、2年間、デジタルカメラ部品の組み立て作業をしていましたが、12月10日付での契約解除を突然言い渡され、給料日の12月16日の前日に寮を出て行けとせまられています。「僕たちにも2009年を迎えさせてください」「寮を追い出さないでください」「次の仕事先をさがしてください」と訴えました。1,100人以上の派遣・請負社員を削減する大分キヤノンは、一方で、期間工の募集を続けており、「派遣社員なら切っていいのか」「派遣社員はモノじゃない」と怒りをあらわにしていました。


 最後に確認された集会アピールの一部を紹介します。


 今、日本国中で、派遣労働者に対する「派遣切り」と有期雇用労働者に対する解雇・雇い止めの嵐が吹き荒れている。時は師走に入り、厳冬の季節の中に放り出され、「雇用の調整弁」として無残にも使い捨てられている多数の労働者があふれている。製造、流通などの現場で働く派遣労働者の中には、職を失うばかりか、住居まで追い出され、路上生活を余儀なくされて、年の瀬の街の中を流浪するしかない者たちが大勢いる。日本の非正規雇用労働者全体の生存が脅かされている非常事態である。


 私たちは、このような労働者の惨状を断じて容認することはできない。「派遣切り」「更新拒絶」を安易に許すような労働市場を作り上げた者たちを決して許しはしない。すべての使用者は直ちに派遣切りと更新拒絶をやめるべきであり、雇用を維持する社会的責任を果たさなければならない。政府は直ちに緊急の雇用対策と住居・生活対策を策定し実施しなければならない。それとともに、今こそ、このようなワーキングプアを生み出す温床となっている労働者派遣法を抜本的に改正しなければならない。


(byノックオン)