発言するロスジェネ~“高みから”ではない“立ち位置”の重要性 | すくらむ

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 NHK教育テレビの「視点・論点」(7月31日放送)で、芥川賞作家の藤原智美さんが「発言するロスジェネ」というテーマで論評していました。


 この6月に創刊した雑誌『ロスジェネ』 を中心に取り上げていたのですが、藤原さんは、『ロスジェネ』がすでに9千部を売り上げている(※現時点では1万部を突破している)のは、「決して少ない数ではなく、立派な部数だ」と評価し、“蟹工船ブーム”ともあわせて、「青年層が社会や政治に無関心であった時代がずっと続いてきたが、ここへ来て少し風向きが変わってきたのではないか」と指摘しています。


 そして、1960年代に多くの青年層が政治や社会運動に参加したときと違う点として、既成論壇や著名人からの発信ではなく、まったく新しいロスジェネ世代みずからが発信し、連帯を広げていることが重要な点の一つではないかと藤原さんは力説します。


 「60年代は社会思想や哲学などの一つの枠組みがあって、その“高みから”社会を見て発言するということが多かった。しかし、今度のロスジェネ世代はそうではなくて、それぞれの現在の日常や個人の生活から社会を見つめていく。よって立つところが違う、立ち位置が違う」と藤原さんは「発言するロスジェネ」の“立ち位置”についても高く評価しています。


 最後に藤原さんは、こうしたロスジェネ世代の発信に対して、「上の世代の人間は、真摯に耳を傾けるときに来ていると思う」と語っています。
(byノックオン)