現在の国際社会の構造は基本的には主権国家体制と呼ばれる。
では主権国家体制以前はどのような体制であったのだろうか、国際政治とは西欧中心であり、そこでは、ローマ教皇と神聖ローマ皇帝の権威に、国王、封建領主、農奴が従属する体制であり、正当な秩序だと考えられていた。しかし、最後の宗教戦争であった三十年戦争がウエストファリア条約の締結により終結すると、この体制は大きく変容するのである。
それまでの一つのローマ(パクス・ロマーナ)という思想から、国家を主権国家と捉え、それぞれの国家が対等に独立しあい、世界が国家に分裂した状態を正当な秩序とする主権国家体制が始まったのである。
主権国家体制の特徴は以下のように言える。
・主権平等
・アナーキー
・世俗国家
・戦争の体系化
主権国家は、それ以前の農奴や封建領主、国王などがそれぞれ暴力装置を持っていた状態を、ある種強権的に国家のもとに一元化し、対内的に権力を確立し、内政不干渉原則をも含む対内主権と、主権平等原則としての対外主権からなる主権によって枠づけられる。
アナーキーは、無秩序という意味ではなく、国家間の統治機構としての世界政府の不在を意味する。
また、神聖な国家秩序から、正義という価値判断を排除した世俗国家となった。
そして、この体制は戦争を違法化する体制ではなく、ヨーロッパ大に拡大する戦争をなくすことを主眼とし、国家間の小競り合いを否定するものではなく、現に30年戦争以降戦争はなくなるのではなく、殲滅戦としての戦争はなくなったが、むしろ国家間の外交の延長としての手段としての戦争は増加したとも言われている。
このように国際政治の基本構造は、国内政治には政府があり、警察や裁判所が権力を行使すことにより法の執行が行われているのに対し、世界政府が不在であり、分権的な主権国家体制が敷かれている。また、国際裁判所や国際法といったものはあるとはいえ限定的であり、法の執行は未発達であると言える。
また、国内政治においては国民に一体性や共同体意識があると言いうる一方で、国際政治においては地球しみといった一体性や共同体式は欠如していると言える。
このように現在に至るまで国際社会は、変容をしている。
すなわち、第一次大戦以降、第二次大戦以降本格的になるが、アメリカが国際政治に参入し、また非西洋諸国も参入してくるなど、国際政治は地理的な拡大も見られ、一方で、それらの各国が内政を民主制に転換してきたことで、内政不干渉原則にも揺らぎが見え始めてきている。というのは人道的介入や保護する責任といった考えである。
また、当初は戦争と平和が国際社会の争点であったのに対し、グローバル化による経済の相互依存の進化にともなって貿易や金融、そして環境問題なども国際政治の争点となってきた。
また、主権国家のみではなく、国際機関やNGO、多国籍企業や個人によるデモ活動などが国際政治のアクターとなりつつあると言える。一方で、主権国家の主体というものは多孔化してきている国際政治において今でも維持されている。
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