オバマ大統領から指名を受けた候補のチャック・ヘーゲルに対して、上院は先ほど58-41の評決を下し、就任が承認された。
国防長官の職は、大統領から指名を受けてから、公聴会などを経て、上院からの承認を必要とする人事である。国務長官やCIA長官など承認を必要とする人事は多い。
日本でいう「身体検査」にあたるのが公聴会であろう。
ただし違いがあるとすれば、日本の場合、首相周辺が人選し検査をし通過すれば指名され就任することになるが、アメリカの場合は、大統領の指名を受けても議会の承認を必要とするので、より個人の資質が問われる環境になっているといえる。また立法府の行政府に対する力も強いということができるだろう。
公聴会では、過去の発言や出版物、業績などあらゆることを公聴会のメンバーから問われる。
宣誓を行っているので、嘘をつけば犯罪にもなる。
今回指名を受けたチャック・ヘーゲル、当初は共和党所属の元上院議員ということもあり両党から支持を得てスムーズに通過すると思われた。(上院は民主党が一応有利ではある)
しかし、ヘーゲルの中東に対する考え方が問題となった。
とくにその考えに対してユダヤ人ロビーが積極的に行動し、この人事を阻止しにかかったのである。
ヘーゲルの中東に対する考え方は、イランとの戦争ということは考えておらず、またイスラエルを軽視したものでもあった。すなわち誤解を覚悟で簡単にいえば、中東への介入を減らすことを主眼に置く考え方である。
これに対してイスラエルは、イランの核開発を直接の脅威と捉え、昨年9月の国連総会(UNGA)での演説でも、ネタニヤフ首相が爆弾の図を使って現状認識とその強硬的な姿勢を明らかにしていたように、イランとの戦争も想定に動いている。
そんな中、そのサポートに懐疑的である人物を、米軍のトップ(最高司令官は大統領)におくことに対する反発の声が高まったのである。
そして1度目の投票では過半数を超えるものの承認に足る賛成を得られず、流れていたのであった。
しかし、先ほど上院はチャック・ヘーゲルを次期国防長官として承認した。
ヘーゲルが就任したことは、オバマ政権のアジア重視の表れでもある。ヘーゲルは上院議員時代は外交委員会に所属し、アジア地域の各小委員会に所属していた。その際、オバマ現大統領、バイデン現副大統領、ケリー現国務長官らと委員会をともにしていた仲間である。
ヘーゲルが就任することで、アメリカが抱える財政問題の中での軍事費の問題も進展するだろう。すなわち軍事費のカットを進めることが見込まれる。
アジア・太平洋を重視した体制を敷きながら、イラク・アフガンからの撤退を進め、プレゼンスを維持しながらもコストを削っていくことになるだろう。
したがって、イラン、北朝鮮、シリアへの対応も非軍事的なものが望ましくなる。
オバマ政権第2期の外交・安全保障政策にとってこの人選がどのように機能していくか、同盟国日本の国民としてチェックする必要がある。
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