頭はすっかり禿げ上がっていますがよく見ると頬骨から額にかけてつやつやと力が張っていてまったく枯れていない印象が私の疑惑をますます強くします。誰のことか、内田朝雄のことなのです。
 
そもそもの発端は『日本侠客伝 血斗神田祭り』(マキノ雅弘監督 東映1966年)を見たとき、終盤にまたしても悪たちの不埒な悪行三昧で放火され、半鐘がじゃんじゃん鳴るなか、人力で駆けつける健さんの傍らを火消しの若い衆と頭の内田朝雄が走り抜けていきます。健さんも人力を飛び下りて走り出すんですが、内田の伸びやかな力走についていくのがやっとなのです。
 
それで冒頭の疑惑が首をもたげるわけです。この映画でも内田はいつも通りの組合の長老格、かたや健さんはぴちぴちの組の小頭で、孫とは言わないまでも子供では利かない年齢差。
 
そこで他の出演者もまじえて生年を比べてみますと
鶴田浩二 1924年生
高倉健 1931年生
意外だったのが天津敏で、1921年生まれ。いつも健さんと鼻先で睨み合って悪ながら苦味とあどけなさが入り交じるなかなか年齢不詳な敵役ですが10歳の年長。そしてわれらが(とまでは言いませんが)内田朝雄が1920年生まれ、何と天津敏のひとつ上、健さんとはひと廻りも離れていないわけです。いやあ内田朝雄が老けてんじゃなくて老け役だったとは、まったくの盲点でございました。道理であの力走なわけですよ、見た目は長老でも体は40代ですもの。
 

 

こちらをポチっとよろしくお願いいたします♪

  

 

内田朝雄

 

 

前記事 >>>
「 マキノ雅弘 」

<<< 次記事

「 まぎらわしい 」

 

 


■ フォローよろしくお願いします ■

『 こけさんの、なま煮えなま焼けなま齧り 』 五十女こけ