お母様(小3女児母)はフルタイム勤務の傍ら、来たるべく中学受験に備えて毎朝継続して、九九、計算、音読、漢字などを15分ほどやっています。

 

お母様の心配事。

もっとも簡単な例として、2+8=10のような問題があるとする。

うちの子は、2と8なら意味も考えずに”10″のように丸暗記しているような気がする。

 

例えばおはじきが2個あって、そこに8個増えたら10になった、のような足し算としてのイメージを膨らませて10とやっているのだろうか・・・・?

 

ここで私はうーーンとうなってしまった。

他の保護者からも、同じようなご相談を受けたことが何度もあるからだ。

 

某母曰く

文章題が出来ないってことは、中身をイメージすることが出来ないからだと思うんですよ。

結局国語力の問題かもしれない。

 

ここからは私の考えを聞いてください。

算数の文章題程度の長さの文が、国語力に直結するとはどうしても思えません。

 

イメージを膨らませられないのが原因ではなく、単に「練習不足で解けない」だけだと思います。

四谷偏差値60までの入試問題なら、そこまで難解でとっぴな問題が出てくることはないしある程度のパターンがあるから、国語力とは別物なのだ。

 

今までの経験で感じるのは、「みんな正しく勉強していない」。

 

目次をざっとさらうように、代表的なものを1問ずつやっているのと感覚的に変わらないやり方をしているように、私には見える。

 

たとえそのようなやり方だとしても、確実に成績に反映してゆく一部の上澄み層は確かにいます。

 

私が思う上澄み層とは、受験者総数の上位15%未満の子ども達です。

 

大多数の子には、未知のことを出来るようにするための、地味で泥臭い繰り返しが必要です。

そのようにしながら、かなりのところまで食い込んでいくことはいくらでも可能です。

 

一見遠回りの私のやり方に、見ている親御さんから「こんなことしていて間に合うのですか」と、何度苦情を受けたことか。

 

しかし本人が分かってくるに従い自信が生まれて、それが小さな核となり、その周りに層が出来てくると加速しますから、そうなったらこっちのもの。


ところで、面談のお母様には、2と8がきたら10と丸暗記でよいです。

このような段階にイメージは不要で、まるっと丸暗記。

とお伝えしたら、「えーっ!? それでいいんですかぁ?」とすごく拍子抜けしていました。

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長い目で見た場合、自学自習の習慣は、学力を培うことに繋がるし、人格形成にプラスになるし、良いことづくめです。

 

ところが中学受験に関しては、このやり方では日の目を見られないまま受験日を迎えることになるお子さんは大勢います。

独りでやれる小学生は、上位20%以内だと思います。

 

中学受験はぜひとも親がかかわってください。

バトルする事無く、勉強を教えられる親御さんは少ないので、横について教えるということではありません。

 

でも次のことをやるかやらないかで、成績は大きく違ってきます。

 

●今どの単元を学んでいて弱いのはどこか、少なくともテスト結果に十分目を通してください。

 

●宿題はキチンとされているか、気を払ってください。

(答を丸写しでも)中にはバレないように、何個かに一つ間違えも仕込んでいるというお子さんもいるので、チェックが必要です。

 

話は少しそれますが、私の塾は完全一対一なので、このように進めています。

四谷偏差値40までのお子さんを例にとります。

 

各単元の例題や類題は省き、基本問題左面の、ほんの短い二行程度の文章題の解説から始めます。

 

そして同時にやり方の動画撮りをし、親御さんに送ります。

 

次に演習問題集の同列問題に進みます。

しかし、基本問題の解説を私が懇切丁寧にやったとしても、演問はまた別物になってしまうようで、再び一問ごとに時間がかかり、90分授業では最後まで終了しないことはザラにあります。

 

さて、ここで親御さんの力が必要です。

 

こちらが出した宿題の指示を、

①送った動画と同じやり方で教える。

諸事情で教えない方は

②動画を見ながら宿題をやるように、お子さんに指示を出す。

 

毎回30問程度の文章題を宿題に出すので、それを次までに二周以上はやってもらう。→やったものを親御さんがチェック→次の授業で私もチェック。

 

もっと上のレベルに進ませたいのは山々でしょうが、「今やったところを即効忘れてしまう」、または「一瞬理解したように見えて実はあやふや状態」ですと、その先はどうなるか言うまでもありません。

 

偏差値がどうのというよりは、いつもほぼ何をやっているのか分からない状況では、勉強は苦行難行です。

 

5周遅れでも良いから、とにかく分かれば楽しくなります。

「あぁそういうことか、ちょっと分かったぞ」になれば、状況は必ず変わっていきます。

 

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私の塾は、個人宅で行っていることと、一対一であることで、問い合わせをくださる皆さんはとてもお気遣いくださいます。

 

そんな中で、あれ?この人はどうしちゃったんだろう、という記憶に残っている例を書きます。

 

入塾前に面談を実施するのですが、その母はいきなりボイスレコーダーをテーブルの上にのせました。

その時に、きっと私がとてもビックリ顔になったのだと思います。

 

母は、ポツポツと事情を話し始めました。

 

とんでもないことが起こり、気が動転して、きっと先生の説明は脳を素通りして記憶に残らないと思うから、どうか録音させて欲しい、と。

 

その”とんでもないこと”とは、小さい年齢の妹さんが前日に小児●●●(プライバシーのため伏せます)を発症して緊急入院になったとのこと。

起きているのに眠そうで、ろれつも回っていない。

いつもと様子が違う。

おかしいぞと直ぐに異変を察知した母。

 

私「それならキャンセルして頂いて、別の日を設定したのに」

母「いいんです。今はまだ面会できないんです。心が騒いで家にいても何も手に付かず、だからキャンセルせずに今日来ました」

 

そうか、そうだったのか。

でもでも。

当時は少しずつケータイが普及し始めた頃でしたが、せめて事前にメールしようよ。

そうしたらレジュメなど作成しておきますから。

 

その後妹さんは全快し退院しました。

 

もう一人は、お子さんを送りに来たと思ったら、突然「今日は授業を見学させてください」とあがってきました。(下のご兄弟を伴って)

 

いまでこそ送り迎えの際、「どうぞ中にお入りください。どんなところで勉強しているか見たくないですか?」と招き入れる事が頻繁にありますが、それでも授業見学は別物です。

 

先の母には、学習ご報告の折ズバズバと辛辣な事を書いたため、その実態をみたいと思われたようですが、それでも事前に了承を得ないのはマナー違反です。

 

自分とは違うルールの人は1%にも満たないので、あれこれ言うつもりはありませんが、今はもう皆無になりました。

 

理由は、私が母様達とはかけ離れた高齢者になったため、以前のような「生徒が増えて欲しい熱」がどんどん下火になり、すごい迫力で”ダメ!”を言えるようになったからです。

 

あともうひとつ。

メールの宛先に、名前を間違えて書いてくる保護者、今までに3人いました。

そういう人には、今後は返信は止めようと思います。

 

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