
「創価のルネサンス77」池田大作
「創価のルネサンス77」
池田名誉会長のスピーチから
池田大作
小冊子
聖教新聞社
定価100円
110ページ
1994年12月20日 初版発行
1997年 平成9年 6月 読了
★ ★ ★
【目次】
<池田名誉会長の折々の語らい(1)>
境涯を広げれば幸福
胸中に「寂光の覚月」を輝かせ
戸田先生「わが生命の中の日蓮大聖人にお会いせよ」
生命の拡大運動
尊極の菩薩なり
「権力・金力に対して人格の支配を」夏目漱石
21世紀と宗教
未来は決まる 現在の心で
国際人になれない日本人
釈尊は否定 「僧侶の祈りで成仏」は外道の考え
バラモンの儀式
「正義の心こそ身を守る三重の鎧」シェークスピア
無冠の王者と
祈りで魔を打ち破れ
御聖訓 阿修羅王が邪教の主と権力者を動かし賢人を迫害
大悪に勝てるのは仏の力のみ
「まことの時」に戦う人こそ
一念の力は無限 宇宙をも動かす
戸田先生「学会は強きでいけ」
御金言“おごれる者は 強敵をおそれる”
慢心から「自分は大きい」と錯覚
人を尊敬できない卑しさ、弱さ
悪を許すな! 善の阿修羅王と立て
伸びた背中にはだれも乗れない
宗教こそ「民衆の自由・独立」の砦
明治の福沢諭吉“日本に真の宗教なし、皆、権力の奴隷”
下にいばる病気
仏法は社会の人間の力を開拓
戸田先生 三類の強敵を喜べ!
僭聖増上慢が出たら広布の時
大悪と戦ってこそ境涯の大変革
権力者よ いばるな 人のために働け
指導者から腐る
抑圧者の武器は「ウソ」 民衆よ、真実を手に立ち上がれ
カナダの「世界の明日」展で紹介
私の一生こそ私のメッセージ
私は行く、私は人間だから
その時、詐りの権力者たちは動揺した
彼は止まらない
人々はロボットではなくなった
世界のとの落差
尊敬される国 誇れる国を
釈尊は革命家だった
ギリシャの英知「あらゆるなかで最も不正なものは嫉妬」 正義の人は「一人でも大勢の悪人より強い」
狂気の嫉妬社会
太陽が出現した
「悪を斥けよ! クズのように取り除け!」釈尊
「邪悪と戦う学会こそ真の仏教」ラダクリシュナン博士
保身の宗教者は釈尊に敵対
邪な僧侶は追い払え!
ガンジー「宗教なき政治は死体」
政治の質が低下
美しき「韓国の心」をありがとう
伝統衣装に込められた不屈の「民族の心意気」
文化の恩人の国を心から尊敬
韓服にこめられた血涙の歴史
隠された真実
味噌も韓国語
日本の軍国主義と戦った先師
文化とは、魂の戦い
文化と共に精神的規範も消えた
魂が空虚なら 文化も虚飾に
モーツァルトを聞きながら殺戮
日本の社会 「確固たる自分」がない貧しさ 「知恵でなく富で飾る」危険
哲学とは「これだけは譲れぬ」信念
魂を耕す世話
拝金社会にない「温かい言葉」と「美」
文化運動を抑圧
抵抗せよ権力に 生きた人間ならば
負けない! 愉快に生きてみせる
宗教に無知の指導階級の犠牲に
転倒の社会で
牧口初代会長「信仰心は大事だが一宗に偏してはならぬ=これが社会の混迷のもと」
大戦中、軍人首相を正面から批判
特殊な「日本的宗教観」を押しつけ
国家の宗教統制
国家内国家のユダヤ人を許すな
民衆よ ウソを見破れ 歴史に学べ
ヒトラー「ユダヤ人に国家を乗っとらせるな」――このデマを利用し自分が国家を乗っとる
偽造文書を利用
ヒトラーのウソが独り歩きし、大虐殺の悲劇が
嘘を雪だるま式に拡大する手口
差別をはね返して活躍した人々
あいつらに自由など許さないと
日本の軍国主義化は権力への「宗教的挑戦」がなかったから
民衆を軽蔑する機械人間たち
団結すればファッショ?
反動的な動き
寛容の証は対話
ガルトゥング博士「伝統仏教はファシズムを容認」
既成仏教の短所
権力は常に伝統的価値観を利用
牧口先生の開かれた宗教心「一宗ではない、一国が滅びることを嘆くのだ」
政府が宗教を精神統制に使う
★ ★ ★
池田先生のスピーチ集「創価のルネサンス」の第77巻です。
池田名誉会長の折々の語らいが、収録されています。
以下、ポイントメモです。
●これだけの迫害を受けながら、なおも、人のため、社会のために、祈り、動いている民衆群像が、他のどこにあるのか。
まさに菩薩です。地涌の菩薩でなければ、到底できない(P10)
●どこを見るか。「心」を見るのです。人間でも、団体でも、一国でも(P14)
●――国際的にも、日本人の卑しさや傲慢さが、ひんしゅくを買っているようです。
名誉会長 自分に豊かな心がないから、相手の心もわからない。その国の人の思いをわかろうとしない。
それでいて、自分の利害と言い分を押しつけ、従わせようとする。思い通りにならないと怒る。心が狭いのです。島国根性です。
だから、国際人になれない。どこへ行っても、心の底から友好を結べない。信用もされないでしょう(P15)
●根本が「策」なのか、「祈り」なのか。問題は、そこです。
策略だけであれば、それ以上の策略に負ける。
また、永遠に不毛の修羅闘諍――低い次元での抗争と葛藤を繰り返すことでしょう。
人生の勝負も、広宣流布も、「法華経に勝る兵法なし」です。
断固、魔を打ち破っていく透徹した「祈り」。また「祈り」。
そのうえでの渾身の知恵、知略、行動、団結が必要なのです(P21)
●戦いです、人生は。戦いです、仏法は。広宣流布は。
特に、青年は「平和ぼけ」してしまえば、自分の建設はない。
「豊かさと平和は、臆病者をつくる。苦難こそ強さの母だ」と、シェークスピアは言った。
その通りです(P25)
●へつらいの心について(P27)
●いばる人間など少しも偉くない。ガンジーは「友の幸福のためにどれだけ尽くしているか、そこに人間の偉大さを測る物差しがある」と言いました(P41)
●人間は「真理」を求めて旅をしなければならない。
けれども真理は、実は、困っている人、弱き人を助ける「慈愛の行動」のなかにある。高尚な知識のなかにあるのではない。
どんなに知識があっても、観念の遊戯や、民衆への軽蔑を続けているかぎり、その人は真理から一番遠いところにいるのです。
これが日本人には、なかなか、わからないようだ(P47)
●ガンジーは、ある人から「メッセージを」と頼まれ、「私の一生が、私のメッセージです」と答えた。
私たちも、そのように生きたい。「我が行動こそ、我が叫びなり」と(P48)
●チェコのビロード革命は、本気の一人からはじまった(P49)
●文化といっても、魂が空虚であれば、ただの飾りにすぎない。
ナチスのつくった地獄「アウシュヴィッツ強制収容所」。ここの所員たちは、悪鬼の殺害を日常的に行いながら、同時にバッハやモーツァルトを愛し、ゲーテを読んでいたといわれる。
「モーツァルトを聴きながら、ガス室のボタンを押す」――この悪夢のような光景に、現代の病根の深さが象徴されています(P76)
●哲学がなく、自分がなく、魂がない。
だから、どんなに文化を論じても、昔は軍国主義と権力に「人間」がつぶされてしまった。
今は、拝金主義と権力に「人間」がつぶされていると言えるかもしれない(P80)
●「人間は人間になろうと努力する生きものだ」という言葉があるが、「人間が人間になろうという努力」――それこそ文化です(P83)
●今は、東京牧口記念会館(八王子市)もできた。
先生が冷たく狭い三畳間で戦い、亡くなられたゆえに、私は、壮麗な世界的建物にしたかったのです(P85)
●自分たちに忠誠を示さず、自分たちの思い通りにならない存在への「いら立ち」――それがヒトラーの「ユダヤ人への戦争」を引き起こしたのです(P91)
●ホロコーストはなぜ起こったのか(P92)
●――「民主の名のもとに、ひとつになりましょう!」という叫びは感動的です。
団結が大事ですね。日本では、民衆が団結している姿を批判して「ファッショ的だ」などという転倒の見方がありますが、意図的な批判にせよ、あまりに悪質ですね。
名誉会長 権力者は民衆が団結することが怖いのナす。団結することは困るのです。バラバラになることを願うのです。だから、そういうレッテル張りをする。
民衆を団結させることがファシズムなら、数億のインド民衆を団結させた指導者ガンジーはファシストなのか。黒人の勝利のために、アメリカ中の黒人を団結させたリーダー、マーチン・ルーサー・キング氏はファシストなのか。だれでもわかることです。
反対に、ヒトラーは、一人でいるときもファシストだった。少数の仲間といるときも、ファシズムが、そこに蠢いていた。要は思想の中身です(P102)
●自分の心情への大確信なくして、人を救えるはずがない。
不動の信念なくして、抑圧や誘惑に抵抗できるわけがありません(P109)