第140回公演『サカシマ』 青 | こじにずむ日記

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千葉大学演劇部 劇団個人主義のブログです
公演情報や日々の稽古の様子などを公開しています                 



初めましての方は初めまして。そうでない方はお久しぶりです。劇団個人主義23の古部優生です。

今回のブログで23は私が一番乗りですね。演じる役の順番なので仕方ないのですが。偉大な先輩方からのバトンを受け取るのが私とは、何とも畏れ多い気持ちです。あ、でもAmebaブログの並びは新しい順だから、皆様の目に触れるのは23最後の可能性が高いですね。どうでもいいですね。とにかく、所詮一下っ端の文章だと高を括って読んでください。

いやいや、下っ端じゃなくなるんだって。
新入生の皆様、この度はご入学おめでとうございます。このブログが投稿されている頃には授業も始まっていますね。いかがお過ごしでしょうか。新生活というのは往々にして大変なものですが、中でも大学入学後って本当に大変ですよね。昨年の今頃は私もうわ言のように「大学たのし〜」と繰り返すことで正気を保っていました。普段全く聴かないウキウキの洋楽とか聴いて自分を洗脳していました。反動で毎晩訳もなく泣いていました。実家勢の私ですらそうなるんですから、一人で千葉に来た方なんて想像を絶する苦労をされていることと思います。私はあなたを心から尊敬しています。頑張ってる。本当に頑張ってる。凄いよ。もちろんそれは、私と同じ実家勢の皆さんもね。何ならもう新入生じゃなくても。大学生じゃなくても。皆凄い。皆頑張ってる。皆で乗り越えましょう、春。
ってね。自分が春を肯定的に捉えられないからって、不特定多数に押し付けるのはやめましょうね。

さて、皆様慌ただしいところ恐縮ですが、劇団個人主義の方でも新入部員を募集しております。サークルの日にビラを貰ってくださった方もいらっしゃいますかね。そうそう、あのかっこいいやつ。ここは一番乗りらしく、23ならではの視座から勧誘文でも綴るべきなのでしょうが、如何せん私は社会性というものを持ち合わせておりません。部での経験や自分が今感じていることについて、客観的に体裁を整えて文章化するということができません。想像力も読み手への配慮もいまいち欠けております。23を代表しての勧誘文なんてどだい無理な話です。誰もお前には頼んでないって?それは言わないお約束。

という訳で、ここからしばらくは私の独り言です。読むに耐えなくなったらいつでも読み飛ばしてください。終了の目印は付けておきました。

大学に入るまで、私には演劇経験がありませんでした。
いや、正確には1度だけあります。あの時、狭い教室で一瞬だけ浴びたスポットライトが、私を演劇の世界に引き込みました。
いや、正確にはそれだけではありません。生い立ちや憧れ、いくつかの不純な動機もあって、私は劇団個人主義に入団しました。
とにかく、私が演劇を始めたのは大学に入ってからです。

入団を考えている方に私が何をおいても伝えたいのは、当団体は未経験者でも大歓迎だということです。それは部のスタンスとしてもそうですが、私個人が強く思っていることでもあります。初めの一歩を踏み出す勇気さえあれば、未経験でもきっと大丈夫。だって、私と同じように未経験から出発して、今では大活躍している同期が何人もいます。大学から演劇を始めたとは到底思えないような先輩が何人もいます。演劇の世界は想像より遥かに広いです。あなたを待っている場所が、この世界には必ずあります。
かくいう私はと言うと、正直苦しいことがない訳ではありません。如何せん何の取り柄もないもので。才能溢れる同期達との差に打ちのめされることもたまに…時々…いや結構頻繁にあります。無知な私は演劇の世界を土足で踏み荒らしているようで、何だか申し訳なくて、それを自覚していながらどうすることもできない自分が情けなくて、まあしんどいです。逃げたくもなります。でもそれでいいんです、私は。苦しくてもいいんです。それを避けようとして一歩踏み出すのをやめていたら、高校生の頃から変われないままだったから。いいと思っています。私はね。周りにどう思われているかは分かりませんけど。私のような奴が手放しで未経験でも大歓迎!なんて宣ってたら、無責任すぎて各方面から怒られそうな気もします。
でも、たぶんそれでも大丈夫です。大丈夫だと信じています。私みたいな人間が居ても。ここは私の居場所なんだって、私はここに居てもいいんだって、最近ようやく信じられ始めたところです。ちょっと遅いか。まあ大丈夫です。大丈夫ですから、よく考えた上で気軽に入ってきてください。

(本題とは逸れますが、最近同期や先輩方からあだ名で呼ばれることが多くなりました。本名の方の苗字と名前を2文字ずつ組み合わせたものです。今までそんな呼び方されたことないし、何なら若干語呂悪いような気もするけど、個人主義でしか呼ばれないこの名前が愛おしくて仕方ありません。ってことをどこかで言いたかっただけです。内輪の話です。失礼いたしました)

あ、当たり前ですがここで経験者の方を軽視する意図は全くありません。演劇界では先輩の皆様、ぜひぜひ入団して一緒に舞台を作ってください。お待ちしています。

春公演が終わり次第、新歓稽古が始まります。演技体験だけでなく、照明・音響・舞台美術等のスタッフワーク体験も出来ます。劇団個人主義に興味を持ってくださっている方はぜひご参加ください☺️



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突然ですが、皆様ココアは好きですか。美味しいですよね。私もこのところ毎日飲んでいます。飲み比べなんかもしています。私の1番のお気に入りは、自販機で売っているらくのうマザーズの紙パック入りミルクココアです。次点でセブンプレミアムのココアスティックです。ガストのドリンクバーにあるココアも美味しいです。あなたはどのココアが好きですか?まあ、どれでもいいですけど。
いやよくないです。美味しいココアを知っていたら教えてください。

実はココアの健康効果ってすごいんですよ。
まずココアには不溶性食物繊維が多分に含まれていて、飲むだけでお腹の調子が整います。嬉しいですね。また、ココアに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化を防ぐ効果や美肌効果があります。末梢神経を拡張させ、血圧を下げる効果もあります。さらに最近の研究では、記憶能力を活性化させ認知症を防ぐ効果や、アレルギーを緩和する効果があることも明らかになっています。春は花粉の季節です。花粉症をお持ちの方、ぜひココアをどうぞ。
驚くべきことに、ココアの効能はまだあります。カルシウムや鉄分、銅などのミネラルが多く入っており、飲むことで不足しがちな栄養分を補うことができます。成長期のお子さんにはピッタリですね。ホットで飲めば冷え性にもよく効きます。さらに、食後に飲めば血糖値を下げる効果まであるそうです。すごいですねココア。某ことわざのリンゴを押し退けそうな勢いです。
ちなみに、ココアにはピュアココアと調整ココアがあります。ピュアココアに砂糖や脱脂粉乳を混ぜたものが調整ココアです。調整ココアは甘くて美味しいですが、糖分を多く含むため摂りすぎにはご注意を。調整ココアであれば、1日約1〜2杯が適切な摂取量だと言われています。
ココアをうまく生活に取り入れて、皆で長生きしましょう!

以上、ココアの宣伝でした。続いて今回の劇の話をしたいと思います。

今回上演する『サカシマ』は、良くも悪くも非常に強い影響力を持った戯曲です。初めて読んだ時には一目惚れのような衝撃を受けました。読後1週間くらいは他のことが全く手につかなくなりました。大学の講義も右から左。気づいたらMoodleではなく戯曲デジタルアーカイブを開いていました。駄目だね。今ではもう何十回、下手したら何百回も頭から読み返しましたが、何度読んでも飽きるどころかどんどん引き込まれる感覚があります。きっとまだまだ夢中になれます。おそらく人生で1番好きな戯曲です。提案してくださった先輩には感謝してもしきれません。

どうしてもやりたい戯曲だったから。上演が決まって、一役者として舞台に立つことができて、本当に嬉しくて幸せです。本当に本当に幸せです。こんなに幸せでいいのかって、何だか全部夢みたいで、時々怖くなるくらいです。今は公演が終わってしまうことがどうしようもなく寂しいけれど、それはまた別の話。
座組一同、もちろん私も、約4ヶ月間全力で取り組んできました。その成果を本番で皆様にお見せできるのがとても楽しみです。今回私が演じる役は、二兎泉水と言います。常にニコニコしているココア好きの青年です。初めの頃は、台本を読んでも彼が何を考えているのか全然分かりませんでした。いやマジで全く分かりませんでした。でも今では、台本を読む度に彼の感情が走馬灯のように目まぐるしく、そして色鮮やかに浮かび上がってきます。台詞一つとっても、彼の思考の跡が手に取るように分かります。それは言い過ぎかも。大分言い過ぎだな。ですが確実に、前よりずっと二兎泉水の内面に接近できている感覚があります。分かるよ泉水。あなたは決して普通の人間とは言えないけれど、その想いは普通の人のそれと大きく変わらないこと。あなたはただ幸せになりたかっただけだということ。愛してほしかっただけだということ。当初は自分とはかけ離れたキャラクターだと思っていましたが、意外と自分に似ているところも見つかったりして。私は本当に泉水のことが好きです。大好きです。死ぬほど好きです。泉水として生きていられる時間はこれ以上無いくらい幸せで、きっと私の人生でかけがえのない時間になるでしょう。それももうすぐ終わってしまうけど。

終わってしまいます。どうしましょう、終わってしまいます。もっとずっと泉水でいたいのに。日野陽毬さんや灯里さん、お父さんやお母さん、睦実、そして先生と一緒にいられた時間が終わってしまいます。皆いなくなってしまいます。嫌だ。待って。置いていかないで。
駄目ですね、こんなのは台本とも公演とも何も関係のない、古部優生の感情に過ぎないんだから。春なんだし、前向いてけって話です。
あと数日、泣いても笑ってもあと数日、できるだけ二兎泉水として駆け抜けたいと思います。
終わりがあるから僕らは美しいんです。

さて、戯曲の方に話を戻しましょう。
サカシマ。道理に合わないこと。道理に背くこと。
やっぱりパワーの強い作品です。この作品に感動する人も、勇気づけられる人もいることでしょう。私もこの作品からは大事な勇気をもらいました。大事な大事な勇気を。あるいは不快感を覚える人もいるかもしれません。それもまた一種の影響です。できれば、皆様には公演が終わった後で戯曲を読んでみてほしいです。きっと新しい発見があると思いますので。読んだら私と語りましょう。ね。

ココアは健康にいい。それはそうですね。でもそれがどうしたんですか?どうしてあなたは健康でいたいんですか?この戯曲は常に問いかけてきます。
皆様は流星群の日に空を見上げますか。それはどうしてですか。誕生日にケーキを食べますか。それはどうしてですか。そもそも誕生日を祝いますか。それはどうしてですか。長生きがしたいですか。それはどうしてですか。今周りにいる人に出会えてよかったですか。それはどうしてですか。この質問責めに腹が立ちましたか。それはどうしてですか。

つかぬことをお聞きしますが、あなたは何となくの響きや語感に身を任せていませんか。もしくは文化や常識や倫理や道徳や信仰に全ての判断を委ねてはいませんか。一丁前に批判なんぞを試みている訳ではありません。それはきっと道理と呼ばれるべきもので、きっとそれが正しいんです。
ですが、そういうものに私は抗いたい。なんて思っているんです。最近、あるいはずっと前から。実を言うと今までは全然抗えていない人生でした。それでも、これから何とか抗ってみたいんです。抗います。宣言します。私が『サカシマ』からもらった大事な勇気とは、そんな勇気のことです。硬い壁を貫き、打ち砕く。どれだけ馬鹿にされても、私はやってみせます。

以上、冗長で蒙昧なブログの極めつけみたいな妄言でした。お目汚し大変失礼しました。では、最後に挨拶をさせてください。

先に述べたように素晴らしい作品を表現する者の1人として、観てくださる方々がきっと忘れられないような劇にしたいと思っています。そして私も皆様のことを決して忘れません。必ず良い劇にします。ぜひ観に来て、見届けてください。よろしくお願いします。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
それでは、当日劇場にてお待ちしております。

二兎泉水でした。

さようなら。

 

以下、公演情報です。

 

劇団個人主義第140回公演
『サカシマ』
会場:千葉市南部青少年センター
日時:4月14日(日)
開場 11:30
開演 12:00

▼来場予約フォームはこちら

(期限:4/13 23:59)

 

 

※会場の席数の関係上、予定より早く締め切る場合がございます。観劇をご希望の方はお早めにお申し込みください。

 

配信予約に関しては、また用意が整い次第公式X、Instagram、HPにてご案内いたします。