春の別れの温かさが、昔から苦手です。明るく送り出さなければいけないような気がして。
行き場のない寂しさを3年分蓄えていたら、とうとう送り出される側になってしまいました。不思議とこちら側はそれほど寂しくもなく(今のところは)、新しい生活を楽しみにすらしています。
「卒業」という言葉は、往々にして最後を意味します。「終わり」ではなく、「区切り」であると信じていますが。劇団個人主義2020年度入学生の「卒業」公演です。
こんにちは、劇団個人主義の濱田凪沙です。まずはこちらのブログを開いてくださり、ありがとうございます。「劇団個人主義」という響き、結構気に入っています。表現というのは、しばしば自分勝手なものであると思うので。
さて、タイトル『浸る、溺れる、沈む』。今回の主役は「余韻」です。まず、私は余韻に浸ります。映画の本編が終わっても、座席に深く腰掛けたままです。エンドロールが終わり、席を立とうとして、動けないことに気が付きます。余韻に溺れています。どうにか映画館をあとにして、帰路で物語を反芻して深みにはまっていきます。こうして余韻に沈んでいくのです。これは一例ですが、とにかく浸るだけでは足りないのです。浸って、溺れて、沈んで、それを繰り返して出来たのが今の私です。
現在の私の余韻を構成する、3年前の私です。劇団個人主義の一員として初めて参加した公演の稽古にて。
そもそも、余韻とは何なのか。「事が終わったあとも残る風情や味わい」だそうです。立つ鳥跡を濁さずとも言いますが、置き土産の余韻くらいは許してもらいましょう。ここで出会い、関わった証として。『辞す・飛んでやるもん』、観に来てください。
個人主義で過ごした4年間は、切り取ってしまえば「思い出」になるかもしれませんが,今はまだ地続きの「余韻」です。噛みしめて、踏みしめて、少しずつ前進します。余韻が作った道を辿るのが人生であるならば、こうやって過ごしている今もいつかの足場になり得るのだから、大切にしなければと思います。
稽古終わりの我々です。きっといつかの余韻を構成する一場面です。
日々こういうことを考えて、電車を乗り過ごしたり、眠れないまま朝を迎えたりしています。このブログの代償は、とある日の睡眠です。
以下、公演情報です。
劇団個人主義 2020年度入学生卒業公演
『辞す・飛んでやるもん』
会場:両国BEAR
公演日程
・2/24(土) 開演13:30(開場13:00)
・2/24(土) 開演18:30(開場18:00)
・2/25(日) 開演11:00(開場10:30)
・2/25(日) 開演14:30(開場14:00)
※本公演は当日観劇のみとなります。ご来場には予約が必要です。
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※会場の席数の関係上、予定より早く締め切る場合がございます。観劇をご希望の方はお早めにお申し込みください。
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歩き続ける我々の余韻まで見届けてください。