国内史上最高額の薬は約2億?! | メディセレのしゃっちょう(児島惠美子)のブログ

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2007年7月7日に777万円で薬剤師国家試験予備校メディセレを起業。薬学生から現役の薬剤師まで全力で応援いたします! メディセレスクール、メディセレ薬局、メディセレ教育出版、メディキャリを経営
※以下資格 認定薬剤師 認定スポーツファーマシスト 心理カウンセラー

こんにちは
メディセレのしゃっちょう
児島惠美子です。

昨日、
遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ(商品名)」が1回1億6707万円で保険適用へ

とニュースが流れました。
い、い、いちおく…?!
ここで敢えての四捨五入をすると、
約2億?!
 国内史上最高額です。

薬剤師としては一般名も知っておかなければいけません。
この薬の一般名は
「オナセムノゲンアベパルボベク」
…じゅげむじゅげむ…をを😭

呪文ですか?覚えられるか不安。
価格だけでなく、一般名もインパクトがあります。

難病の脊髄(せきずい)性筋萎縮症の遺伝子治療薬。

脊髄性筋萎縮症は、運動神経を維持して筋肉を動かすのに不可欠なたんぱく質が不足する神経疾患。特定の遺伝子の機能が欠けるのが原因で、生後6カ月くらいまでに発症する最重症のタイプでは、症状が進むと筋力が低下し、人工呼吸器が必要となると。

薬は2歳未満の患者に、正常な遺伝子を点滴で1回投与します。
2歳未満の子に点滴なのですね…頑張れぇ😭

日本では3月に承認され、スイスの製薬会社ノバルティスファーマが保険適用を申請していました。

ちなみに、米国での販売価格は212万5000ドル(約2億2700万円)。アメリカよりはまだお手頃価格?
いやいや😭

厚労省は、脊髄性筋萎縮症の他の薬と異なり、
投薬が1度で済む点を評価しました。
確かに1回で効果があるのは凄いですよね。

国内の薬としてはこれまで最高額だった、
2019年3月に承認、5月に薬価収載(薬の価格決定)された、
がん免疫細胞療法で白血病治療薬である
「商品名キムリア(一般名:チサゲンレクルユーセル)」の1回3349万円を大きく、かなりの差をつけて、ダントツ国内史上最高額となりました。

キムリアの時も薬価に驚きましたが、約6倍に近い薬価(薬の価格)がつきましたね。

ノバルティスファーマの予測では、
2020年度の1年間に国内で25人の投与と、42億円の市場規模を見込んでいると。
ちなみに、キムリアもノバルティスファーマなんですよね…。ノバルティス、凄い。

5月13日に厚生労働大臣の諮問(しもん)機関(専門家などが集まり相談する機関)「中央社会保険医療協議会」で承認される見通しとの事。

高額医療費の自己負担を減らす制度などにより、
患者さんの窓口負担は全額ではなく、限定的となるとはいえども…。
患者負担は数万円という話も…。
その差額にもありがたいと思うと同時に驚きです…。

命はお金にはかえられません。
それで治るのなら!
という希望の光です。
しかし、なかなか驚きの薬価です。
薬業界は本当に刺激的です。