続・医薬品開発「レムデシビルを追え」〜国試視点で見たCOVID-19〜 | メディセレのしゃっちょう(児島惠美子)のブログ

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2007年7月7日に777万円で薬剤師国家試験予備校メディセレを起業。薬学生から現役の薬剤師まで全力で応援いたします! メディセレスクール、メディセレ薬局、メディセレ教育出版、メディキャリを経営
※以下資格 認定薬剤師 認定スポーツファーマシスト 心理カウンセラー

こんにちは
メディセレのしゃっちょう
児島惠美子です。

5月4日にCOVID-19治療薬候補
についてブログに書きましたが、
候補ではなく、
治療薬として、7日午後に
レムデシビルが承認されましたね。
商品名は「ベクルリー」。
私の「コビッドキラー」案は無残にも破れました…
無念😭

さて、薬というものはこれで終わりではないですよ。
国試がゴールではなく、社会での活躍がゴールであるように、
薬も承認が終わりではなく、社会での活躍(有効に安全に使われるか)がゴールです。
という事で、レムデシビルの動きをウォッチ!

続・医薬品開発「レムデシビルを追え!」
〜国試視点で見たCOVID-19シリーズ〜

まず、復習ですが、
レムデシビルは
「医師主導治験」後、なんと3日という、
空前絶後のォォォ!!!
短期間で「特例承認」されました。
(言葉の説明は、「国試視点で見たCOVID-19 医薬品開発」を見ていただけると嬉しいです。あ、「空前絶後のォォォ」は、サンシャイン池崎さんというお笑い芸人さん風に勢いよく叫びながら、よろしければ声をあげて、読んで頂けます幸いです。ペコリ。)

インフルエンザ治療薬として、国内で既に使われていて、備蓄もあるファビピラビル(商品名アビガン)とは違い、
レムデシビル(商品名ベクルリー)は国内未承認薬でしたので、備蓄がありません。
ゆえに、まず投与される人は重症患者から…
など優先順位を決めて使っていきましょうとなっています。

さて、薬剤師として、国試的にも気になる事は、
承認後の動きです。中でも副作用に関する事。

薬は承認を得て、世に出たら終わりではありません。
その薬が重大な副作用を起こさないか?
本当に効き目はあるのか?
という事をチェックし続ける事で、
皆さんに安心して薬を飲んでもらう事ができるのです。

承認→薬価基準(薬の価格)収載(決定)
→発売→市販後調査→再審査→再評価
という流れになります。
(国試ではこの流れのどこかが空欄になって、
入れる語句の正しいものを選べ!として出題)

歴史的に、
有名な薬で、皆さん使っていたのに、
再審査の結果で、
「効果がない」という理由で、承認を取り消された薬がありました。
飲んでいた人からすると、
「うっそぉ!」という話ですよね😭

「重大な副作用を起こす」という理由で、
承認を取り消された薬もあります。

という事から、色々な制度で薬を見守り続けます。

その市販後調査の一つに
「市販直後調査」という、承認を得て販売開始した6ヶ月間、適正使用を促し、重篤な副作用発生の迅速な把握をしていきましょう、という調査があります。
6ヶ月後にはCOVID-19が収束している事を祈りますが、そのタイミングで終わる調査は、皆さん的にも興味が持てるのでは?

また、今回は薬価(薬の価格)がまだ未収載(決まっていない)です。このパンデミック状況ですので、まずは無償で提供を!となっているからです。
となると、この直後調査の6ヶ月は、いつからカウントするのかな?など、更に気になりませんか?

他にも、市販後調査の一つに
「医薬品医療機器等安全性情報報告制度」
があります。
これは、すべての医療機関が報告対象施設となり、
副作用の情報が入れば、厚生労働大臣(実際はPMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に報告する制度ですので、
医師も歯科医師も薬剤師も副作用情報が患者さんから入れば、放置せず、報告していきましょう!
という事で、引き続きレムデシビルを追い続けたいと思います。

追伸 メディセレでは、現場の薬剤師さんにも国試を解いて頂き、受験生と正答率比較をしておりますが、
医薬品開発は、現場の薬剤師の正答率が低い分野です。是非、良い機会ですので、みんなで興味を持ち、共に薬の安全性を見守り続けましょう!