以前、ホルモン分泌器官である「副腎の反射区」や 「甲状腺の反射区」について紹介しました。

 

   副腎や甲状腺のホルモンバランスが崩れると、心身が不安定になって様々な不調に繋がります。

 

  今回は副腎や甲状腺とも関わりが深い、もうひとつ重要なホルモン分泌器官の反射区を紹介します。

 

 

 

  男性ホルモンや女性ホルモンの分泌に関わる「骨盤(生殖器)の反射区」です。

 

 

 

 骨盤は腰の下から股関節の間の骨です。
 
仙骨や寛骨、尾骨からできています。
 
身体を支える土台ともいえる存在で、身体の歪みやバランスを整える上でとても大切な存在です。
 
 
 

 

  骨盤の反射区は足裏のかかとの盛り上がった所にあります。

 

  さらにかかとの縁にあたる部分には「尾骨の反射区」があります。

 

 尾骨は仙骨の先についたしっぽの骨です。

尾てい骨ともいいます。

 

 

 

 

  骨盤は身体を支える大切な骨であるだけでなく、性腺という性ホルモンを分泌する臓器が収まる場所です。

 

 

 ホルモン分泌に関わる反射区は、 足裏のかかとだけでなく側面にもあります。

 

内側の「子宮・前立腺の反射区」   

外側の「卵巣・睾丸の反射区」

 

です。

 

 

 

  

 

  骨盤の周りの色んな部分に対応した反射区が、足のかかとには集中しています。

 

  かかとに筋肉なんてないと思うかもしれませんが、しっかり筋肉がついていて、気が付いていないだけでゴリゴリに固まっていることがよくあります。

 

 

  効果

 

骨盤の歪み・腰痛改善

 

 

  骨盤は腰を支える土台なので、慢性腰痛に悩んでいる人は、かかとの反射区がゴリゴリしていることが多いです。

 

骨盤がゆがむと姿勢が悪くなり腰の負担になってしまいます。

 

 かかとの縁には「尾骨の反射区」があります。
 
 人間はおサルさんから進化する過程でしっぽが退化してなくなりましたが、骨は「尾骨」として残っています。

 

   動物のしっぽは身体のバランスをとる働きをします。

 

   骨だけになっても尾骨は、体幹のバランスをとる働きと関わっているのではないかといわれます。

 

   そのため尾骨の反射区が固い人は身体のバランスが崩れ、骨盤の歪みが出ている傾向があります。

 

  骨盤の歪みがある場合だと、尾骨の反射区は歪みの強いサイドの方がよりゴリゴリになっていたりします。

 

 

性腺のホルモン分泌

 

「骨盤(生殖器)の反射区」

「子宮・前立腺の反射区」   

「卵巣・睾丸の反射区」

 

は、 男性ホルモン・女性ホルモンの分泌と関わります。

 

  女性の場合、生理不順やPMS、月経過多などの婦人科系の悩みを持っていると、反射区の反応と強く出ます。

 

  男性はホルモンの乱れを気にする人は少ないですが、男性ホルモンのテストステロンは精力減退だけでなく、筋力の衰えややる気や集中力の低下に繋がるため、気づいていないだけで乱れている人は多いと思います。

 

 

  子宮や前立腺などは癌ができたり、腫瘍が発生することもある場所ですが、そういった明らかな病気がなくても、ホルモンバランスが崩れているだけでも反射区に反応はでます。

 

  最悪の病気を予防するためにも、ホルモンバランスが乱れている段階で早めのケアしたい場所です。

 

 

 

   反射区の押し方

 

  足裏のかかとはツボ押し棒を使ったり、イボイボのついた青竹踏みの上に乗ると刺激できます。

 

   両側面の反射区は拳を握って両サイドを挟み込むようにしてグリグリ動かすと刺激できます。

 

 

 

  疲れていると軽く力を入れるだけでビリビリするような刺激が入るので、特に強く押す必要はありません。

  お風呂で足を洗うついでにグリグリすると、石鹸で滑るでやりやすいと思います。

 

 

 

  性ホルモンの分泌を決めるHPG軸

 

  骨盤関係の反射区と合わせて刺激して欲しいのが、「副腎の反射区」と「甲状腺の反射区」、「下垂体の反射区」です。

 

 


   何故これらの反射区を合わせて刺激して欲しいかというと、「副腎」「甲状腺」「性腺」の3つホルモン分泌は、

「視床下部」と「下垂体」という脳の同じ場所でコントロールされているからです。

 

 

  下垂体が「ホルモンを出せ~!」という指令を送ることで、性腺はエストロゲンやテストステロンといった性ホルモンの分泌を促します。

 

  

 

 

 

  視床下部と下垂体が性腺のコントロールをしていることを「HPG軸※」といいます。

※視床下部-下垂体-性腺軸(Hypothalamic–Pituitary–Gonadal axis)

 

 

  同じように、副腎のコルチゾール分泌は「HPA軸 (Hypothalamic-Pituitary-Adrenal axis)」によって、

甲状腺の甲状腺ホルモン分泌は「HPT軸(Hypothalamic–Pituitary–Thyroid axis)によってコントロールされます。

 

 

 

 会社に例えると、視床下部と下垂体は本社で、副腎、甲状腺、性腺はホルモンを造る工場のようなものです。

 

  本社の出す発注に沿って工場はホルモンを製造して分泌します。

 

 

 

   ホルモンは多くても少なくてもよくないので、本社の視床下部と下垂体は状況に合わせたホルモンの量を判断しないといけません。

 

  

  生理痛がひどいとお腹を暖めたり、ストレッチなどで下腹部の血行を良くするようにアドバイスされると思います。

   

  これは、ホルモンの工場である子宮をケアする行為です。

   この行為に効果がないわけではないですが、根本的な解決にはならない場合がほとんどです。


   なぜなら、ホルモンの分泌が乱れるときの多くは、工場自体のトラブルによって起こるのではなく、本社の方で適切なホルモンの分泌量を判断できていないことが原因だからです。

 

  本社が工場に発注をかける段階ですでに間違っているため、バランスの悪いホルモン分泌になってしまうのです。

 

   工場としては指示された発注に沿うしかないため、正しいホルモンバランスにするためには、脳の視床下部と下垂体をケアして、正しい判断が出来るようにすることが必要になります。

 



 

 

 

 


 

ストレスとホルモンバランス

 

 

  視床下部と下垂体が正しい判断が出来なくなる原因で、もっとも影響が大きいのは「慢性のストレス」です。

 

 

 人間にストレスがかかると、副腎の分泌するコルチゾールの量を増やしてストレスに対抗できるようにします。

 

  慢性的にストレスがかかる生活をしていると、副腎は大量にコルチゾールを分泌し続けることになり、副腎をコントロールしている視床下部と下垂体も働き続けてしまい、脳は疲労状態になって正しい判断ができなくなりします。

 

  すると甲状腺や性腺に対しても適切な指示ができなくなり、甲状腺と性腺のホルモン分泌も乱れたものになります。

 

 

   本社が世の中のニーズを読めなくなって、売れ筋商品を品切にしたり、売れない商品を大量に作ってしまう、ダメな会社のような状態がホルモンバランスが乱れている状態です。

 

 

  ストレスの多い生活を改善して、副腎や脳が働き続けなければならない状況から抜け出すことが、ホルモンバランスを整えるための一歩です。

 

 

ホルモンヒエラルキー

 

  自分の所属する臨床分子栄養医学研究会では、副腎、甲状腺、性腺にはヒエラルキーがあると考えています。

 

 

 

 

 

 

 

  下で支えている階層でホルモンバランスが乱れれば、上の階層にも影響が及び一緒にホルモンバランスが乱れてしまうということです。

 

 

   ストレスで副腎が乱れれば甲状腺のホルモンも乱れて、冷えやむくみなどの症状が発生してしまいます。

 

  甲状腺が乱れればさらに上の性腺のホルモンバランスも乱れてしまいます。

 

 

  PMSや生理不順で悩んでいる女性の多くは、ストレス過多や冷えによる血行不良が背景にあることが多いです。

 

  副腎や甲状腺の乱れが性腺に与える悪影響を表しているのではないかと思います。

 

  

   下の階層が安定していないと上の階層も安定しないため、まずはストレスを減らし副腎のケアして、次に甲状腺を改善して冷えや代謝を正常にして、最後に性ホルモンも安定するという流れになります。

 

   時間がかかるように思うかもしれませんが、逆にいうと副腎のケアをしていけば、一緒に甲状腺と性腺も整っていくということです。

 

  

   まずは食生活を含む生活習慣の改善から副腎のケアをしていって下さい。

  

 

 


    

東急東横線 都立大学駅にて足つぼ・整体の施術をしています。

 

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栄養と足つぼ整体師 高橋 (amebaownd.com)

 

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