最近はだいぶ冷えてきて冬本番の寒さです。
この時期になるとつらくなるのが冷え性です。
そこで今回は冷えやむくみなど、代謝に関わる「甲状腺の反射区」を紹介します。
「甲状腺」は喉のあたりにあるホルモン分泌器官です。
甲状腺の反射区は、親指の下ある母指球という骨のまわりのシワにそってあります。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にして身体を活性化させてくれます。
血行がよくなり元気で若々しくなったり、体温が上がって病気にかかりづらくなったり、肌や髪などもツヤツヤで潤いのあるものにしてくれたりします。
また、甲状腺ホルモンはミトコンドリアというエネルギー合成器官の数を増やすため、体力をつけたり疲れづらい身体をつくるためにも大切なホルモンです。
ミトコンドリアについては↓
ただ甲状腺は副腎疲労とも関係が深く、ストレスの影響で乱れやすい臓器でもあります。
甲状腺ホルモンの異常は新陳代謝を乱してしまい、冷え性やむくみはもちろん、それ以外にも様々な症状の原因になります。
甲状腺機能低下症
甲状腺の機能低下によってホルモン分泌が減ってしまうと、
冷えや低体温
むくみがひどい
体重が増えやすい
気力がなくなる
肌の乾燥
といった症状が出てきます。
また、体毛や眉毛がうすくなる特徴もあります。
眉毛が半分くらい無い女性がたまにいますが、甲状腺ホルモンの分泌不足が起きている可能性は高いです。
冷えや低体温、むくみ、眉毛が薄い、こういった症状は特に女性に多い症状です。
甲状腺ホルモンが低下して代謝が落ちると、栄養をとってもうまく機能しなくなります。
健康のことを考えてバランスよく栄養をとっているのに不調が改善しない場合、甲状腺機能の低下が原因かもしれません。
甲状腺の機能低下が起こると、身体は新陳代謝が落ちて活発に働けなくなります。
そのため身体はエネルギーの消費を必要最低限に抑えて、省エネモードのような状態になってしまいます。
これが冷え性や低体温、体重増加になってしまう原因です。
ショウガを食べたり、お風呂に入っても冷え性が改善しない場合、甲状腺機能を改善させて根本的な体質改善が必要かもしれません。
甲状腺機能低下の病気には、橋本病があります。
橋本病の場合は甲状腺の炎症が起きるため、はっきり病気として診断されますが、橋本病までいかない軽度の甲状腺の機能低下に悩まされている人は、とても多いのではないかと思います。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能低下症と反対に、甲状腺ホルモンが過剰に出すぎてしまうことで、不調になる場合もあります。
※甲状腺が過剰に働くことを甲状腺機能の亢進(こうしん)といいます。
この場合は代謝がよくなりすぎて、
汗が異常に出て暑がりになる
心拍数が上がり動悸がする
少し身体を動かしただけですぐ疲れる
体重減少
目が飛び出てくる
といったことが起きます。
汗が異常に出たり、動悸がするといった症状は、更年期ででることがあります。
甲状腺ホルモンが過剰になる病気にバセドウ病があります。
以前、歌手の絢香さんがバセドウ病にかかったことで活動をお休みしたことがありました。
バセドウ病では勝手にエネルギーが消費されていくため、ちょっとしたことで疲れてしまいます。
そのため、とても歌手活動が出きるような状態ではなかったのだと思います。
甲状腺機能の亢進は、ちょっと走っただけでガソリンが空になる燃費が悪い車のようなものです。
甲状腺と副腎
甲状腺ホルモンは、少なくても多くてもよくありません。
甲状腺の機能を改善して、適切な量の分泌にするために有効な方法は、副腎疲労の改善です。
甲状腺の改善なのに何で副腎疲労?? と思われたかもしれませんが、甲状腺は副腎と同じく脳の視床下部と下垂体によってコントロールされるからです。
甲状腺のホルモン分泌は、脳の視床下部で決断がなされ、下垂体から甲状腺に「甲状腺刺激ホルモン」が送られることで行われます。
そのため、視床下部から下垂体、甲状腺への指示系統を 「HPT軸(Hypothalamic–pituitary–thyroid axis)」といいます。
副腎がコルチゾールを分泌する際の指示系統は「HPA軸( hypothalamic-pituitary-adrenal axis)」といいます。
甲状腺と副腎はそれぞれ別な仕事をしますか、同じ上司(視床下部と下垂体)からの指示で働いているということです。
現代人はストレス社会で生きているため、副腎からコルチゾールを大量に分泌する生活をしています。
そのため、副腎の仕事の管理をしている上司の視床下部と下垂体にも負担がかかってしまいます。
ストレスの多い生活をしていると視床下部と下垂体も疲弊していくため、部下への適切な指示ができなくなり、副腎や甲状腺のホルモン分泌も乱れてしまいます。
直接的に副腎が甲状腺に負担をかけるわけではありませんが、副腎が視床下部と下垂体に負担をかけることが、間接的に甲状腺機能を乱すことになります。
甲状腺ホルモンを分泌しないといけないのに、下垂体から甲状腺刺激ホルモンが送られてこなければ、甲状腺ホルモンはいつまでたっても分泌出来ません。
逆に、充分な甲状腺ホルモンが分泌されているのに視床下部がストップをかけないと、いつまで甲状腺ホルモンが分泌され続けて過剰分泌になってしまいます。
視床下部と下垂体から適切な指示がされないと、甲状腺ホルモンは多く分泌しすぎたり、少なく分泌してしまい、身体の代謝異常を起こしてしまいます。
ちなみにですが、冷え性の人の話をきくと、「普段は身体が冷えているのに、急に身体がカッカッと熱くなって汗だくになることがある」 という人がいます。
甲状腺のホルモンバランスが崩れていると、大量に分泌しすぎたかと思えば、ぜんぜん出なくなるという両極端な分泌をすることがあります。
ストレスで視床下部が疲弊していると、正しい判断が出来なくなり、甲状腺に適切な指示ができなくなってしまうことが原因です。
甲状腺ホルモンの分泌を正常にするには、 視床下部と下垂体の機能の改善が必要です。
そのためには、日常的なストレスを減らして副腎疲労の改善をしていくことが有効です。
副腎疲労は血糖値の乱れを起こすため、甘いものを過剰摂取しないなど、食生活の改善も有効になります。
ちなみにですが、「下垂体」「甲状腺」「副腎」の反射区は以下になります。
これらの臓器は互いに影響しあってホルモンを分泌するため、合わせて刺激することは相乗効果が期待できると思います。
甲状腺機能の改善は、冷え症改善だけでなく、むくみ改善やダイエット効果、新陳代謝がよくなることで髪や肌が若々しくなることまで期待できます。
とてもメリットが多いので、試してみて下さい。