整体師を十年くらいやってきて感じるのが、健康意識がすごく高くなったことです。

 

  10年前なら、病気でなければ多少の不調は我慢するものと考えている人がすごく多かったです。


   病気を予防するなんて考えもしない人がたくさんいたように思います。

 


  それが今では、「東洋医学に興味がある」とか、「健康のために食生活に気をつけるようになった」という話をされる人がものすごく増えました。

 

  「病気でなければいい」という考えから、病気とは無縁で元気で健康的な生活をしたいと考える人が増えたのだと思います。


 

  そのためか、最近では「新型栄養失調」や「質的栄養失調」などといわれる症状に関心が集まっています。

 

  昔の栄養失調であれば、食料不足による「食べる量が少ない」ことによる栄養失調が問題とされました。


  新型栄養失調と呼ばれるものは、3食しっかり食べていても、栄養が偏った食事をすることによる、ビタミンやミネラルなどが不足している状態をいいます。

 

  カロリーだけは足りていても、微細な栄養素が足りないと代謝異常になり、不調になってしまいます。

 

  健康的な身体であるために、ビタミンやミネラルなどの微細な栄養素の価値が見直されているともいえます。

 

 

 

  身体を動かすエネルギーの正体

 

  分子栄養学を紹介する書籍や、栄養療法をしているクリニックでよく勧めらる栄養素に、「鉄」と「マグネシウム」があります。

 

  なぜこれがよく勧められるかというと、エネルギー代謝に大切な栄養素だからです。

 

  よく食事に含まれるエネルギー量を「カロリー(cal)」といいますが、実は  カロリー  =  エネルギー ではありません。

 


  生物を動かすためのエネルギーを「アデノシン三リン酸  (ATP)」といいます。

  

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-008.html 



  名前の通りアデノシンに3つのリン酸がついてます。

  ATPの「T」はトリプル(triple)の「T」です。


  身体を動かすためにATPからエネルギーを放出すると、リン酸がひとつ外れて「ADP」になります。

  ADPの「D」はダブル(double)の「D」です。


  充電された乾電池が「ATP」で、「ADP」は使い終わった乾電池のようなものだと思って下さい。



  三大栄養素とよばれる「糖質」「脂質」「たんぱく質」は、「ATP」というエネルギーを発電するための燃料のようなものです。


  三大栄養素を燃料にADPにエネルギーを充電すると、またATPになります。  


   ATP  ↔️  ADP  という、充電と放電を繰り返して身体は動かされています。

  

  

  ミトコンドリアの働き

   

   元気で健康に生活するためには、「 ATP 」をたくさん作れるようになる必要があります。


    「ATP」をたくさん作ることが出来るのが、「ミトコンドリア」という細胞内小器官です。

 

「ミトコンドリア」で「ATP」を合成する際に必要になるのが  三大栄養素や、

「鉄」

「マグネシウム」

「ビタミンB郡」

「CoQ10」

などの栄養素、

そして「酸素」です。

  

    これらの栄養素を全身の各細胞に届けることで、たくさんのエネルギーをつくことが出来ます。

  「ATP」は37兆個といわれる細胞の中で作られ消費されます。

(隣の細胞で作ったATPをわけてもらうとかはできません)



  栄養バランスの悪い食事をしてたり、副腎疲労で低血糖を起こしたり、筋肉のコリで血行不良になっていたりすると、きちんと栄養が細胞に届かないため、ATPが作られず元気はわいてきません。



細胞内でATPの作られる量


  少し具体的な話をすると、グルコース(ブドウ糖)でいうと、細胞に取り込まれると解糖系というグルコースからピルビン酸に代謝させる過程で「2 ATP」が作られます。

 

  その後、ピルビン酸はミトコンドリアに取り込まれてクエン酸回路と電子伝達系を経て、全部で「36  ATP」作られます。

  鉄やマグネシウム、ビタミンB郡などの栄養素がなければミトコンドリア内のATP合成ができないため、解糖系での  2 ATPしか合成できないことになります。

 

  2ATPと36ATPでは、18倍の差があります。

 

  難しい用語がいろいろ出てきましたが、ビタミンやミネラルが足りないだけで、作れるエネルギーの量が桁違いになる、 ということを理解してもらえれば大丈夫です。



  野菜を食べないカロリーが高いだけの食事では元気は出ないぞ!  ということですね。




  ビタミンやミネラルのとれる食事



  「鉄」や「マグネシウム」のサプリを飲むと、エネルギー代謝が活発になって、一気に元気になったように感じる人も多いため、栄養療法でまず最初にオススメされることが多い栄養です。


  ただサプリの場合、副作用もあるため、個人的には安易にはオススメしていません。


  特に、鉄のサプリは大量摂取すると、腸内環境を荒らしたり、活性酸素を発生させたりするので、注意が必要な栄養素です。


  まずは、普段の食生活で鉄分やマグネシウムを補給できるようにしてほしいです。

  その上で、あくまで食事の補助としてサプリメントを使うようにしてください。


  

  ビタミンやミネラルがしっかりとれる食事として「まごはやさしいわ」という食事法があります。

 

 

「ま」=豆、「ご」=ごま、「は」=発酵食品、「や」=野菜、「さ」=魚、「し」=しいたけ(キノコ類)、「い」=いも、「わ」=わかめ(海藻)

 

  という食品の頭文字をとったもので、これらの食品がバランスよく食べることで必要な栄養を摂取できます。

 

  鉄ならレバーや小松菜、マグネシウムなら大豆やゴマ、ワカメなどからたくさん摂取できます。

 


  野菜なんかは1日350g を目安といわれています。

  生野菜であれば両手で3杯、茹でたものなら片手で3杯程度です。


   


  後は、リラックスして食事することもとても大事です。


  ストレスがあると、緊張で胃腸の働きが悪くなり消化吸収効率が悪くなります。


  特に、鉄やマグネシウムなどのミネラルは、胃酸によるイオン化がされないと腸で吸収されません。


  サプリをいくら飲んでも体調が改善しないと思ったら、腸で吸収出来てなかったというパターンは意外と多いものです。


  



  忙しいと、外食やお弁当ばかりで栄養が片寄ったり、早食いで消化不良を起こしたりします。

 

  それだと新型栄養失調で「ATP」が作れなくて、元気がわいてきません。


  まずは、普段の食生活を見直すことから始めてみてくださいね。

 

 

 


    

東急東横線 都立大学駅にて足つぼ・整体の施術をしています。

 

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栄養と足つぼ整体師 高橋 (amebaownd.com)

 

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