R.E.M. - What's The Frequency, Kenneth?

R.E.M - ホワッツ・ザ・フリークエンシー、ケネス?

 

[Verse 1]
"What's the frequency, Kenneth?" is your Benzedrine, uh-huh

「周波数はなんだ、ケネス?」ってベンゼドリン(覚せい剤の一種)でもやってるのか

I was brain-dead, locked out, numb, not up to speed

わけがわからなくてついていけない
I thought I'd pegged you an idiot's dream

馬鹿な妄想だとは思うけど

Tunnel vision from the outsider's screen

アウトサイダー(社会常識にはまらない独自の思想を持っている人)の物陰からのトンネル・ヴィジョン(視野が狭いことの比喩)


[Chorus]
I never understood the frequency, uh-huh

周波数なんてまったく意味がわからない

You wore our expectations like an armored suit, uh-huh

おまえは甲冑のように全身くまなく注目で覆われていた


[Verse 2]
I'd studied your cartoons, radio, music, TV, movies, magazines

おれは漫画、ラジオ、音楽、テレビ、映画、雑誌でおまえのことを知っていったと思う

Richard said, "Withdrawal in disgust is not the same as apathy"

リチャード(スラッカー(1990年のアメリカ映画)の監督・脚本・出演者)がいうには「『嫌だから見ない』は無関心と同じではない」

A smile like the cartoon, tooth for a tooth

漫画のように笑う、歯には歯を

You said that irony was the shackles of youth

おまえは皮肉は若者の足かせだったと言った


[Chorus]
You wore a shirt of violent green, uh-huh

おまえはどぎつい緑のシャツを着ていた

I never understood the frequency, uh-huh
周波数のことなんかまったく意味がわからない
[Guitar Solo]

[Verse 3]
"What's the frequency, Kenneth?" is your Benzedrine, uh-huh

「周波数はなんだ、ケネス?」ってベンゼドリン(覚せい剤の一種)でもやってるのか

Butterfly decal, rear-view mirror, dogging the scene

蝶のシール、バックミラー、現場検証

You smile like the cartoon, tooth for a tooth

漫画のように笑う、歯には歯を

You said that irony was the shackles of youth
おまえは皮肉は若者の足かせだったと言った

 

[Chorus]
You wore a shirt of violent green, uh-huh

おまえはどぎつい緑色のシャツを着ていた

I never understood the frequency, uh-huh

周波数のことなんて意味不明

You wore our expectations like an armored suit, uh-huh

甲冑のように全身注目されていた

I couldn't understand

わけがわからない
You said that irony was the shackles of youth, uh-huh

おまえは皮肉は若者の足かせだったと言った

I couldn't understand

わけがわからない

You wore a shirt of violent green, uh-huh

どぎつい緑色のシャツを着ていた

I couldn't understand

わけがわからない

I never understood, don't fuck with me, uh-huh

おれにはまったくわけがわからない、ふざけるなよ!

 

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 これはぼくにとってながらく謎の曲でしたが、調べてなんのことを歌っているのかわかりました。

 

 どうやら1986年10月4日にアメリカでニュース番組の司会者ダン・ラザーが暴行される事件が起こり、そのときの犯人が電波系のおかしな男だったんですね。

(ダン・ラザーが帰宅途中に「ケネス、周波数はなんだ?」と話しかけられたあと、後ろから殴られ、二人目の加害者も加わりさらに暴行された、という事件。そのあいだも犯人は「ケネス、周波数はなんだ?」と言い続けていた。)

 

 そのときは犯人を特定できず、この事件は有名な未解決事件になりました。同時に犯人は電波男のアイコン的な存在になり、[Verse 2]の歌詞のようにさまざまな場で言及されるようになった、ということみたいです。この曲(1994年発表)もそのひとつでしょう。

 

 ときは流れて1997年、別件の殺人事件(1994年の犯行)で実刑を受けていたウイリアム・タガーがダン・ラザー暴行の犯人だと特定、事件が解明されたみたいです。テレビの電波が脳を攻撃していると主張していたとか。

 

 面白がって取り上げてた犯人が最終的には殺人で逮捕されていた、というおち。

 

(2023/05/15追記)

 曲の解説が読みづらかったので直しました。

 

 あとこの曲に言及するマイケル・スタイプのインタビューもWikipediaにありました。

 この歌詞の主人公は若い世代を理解しようと苦労するが、けっきょくなにもわからず無意味だった、という感じの内容ですね。

 世代間の感覚の差は、電波男と一般人くらい違う、それぐらい隔たりが大きいという話だと思いました。

 

 REMの和訳した曲をまとめた記事を作りました! 読んでみてください!