ドラマ「ハゲタカ」3話までは真山仁氏の同名の小説を原作として忠実に制作されていましたが、4話からは登場人物は引き継いでいるもののストーリーは古家和尚氏によるオリジナルの脚本になっています。
「ハゲタカ」5話で鷲津(綾野剛)が新たに立ち上げた「サムライファンド」と滝本誠一郎(高嶋政伸)が社長を務めアメリカの軍需産業プラザグループが後ろ盾となっている「ファインTD」が激突することになります。
双方のターゲットは日本が誇る老舗総合電機メーカー「あけぼの」です。
「あけぼの」は経営の立て直しを図るため企業再生で実績を積んできた元三葉銀行の芝野(渡部篤郎)を執行役員に据えて対策を練ってきたのでした。
しかし、滝本は「あけぼの」に対してはTOB(take-over bid 株式公開買い付け)を宣言し敵対的買収を仕掛けてきたのです。
ところで、滝本が買収しようとしている企業「あけぼの」とは実在するのでしょうか?
考えられるのは2社
日本の総合電機メーカーで最近、経営の危機に陥った企業と云えばシャープと東芝です。
どちらも優れた技術力を誇った企業ですが外資の支配下に入り再建途上にあります。
シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社に、東芝は半導体事業子会社を米Bain Capitalなどが組む「日米韓企業連合」に売却することによって生き残りを模索しています。
すでにシャープは東芝のパソコン部門を買収し1年で黒字に転換、東芝も半導体事業子会社の売却益で黒字決算の見込みとなっています。
では、ドラマ「ハゲタカ」に登場する総合電機メーカー「あけぼの」はどちらの企業かと云えば「東芝」に違いないでしょう。
なぜなら、
滝本がアメリカの軍需産業プラザグループの指示のもとに「あけぼの」のセンサー事業に固執しているのには理由があるからです。
・世界最先端の優秀なセンサー技術を手に入れたい。
・日本を代表する老舗総合電機メーカーを買収することによって滝本自身の名を世に知らしめたい。
・ハゲタカと呼ばれ外資ファンドの象徴とされてきたホライズンジャパンの鷲津政彦を打ち破りたい。
この目的を達成するためには、家電製品から原子力発電まで幅広く国民生活に密接な事業を展開する「東芝」がモデルでなければ、ドラマに真実味が生まれません。
さて、今夜5話の鷲津と滝本の買収合戦の勝者はどちらになるのでしょうか?