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Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

【濁川温泉(北海道茅部郡森町)】
その1
今回の渡道ついでに最も行ってみたかった憧憬の温泉。付近には上ノ湯(いわゆる銀婚湯)温泉がある。圧倒的な魅力はその浴室にあり、写真のようにまさにレトロ。レトロなのは浴室だけでなくて温泉宿自身もそうなのだが、浴室に向かう途中で襲われるのは平衡感覚をなくす廊下。床が左斜めに微妙に傾いているようで、浴室に降りる箇所をよく見てみるに廊下の断面が平行四辺形になっている…。浴場は混浴ながら脱衣場には簡易な衝立しかなく、そのどちらで着替えればよいのか全く不明だったが、ロジカルには手前が男性、奥が女性と考えて手前を使用(とはいっても、入浴者は当方だけだったが)。浴室への入口も並んで二箇所あり、どちらから入るべきか一瞬悩むも内部は完全に一つであって全く遠慮のない混浴になっている。余談だがこれを配慮し、女性専用浴室が旅館新館にあるため女性客はそちらに案内されるようだが、誰も居ない場合は是非こちらのレトロ混浴浴場を利用すべき。この哲学的にT字に配置された浴槽にはいずれも湯が直接注がれているが、訪問時には奥の2つが比較的入浴しやすい湯温だったのに対し、手前のはあまりに熱くて入れず。奥の2つも当初は激アツだったが攪拌すれば適温。これほど攪拌が効くとは、前回の入浴者から相当時間経過したと想像。素晴らしいのはこの湯の長年のオーバーフローによって形成された析出物であって、石膏系のいい味を醸す。湯は無色透明でやや鹹味(かんみ=塩辛い味)がある。木やオイル臭があるとも言われるが、あまり感ずることなし。判読できる現代の温泉成分表は見当たらず、あるのは木製の年代物で、その表記は昭和10(1935)年!知内温泉の昭和4(1929)年には劣るが、これは2.26事件の前年である。(続)

玉肌日記インデクス(地域別温泉リスト)

①北海道 ②東北 ③関東 ④中部 ⑤近畿 ⑥中国・四国 ⑦九州・その他

九州全線阿房列車(16)
0815発(八代ゆき)に乗ると八代までは25分と至近。途中、九州新幹線への乗換駅たる新八代を過ぎて0840八代。ここから初日の吉松まで肥薩線が続くはずなのだが、前述の理由で現在不通。駅構内に設置の「肥薩線0起点 八代駅」という看板が哀しい。よって0846熊本ゆきでUターンするまでの短時間ながら一旦駅を降りてみるが、意外にも小さい駅舎。駅反対側にはこれまた大量の白煙を吐き続ける日本製紙八代工場がある。0846発に乗車して0928熊本着。熊本ラーメンでも食せるか(またラーメン…)と思うも、駅ビルは開店前にて何もなし。はやくも諦めて0952発(鳥栖ゆき)にて久留米へ。途中で区間快速に追い付かれるもそのまま乗車し続け、車内で今夜の小倉(2,500円)、明日の佐世保(4,800円)のホテルを確保。九大本線に乗換えるため1134久留米にて下車する。1214発(日田ゆき)まで時間があるので駅付近を散策しようとするが、駅ではご当地出身歌手たる松田聖子「赤いスイートピー」が流れる。久留米出身の芸能人は多く、勝手なイメージながらもさぞ発展した大都会と思いきや駅付近にはなにもなく、完全な住宅街。西鉄久留米の方が発展しているのだろうか(のちの調査で正解と判明)。1214発(日田ゆき)に乗るが二両編成は学生らが多くて意外に大混雑。この路線には由布院等の温泉地が多く点在するため、路線は観光色濃く、観光客向けの特急列車運行も多い。JR九州は観光列車に注力しており、これまでも有名な車両デザイナー起用の観光列車を数多く見てきたが、個人的に興味はあまりなし。ちょっと匂い立ってきそうなシブい旧型列車の方がよほどにソソられる。このためか綺麗な車両もある一方、旧い車両はより渋い風情で輝いているようにもみえる。乗る日田ゆきも真っ赤な車体でなかなかスタイリッシュ。
【写真】日田行きの列車。乗車賃は同じなのにJR九州では良い列車と旧い列車の落差があまりにも激しい。

九州全線阿房列車(15)
第3日目
早朝5時に起床。昨日、いや正確には今日寝付いたのは1時頃だから明らかな寝不足。まずは三角線にて0617発(三角ゆき)に乗る。三角(みすみ)は天草の玄関口ながらその先の天草まで鉄道は到達していない。おそらく到達させようという気もない。0550にチェックアウトして小雨混じりの中を駅へ行くが、6時ともなると熊本駅には意外と人が出ている。0617発(三角ゆき)は二両編成ながら乗客は2名のみ。当方は一両を占有する。この付近の汽車はワンマンカー運転は基本だが、それが二両編成の場合、二両目(後ろに連結されている車両)は途中駅でドアが開かない場合が多い。降りる場合には運転士のいる一両目に移動してから降りることになる。これはキセル防止のためと思われるが、逆に二両目はドアが開かないために車内が静かで暖かくて今日のような寒い日には全く好都合。いずれ終点まで行く身としては好んで二両目に乗車し、0617出発。次第に夜が明けるとともにブルーグレーな有明海が見えてくる。1時間ほど乗って0712三角着。ここで折り返し0719発(熊本ゆき)に乗るが、駅前を出てもあるのは港と海浜公園。三角からは1時間に1本の汽車が熊本へ向けて出ている。折り返しの0719に乗り、途中0756宇土(うと)で降りて鹿児島本線0815(八代ゆき)に乗り換え、八代まで南下する。宇土で20分弱の待ち時間があるため、試しに駅を降りてみるがなにもなし。駅前のコンビニにて「うと餅」なるものを販売しており、大いに心揺れるが10個入りはとても食べきれないと断念して駅待合室へ。ちなみにこの辺りの駅自販機にはグリコのセブンティーンアイスが必ず設置されており、この寒い冬場でも絶賛稼働中。
【図】第三日目行程。黒線部分が本日のノルマ。早めに大都会たる小倉についてちょっとはホッとしたい。

九州全線阿房列車(14)
当然、途中から誰も乗り込む雰囲気でなく、そのままスイッチバックの立野2229着。その手前に逆Z字の一段スイッチバックがある。まずは汽車が停車し、運転手が逆側の運転台へと車内移動してバック方向に運転して高度を下げる。この際に立野駅ホームに入線するのだが、停車中にさらに再度運転台を移動して出発するというスイッチバックを当方一人(というよりそうでないと運行できないのだが)のために行うのはなんだか非常に贅沢なる気分。周囲の景色が漆黒で全く見えないのが残念ではあるが…。常紋峠の時もそうだったが、なんだか乗務員と二人だけと思うと妙に一方的な親近感・連帯感が湧いてくる。逆に乗務員にしてみれば、深夜に独りずっと乗車している手ぶらの乗客、というのはなんとも不気味かもしれない。その後は熊本へと向かう乗客がちらほらと途中乗車してくる。景色といえば街灯くらいしか見えないため、Kindleで「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)をダウンロードして読書。読みたい時にどこでもダウンロードして読める(しかも古典は無料)のはなんとも素晴らしく、これも贅沢。熊本が近づくにつれて意外に途中乗客あり、2329熊本着。深夜ながらこの先まだ大都市への乗継便があるようだが、当方はここで下車して駅前のホテルへ。ホーム階下の誰もいない待合所ベンチには等身大?のくまモン像がポツンと座っており、一瞬ドキリとする。小雨混じりの中、駅至近のホテルにチェックインして即入浴して就寝。引き続き汽車の振動が体に刻まれている。本日は18時間かけて538キロ走破したが、これは偶然ながら前日(第1日目)と全く同じ走破距離。
【写真】スイッチバック駅、立野駅。取り残される恐怖感に抗いながら停車時間にすかさず撮影。

音威子府そば(北海道中川郡音威子府村)
(2)
前回の苦難の末にようやく到達し、一路食堂(写真)に入店。なお、駐車場は広くて休憩中なのか路線バスも停まっている。14時半の入店だったが、客は当方含めて2名。シンプルな「もり」をオーダーするつもりが、他の客が「ざる大盛り」をオーダーしておりこちらも「もり大盛り」とする。なにしろ朝食からなにも口にしていない。5分ほど待って供されるが、事前調査とおりで黒い。そばの実の甘皮まで挽いていることによるようだが、食するにまず強烈に感ずるのは海藻の風味。一瞬、そばのつなぎに海藻を入れている?と思われるほど海藻の香りが強いのだが、それはツユの「利尻昆布だし」によるもの。メニューには「毎日だしをひいている」とある。最初はそばの風味が感じられなかったが、食べる際にツユのつけ具合を調整していけばそばの風味も十分に感じられる。黒いと噛みごたえがハードなイメージがあるが、ちょうどよい硬さでボロボロやボソボソではない。飢餓状態でノンストップ爆走の直後だったこともあり大盛りながら3分程度で完食(ほぼ同時に供されたもう一人のお客はまだ半分も食していない…)。せっかくなのでお土産を、と店内を物色するも「生そば(400円)」を発見。乾麺は売り切れてしまっているようだが、乾麺より生麺が好ましいし、賞味期限が10日間程度(もちろん早く食した方が良いに決まっている)あることから2束(5人前)を購入。要冷蔵だが、寒い車内に一晩中置いておけばOKだろう。詳しい茹で方を書いたマニュアルが添付されることに加え、昔ながらの包装紙に生そばが包まれ、輪ゴムのみで止められたその所作、佇まいがモノとして素晴らしく美しい。見た目だけで十分に美味そうであることが推察される。ちなみに帰京後に自宅にてマニュアル厳守のもと生そばを作って食したが、現地で圧倒的に感じられた海藻感はまったくなく、あの時に感じた海藻感はツユによるものと判明。平凡なツユで食した方がそば感は得られるが、あのツユがかなり素晴らしかったと痛感。個人的には温かいそばはあまり食べる機会がないが、今度訪問する際には(あのツユがふんだんに用いられているであろう)温かいそばを食すことを期する。しかしそれはいつになるのか…。(完)

音威子府そば(北海道中川郡音威子府村)
(1)
音威子府そばを食しに北海道へ。鉄道旅の途中に食そうと画策し、いろいろ試みるも非常に困難であり、積年の課題を解決するために空路稚内へ。音威子府は旭川と稚内の間にあり、旭川からも稚内からも120km程度とまさに中間。空路の場合、紋別からも130kmでこの微妙な位置がより到達を困難にしている。実は都内(四谷)でも音威子府そばを提供する店はあって自宅からも数kmなのだが、なぜか北海道へ。他の訪問予定地との兼ね合いから今回は稚内空港を選択。しかし、羽田⇄稚内の定期便は1日一便。往路は羽田10:40→稚内12:35、帰路は稚内13:20→羽田15:20という、機長らクルーにとっては稚内滞在45分で往復という具合なのだが、これまた微妙なのが音威子府そばを提供する食堂の営業時間が11~15時と短いこと。ご丁寧に食堂のHPには「15時迄に入店すればOK」と書かれており15時への駆け込みを目指すが、12:35から15時閉店までには2時間25分しかない…。いつも以上に時間がタイトで航空機遅延等の異変が一つでもあれば達成できない状況にいろいろなシナリオを想定し、不安要因を消していく。まずは航空機。個人的には航空機に絡んだスケジュールやその正確性にあまり信頼を置いていない(失礼→飛行機受難劇ご参照)が、Flightradar24の過去データから推察するに航空機は早着傾向にあり、定刻12:35着に対して12:18程度には平均的に到着(着陸)している。稚内トンボ帰りのクルーにとっては早着すれば休憩や作業時間も増えるので早着のインセンティブも高いに違いないが、素晴らしいことに実際には12:16に着陸。稚内は滑走路1本だけのシンプルな構造で無駄なタクシングもなく、前方の座席指定だったことも幸いしてレンタカーカウンタには12:25着。当然ながら荷物は手荷物のみ。レンタカーも空港にカウンターだけがあって集合後にバス等で市内まで連れていかれるところもあるなか敢えて空港隣接のレンタカー会社で予約。市内を回る時間や市内から脱出する時間を考慮すると圧倒的に空港隣接のレンタカー会社が有利。12:40にはレンタカーを借り出して、市内を回避して国道40号・バイパスを南下。オービスとパトカーによるスピード違反取り締まりに注意(違反で罰金+処理の時間を浪費ともなれば最悪)しながら、ただひたすら南下をして結果的に14:25に到着。間に合った…。ここ北海道ではナビに表示されるキロを走りきるのに随分と時間を長く感じる。走っても走っても残距離がなかなか減らない。走行距離は空港から126km。音威子府そばは「幻の蕎麦」とも言われると聞いたが、到達の困難さという意味でも「幻」に値。(続)

九州全線阿房列車(13)
ホームに降りると線路にネコ。かつてはニャー駅長がいたようだが、その後継か。後継駅長のお出迎えを受けながらも、豊後竹田では2059発(熊本ゆき)まで30分強の時間がある。「コーヒーでも」と淡い期待を抱いていたが、川を渡った先にある商店街を含めて開いている店は皆無で20時過ぎなのにまるで深夜の風情。豊後竹田では大分方面への便は比較的ある(1日19便)が、熊本方面へは1日7便のみ。終電である2059を逃す恐怖感は尋常でない。竹田といえば「竹田の子守唄」(赤い鳥など)が有名だがこの竹田は京都で、こちらの竹田では滝廉太郎「荒城の月」で有名。駅舎内にも滝廉太郎像があり、しっかり滝廉メガネをかけている。駅前は大野川の流れる音のみの静寂、ふと駅舎を振り返ればライトアップされた断崖。「落門の滝」というようだが、滝の名が示す水流らしいものは見えず。なんだか不思議かつ神秘的な雰囲気だが、駅舎内で待って2059発(熊本ゆきの最終便)に乗る。乗客は当方ただ一人。神秘的な雰囲気のまま発車、次第に登っているのか、ふと右側車窓には街の灯火がかなり低い位置に見える。気分はもう「銀河鉄道の夜」。ふとみれば今座るのは「青い天鵞絨を張った腰掛け」。 途中、急ブレーキで列車が停止するも「線路上に鹿がいましたが衝突しませんでしたので、このまま発車します」とのこと。すぐに出発したからよかったが、もし故障で止まったら熊本までタクシー等で遥々送り届けてくれるのだろうか。周囲は漆黒。
【写真】なかなか風情のある豊後竹田駅。後ろに怪しく光るのが「落門の滝」、ちょっとコワイ。

九州全線阿房列車(12)
1522延岡着だがこの先が難所。延岡といえば旭化成の企業城下町だが、延岡から大分に抜ける日豊本線は1日10便のみ。しかも「旅名人の九州満喫きっぷ」で乗れる普通列車は2本だけで0610と2007のみ…。残りの8便は全て特急になる。「旅名人の九州満喫きっぷ」では特急は乗れず、特急料金に加えて乗車券まで購入しないと大分まで抜けられない。ここは「宗太郎越え」と言われる鉄道の難所で宗太郎駅は秘境駅で有名。宗太郎越えのために切符(乗車券2530円+特急自由席1250円)を別途購入して延岡駅周辺を見るが、駅舎は異様に立派かつ近代的ながら周囲にはなにもなし。駅が街より後にできた場合には駅は土地の安い郊外にある場合も多い。1543特急にちりん(大分ゆき)に乗るが、静かで非常に快適にてブルジョア感十分。北海道では特急に乗ったが九州ではここだけ、疲れ具合が圧倒的に違うようにも。確かに宗太郎付近は秘境であって人の営みを全く感じない。携帯の電波も相当に怪しい。快適に2時間乗って1741大分着。大分の手前では新日鐵や昭和電工の工場群が右手に見え、煙突からは猛烈な白煙。これまでの食事がラーメンと甘味と冴えない状況が続いていたこともあり、大分で下車すると海鮮丼を目当てに予め見当をつけた店に行くも廃業?という状態にて止むを得ず駅ビルにて大分名物の鳥天とだんご汁の定食。なかなか生モノを食することができない。ここから豊肥本線に乗って熊本に向かうが直行はできず、まずは1905発(豊後竹田ゆき)に乗車。乗者数は多いが大分大学前で結構が降車。大分大は略すと分大(ぶんだい)になる模様。その次の中判田、三重町でほとんどが下車して残るは2名だけで2022豊後竹田着。
【写真】宗太郎駅ホーム。秘境駅を高速で通過するため辛うじて撮影に成功したが駅名表示板は判読できず。

九州全線阿房列車(11)
日南線の往路は志布志までの直通運行だったが、帰路は油津と南宮崎で乗り換える必要がある。途中からは意外な乗車客があり、北海道のローカル線のようなインフラながら、こちらは圧倒的に顧客ポテンシャルが違う。途中では河津桜満開の駅、さらに宮崎が近づくにつれて綺麗な海岸線に沿って走るが、1137青島手前では「鬼の洗濯板」も良く見える。宮崎まで一駅手前の1201南宮崎で乗換えるが、乗るのは1207特急きりしま(宮崎ゆき)。こちとら特急は乗れない切符なのだが、ここは特例区間のため乗車可能。日南線の乗客もかなりが乗換えて1210宮崎着。ここでは意外に待ち時間があって次に乗るのは1346発(延岡ゆき)だが、朝のラーメンがまだ効いているため、駅ビルの喫茶店にてコーヒーフロート。モカベースのアイスが乗っているというのが決め手。明日は小倉宿泊なのだが、駅前で格安2500円ほどのホテルがセールされており仮予約。結果、今回の九州は6泊したがホテルの質・価格で優秀なのは宮崎・小倉・福岡といった大都会の一方、パフォーマンスが悪いのは鹿児島・熊本・佐世保で競合他社数に依存している様子。1346発(延岡ゆき)二両編成に乗るが、延岡までは恒常的に乗降がある。しばらく走ると右側に鉄道高架があり、その上にソーラーパネルが並んでいるのがなんとも異様だが、これはリニア実験線(1977~96)跡を活用したメガソーラー設備とのこと。九州南部の鉄道はここに限らずワンマン運転が多く、車内放送も自動音声なのだが「定期券はハッキリとお見せください」という内容多く、音声でも「ハッキリと」がやけに強調されている。確かに無人駅がほとんど、という環境でキセル(不正乗車)が多いのは分かる気も。
【写真】上述「鬼の洗濯板」、地学的には「隆起海床と奇形波蝕痕(きけいはしょくこん)」

飛行機受難劇(6)
コロナ禍で航空機需要が一気に低下したのはマーケットだけでなく当方も然り。かなり久々の搭乗機会となったが、そんな時にまたもトラブル!出発の25分前に「機材トラブルのために遅延」とのアナウンス。今回は比較的時間に余裕のあるスケジュールのために余裕をかましていたが、出発15分前には「使用機材変更のためにゲート移動しろ」との仰せ。機体不良で墜落するよりは全くマシ。移動したゲートはバスラウンジであり、航空機までバスで移動するのも見慣れぬ景色を堪能できることから決して悪くはないが、「使用機材」等で使われる機材というアナウンスが気に食わない。それは業界用語であり、客前ではあくまで「機体」でいいんじゃないか…? 今回もクレーム等で平謝りなのは地上職員で、相変わらず謝罪隔離的で可哀想なお立場だが出発は25分遅れとのこと。バス移動後に乗ってみれば各席にディスプレイのついた新造機。25分遅れでゲートを離れたが、D滑走路へのタクシングもいつもより速い印象。最近は燃料節約のため片側エンジンのみ稼働でタクシングする機もあると聞くが、しっかり両エンジンが稼働。減便影響で空いている中、D滑走路への連結部も爆進。滑走路上へ曲がるなりノンストップでエンジンがフルスロットルへ。いつもより強めのGを感じながら離陸、10分程で水平飛行へ。Flightradarデータをみれば水平飛行状態でも緩やかに加速して、目的地には定刻の5分前に到着! 25分遅延して5分早く着くという素晴らしさで、今回は受難劇というより「なんだ、やればできるじゃないか…」ということが判明。最近はコロナ禍のためか、それとも今回はラッシュ気味だったせいか機長アナウンスは一切なし。眼前のモニターで進行方向のカメラ映像(操縦席目線と真下の2種類から選べる)が見えるのだが、空港着陸時にそれを凝視するだに横風影響から、かなり機体が左右にスウィング。映像を見ている当方もゲロりそうだったが、機体は上下だけなく左右にもかなり傾いた状態(いわゆるクラブ=crab)でランディング。2回目にタイヤが接地した時の激しい右回転Gは経験したことのないものだったが、機長の気概に感じ入った空の旅を満喫。
※写真はモニター上の着陸前映像。激しい機体のスイングのため手ブレご容赦ながら、そもそも滑走路から左方向に機首がズレている…。