
【越後大湯温泉(新潟県魚沼市)】
これまでこの温泉街の前を何度かスルーしたが、いずれも、前近代的な大規模旅館が林立するも時代の変化で廃れ、かと云って整理も費用がかかるために儘ならず、結果、廃墟感の拭えない温泉街という印象にあり、そのためにわざわざ訪問の価値もなし、としていたのだが、その温泉街の中になかなか秀逸なる温泉宿があると聞いて初訪問。周辺を車で走っている分にはあまり感じない内部の寂れ感は、その温泉街に入ると一層に感じられ、デフォルトしたであろう旅館だけでなく、温泉街につきもののスナックや土産物店ながらに営業をしているのかどうなのか外見からも全く不明な店舗が多く、ちょっと異様な雰囲気。そんな環境を抜けて行くとお目当ての温泉があるが、一見では不可能な、事前に場所を調査していかないと判らない場所。川沿いのかなり低めな位置に温泉があり、雪解けで川の水嵩が増量すると風呂が水没してしまうとのことながら、なかなかに雰囲気の良い開放感のある湯屋。この付近には栃尾又温泉や駒の湯温泉といった名湯があるが、ここにも無色透明の単純泉が湧いており、ぬる湯。目の前には佐梨川があり、恐らく栃尾又や駒の湯から流れてくるのであろうが、なかなかに良い環境。思い返せば、温泉をウリにかつて発展した温泉街が現在は寂れているだけであって、温泉が良いのは自明。ちなみにこの宿、施設は相当に古いが必要な手を入れており、不快感全くなし。料理も秀逸で、この温泉とお値段、そして料理で目敏い客を集めており、なかなかに繁盛。復活を期する温泉街や温泉宿のモデルケースのひとつとも云えるか。