先月の話になりますが、「ひだびとに飛騨を学ぶ」という講演会で宮大工の八野明さんのお話を聞いてきました。

飛騨の匠と言われる大工や工匠がこの地域には居るといわれていますが、普段その本人に会ったり話したりする機会はほぼありません。
考えてみるとあたりまえのことですが、プロの職人は忙しく、ほとんど人前にでる暇などないのです。

八野さんは100以上の全国の屋台や社寺建築にたずさわってきた
現役の宮大工であり、とても貴重な機会でした。

聞いたお話のなかで特に印象的だったのは、個人住宅とお寺の建築とでは、まったく取り組み方が違うということ。
住宅は住んでいる数人しか見ることはできない空間ですが、社寺はやはり公共の建築物。あらゆる目にさらされるということで、それだけ重い=やりがいのある仕事というお話でした。

八野さんの先代から携わっている高山の
吉島家住宅が会場だったのですが、その梁や柱の組み方なども模型で説明されていて、改めてその技術に感動しました。
吉島家住宅は文化財に指定されていて、観光客が入ることができます。
高山に来たら、ここは見ることを強くおすすめします。

意外かもしれませんが、工芸文化の栄えた町、高山に居ても職工本人から話を聞ける機会はほとんどありません。
地元の人たちも、実はあまり高山の文化のことをしらずに過ごしているというのが現状なのです。

今後こういう機会を増やしていくことは文化を継承する、後継者を育てるという意味においても必要だろうと感じました。


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