第十五章 “俊”

今は七時だから…。
俊の撮影が終わるのは九時だから…。
俊のスタジオ行こう!

『陽子さん!』
『なに?』
『美津濃事務所まで送ってもらえます?』
『いいわよ。のって。』
俊の事務所は美津濃。
長谷川さんが俊をスカウトしてくれたらなぁ。

『今日の撮影イキイキしてましたよ。』
『ほんとですか?』
『ええ。』
『陽子さんはマネージャー勤めて何年になるんですか?』
『三年ね。もう着くわよ。』
『はい。』
『三年と言っても今まで有名人についたことはないわ。』
『そうなんですか。』
『着いた!帰る時は電話して。』
『はーい。』
着いたのは七時半。
『じゃ電話しますね。』
美津濃事務所はそこそこ有名。

入ると受付があった。
『あの、山陰 俊の撮影みれます?』
『あっみゅうちゃんですよね?』
『はい。』
『ちょっと連絡とってみますね。』
受付の人は責任者らしい人に連絡をとってる。
『良いそうです。案内しますね。』
受付の人は優しくて、車椅子を押してくれた。

『こちらですよ。』
受付の人はそう言って戻って行った。

中に入ると俊は休憩に入ってた。
『あっ美優じゃん。』
『あ、ごめんじゃまだった?』
『いや、今から休憩だから。』
『ほんと?良かった。』
『休憩室いこうぜ。』
『うん!』
色々な人が聞いてくる。
『どんな関係?』
『親友です。』
いつもそう答える。

休憩室に着いた。
『何で来たの?』
『撮影早く終わったから。』
『そうなんだ。』

無言のまま休憩時間は終わった。

『撮影入ります。』
やっと俊の撮影がみれる。


aquaはクールをイメージした雑誌。
俊はそれに合ってる。

やっぱカメラマンさんはプロ。
俊とちゃっかり仲良くなってる。

『俊とるで。』
『美優!ちゃんとみてろよ?』
『あはは。ナルシスト?』
『うるせー。』
俊が爆笑した時、シャッターが光った。

『俊がこんなん笑っとるの初めてみた。これ採用。』
『マジっすか?これクールじゃないのに?』
『そこは気にすんな。じゃ焼いてくる。』
カメラマンさんが焼きにいってる間、少しか俊と話した。
『ずっと一人で撮ってるの?』
『いや?さっきまでいろんな人との集合で。一人なんて四分の一ページしか出たことないよ。』
『そっか。』
カメラマンさんが帰って来た。
『よく見たらみゅうちゃんじゃない?』
『あ、はい。』
『俊のちょっと前にデビューしたのにdark専属モデルなんでしょ?』
『あっはい!』
『すごいね。』
『有り難う御座います。』
『俊の撮影早く片付いたから遊びにでもいっといで。』

今日はこのカメラマンさんのおかげで俊の爆笑している顔をみれた。
第十四章 “テレビ”

私はちょっと怖くなってきた。
こんなに上手くいくものなのかな?
モデルきなれただけでも奇跡なのに、
憧れの長谷川さんに会って、
憧れのdarkに載れる。
幸せが恐怖に変わった。

『鳴海さん、送るから車乗って。』
『はい。』
車から下りてもずっと考えてた。

お母さんもその様子に気付いたらしい。
『美優、なにかあった?』
いつも以上にお母さんの声が優しく聞こえて、涙が溢れた。
『幸せが怖い…。』
『分かるわその気持ち。』
『え?』
私は驚きで涙が乾いた。

『よく、マリッジブルーって言うでしょ?お母さん、お父さんと結婚する時不安になったの。』
私には信じられない。
お父さんとお母さんはラブラブで有名だと聞いたから。
『それで、お母さんのお母さんに相談したの。そしたらお母さんは、』
『怖くなかったら幸せじゃないんだよ。だからお前は幸せなんだ。』
『って。だから美優、なんも怖いことはいけないことじゃないのよ。』
『お母さん…。』
私の涙はまた溢れた。

やっぱお母さんには勝てないや。

お母さんはすごすぎる。

さらに怖い話が来た。
テレビの出演。
いきなりdarkのモデルになったりして、
プロデューサーの目に付いたらしい。
怖くて泣きたかった。
けどOKした。
自分を強くしなくちゃ!
『今は全てやります。』
『そう…。決心したのね。』
『テレビってなにに出るんですか?』
『modelroom(モデルルーム)よ。ゲスト出演だから。』
『モデル?あの!』
モデルルームは、有名なモデル番組で、
本当に有名なモデルしか出れない幻の番組。
モデル司会のモデルによるモデルのためのモデルを一人ゲストに出すモデル番組。
そんな番組に出れるのが嬉しい。
例えゲストでも嬉しい。

『もしもし、お母さん!』
『美優、どうしたの?』
『モデルルームに出れるの!』
『えぇ!』
『お母さんファンでしょ?』
『うっ…』
お母さんが泣いてる。
『美優、迷惑かけないようにね!』
『うん。』
『お母さん仕事だから切るね。』
『バイバイ。』
お母さん、めっきり仕事減らしてる。
お父さんの時ほどじゃないけど家にいてくれる。
お母さんのためにいっぱい働いて、楽させてあげたい。

撮影は明後日。
明後日まで自分を磨こう!

『モデルルームに出演って本当ですか?』
陽子さんが聞いてきた。
『あ、はい。』
『えーすごい。オンエアが楽しみですね!鳴海さん尊敬しちゃいます。』
『あははっ大袈裟だなぁ…。照れちゃいますよ!』
陽子さんは積極的に話してくれた。
私は憧れのモデルの雑誌を読んだ。
私の知らなかったモデルルームのルールが分かった。
自分の服で出る。
下ネタ禁止。
とか。
陽子さんも調べてくれて、色々分かった。
『あ、そうそう。』
『はい?』
『このモデル、鳴海さんと同い年よ。』
陽子さんが指をさしたのはaquaの後ろの方のページの小さな写真。

見覚えのある写真。
芸名は…。
『俊』
俊?
『あっ!俊!』
『えっ知り合い?』
『同じ学校なんです。』
付き合ってる事は秘密にした。

私は俊に電話してみた。
『モデルになったの?』
『あっああ。』
『どうしたの?』
『長谷川さんに言われたんだ。』
『君、格好いいからモデルやってみれば?そうすれば鳴海さんとつり合う様になるよ。』
『って。』
『そうなんだ。』
『ああ。』
『あ、私モデルルーム出るんだ!』
『マジ?』
『うん。』
『オンエア楽しみだな!俺今から撮影だから切るね。』
『うん』
『バイバイ!』
私は急に明日が待ち遠しくなった。

明日着る服はお父さんがくれたワンピース、
形見の指輪。
みんなのくれた眼帯に自分で買ったバック。
靴はお母さんが買ってくれた。

私は緊張しても寝れなくはなく、ぐっすり眠れた。

学校から真っ直ぐスタジオに行くから、
学校の鞄に着替えを入れた。
髪型はスタジオに着いたらヘアメイクさんがやってくれる。

私は学校用メイク&髪型で学校にむかった。

左手ばだいぶ動かせる様になった。
でも行きも帰りも俊が来てくれる。
帰り、事務所とかに行くときは陽子さんが迎えに来てくれる。
今日は陽子さんが迎えに来てくれる。

『美優!』
『あ!俊!』
『ごめん、寝坊しちゃって。』
『今日モデルルームの撮影なんだ。』
『そうなんだ。俺はaqua。』
『俊も忙しいね。』
『帰りどうすんの?』
『マネージャーが迎えに来てくれるから。』
『マネージャーなんているの?』
『うん。』
私はその日、マネージャーの凄さを知った。
今日からクラス替え。
『あ…クラス違うね。』
『じゃあ昼屋上で!』
『モデルルームのことは言わないでね。』
『OK。』
私は新しい教室にむかった。
ラッキーな事にエレベーターの隣。
3―C教室には、仲のいい子が集まってた。
授業もなんなく終わって放課後になった。
『俊、バイバイ。』
私は俊と別れて陽子さんの乗る車へ。
『あらっあれが俊君?』
『はい。』
『そっか…。いくね。』
控え室に着いた。
『鳴海さん、急いでメイクするね。』
私は基本的メイクは薄い。
髪型はアップ。
撮影は五時から、今は四時三十分。
私は早めに出演者さんに挨拶まわりしようかとおもったけど、
モデルルームルールで秘密にしなきゃいけない。

そして五時、五分間の前ふりがある。
『皆さん!モデルルームのお時間です!』
『今日のゲストだれだろ?』
『スタッフさんからのヒントあるよ!』
『学生さんだって。』
『だれだろ?』
『では,ゲストカーテンオープン!』
ついに私の出番。
『今回のゲストは、謎の新人学生モデル、そしてdarkのモデル、みゅうさんです!』
『どうもー!』
私は持ち前の笑顔を使った。
『わぁ!若い。』
『ありがとうございます。』
『確か右脳に障害があるとか?』
『あ、はい。』
『どうしたんですか?』
『えっと、学校帰りの飲み会でちょっと頭をうってしまって。』
自然と涙が出る。
『そうなんですか…。』
『可哀想…。』
『なんかごめんね。』
恒例のコーナー替え。
『次は質問しちゃお♪のコーナーです!』『はい!まりかからみゅうちゃんに質問!』
『なんですか?』
『彼氏とかいる?』
私は言わなくちゃいけない空気が分かる。
『いますよ♪』
『マジ?芸能人?』
『有名でないけどそうですね。』
『へー。あえて名前きかないね!視聴者のみんなごめん!』
『じゃああずからみゅうちゃんに質問!』
『はい!』
『モデルになったきっかけは?』
『友達のお父さんが芸能人関係だったので…。しかもみんなに進められて。』
『そうなんだ…。』

他にも色々質問された。

『みゅうちゃんありがとう御座いました。』
『はーい。』

恋空~セツナイ恋物語~

は、

恋空~ウマイ嘘物語~

なんだよ^^

しってた?