↑前回、心内修復術を行った後からの話。

手術は無事に済んだようだった。
通常、退院までは1週間が目安のようだが、息子は術前に低酸素血症になったことや挿管時に喉が腫れていたことからもう少し延びるだろうと聞いていた。


 手術翌日~術後3日


鎮静剤のため、依然として意識は朦朧。
浮腫はだいぶ引けてきてサチュレーションも100を保てるようになる。
自発呼吸が出てきたら気管チューブを抜くとのこと。

順調によくなってきているようだった。



 術後4日~8日


右胸腔の水が引けず、ドレーンを1本追加した。
点滴は順調に減っていくのに管が一本増えてしまったことに不安を覚えた。

目も開けるようになったが、まだ鎮静剤が効いているのかぼんやり口をパクパクしたりもじもじ動いたりする程度。
通常退院の目安となる1週間はPICUで迎えた。

人工呼吸器も外れたものの、体質のせいか鎮静剤が効きすぎるようで呼吸数が減ったりサチュレーションが下がったりすることがあった。
そのため輸血したそうだ。
その後はサチュレーションも落ち着いたようだった。


経管での栄養投与は糖水から始まり、ミルク30cc×8になった。
翌日から一般病棟に移ることが決まった。



 だがしかし


なんと転棟を翌日に控えたその日、乳び胸になってしまった。
そのため、せっかく始まったミルクも開始3日目の午前中に中止となってしまった。

ちなみに乳び胸の説明は以下の引用のとおり。


何らかの原因で胸管(胸の中のリンパ管の一部)が傷つくなどして、乳白色のリンパ液が漏れることで胸水が溜まった状態です。悪性リンパ腫などがんの影響、胸部手術の影響、交通事故といった怪我の影響、などが原因で起こることが多いです。症状は出ないことも多いですが、胸水の溜まりが多くなると咳・胸部違和感・呼吸困難感などが出現します。症状と病歴、画像検査で乳び胸水の可能性が疑われ、体外から針を刺して胸水を採取(胸腔穿刺)して調べることで診断します。治療は軽症であれば絶食+点滴や低脂肪食にして様子を見る場合が多いですが、重症であれば手術をするなどして治療します。

(引用:https://medley.life/diseases/555d8cc05dd5c738017951fb/)


手術の癒着剥離によってリンパ管が傷付いたということだろう。

それでミルクを中止、つまりまずは絶食ということになったわけだ。


始まったばかりですぐ中止になってしまった。
少量でも始まると胃が動くのだろうか、空腹を訴えるように手を見ては口をちゅっちゅちゅっちゅ言わせている息子がかわいそうだった。
PICUに入ってからもう11日間、口からミルクを飲めていないことを思わずにはいられない。

絶食は3日間の予定とのことだが、通算14日だ。
2週間は長い。口からとなればもっと延びるだろうし。
でもとりあえず3日の辛抱だから、と息子に声をかけた。



翌日からの一般病棟の生活の様相など、このときはまだ知る由もなかった。



 

長くなったのでこのへんで。

次回は一般病棟に移ってからの話です。

↓続き