一般質問 動物愛護について
小池質問 動物愛護についてお伺いします。
枚方市は殺処分ゼロを標榜していると思いますが、市の取り組み方針、動物管理の具体的手法として、どこに委託しているのか、この委託先になった理由と経緯についてお聞きします。
保健所所長答弁
動物愛護についてお答えします。市の取組み方針としては、犬猫の殺処分ゼロをめざし、無償譲渡の取り組み促進と、終生飼養などの飼い主責任に関する啓発活動の推進を図っています。動物の飼養管理は、動物への給餌や健康状態の確認などの飼養保管を大阪府森林組合に委託しています。動物の飼養管理等に係る業務は、平成26年4月の中核市への移行に伴い、本市が行う業務となりましたが、本市内にはこれらの業務を行う施設や適切な用地が見つからなかったことなどから、当初大阪府に委託していました。大阪府との契約では、動物の譲渡や処分の判断は大阪府が行い殺処分もありました。その後、本市が殺処分ゼロの施策を推進していくために、本市独自の判断で処分を行えるよう、委託内容を動物の飼養保管のみに変更し、この業務に対応できる大阪府森林組合では動物が譲渡されるまで又は寿命を全うするまでの長期間の飼養保管が可能であることから、大阪府森林組合と契約を締結しました。
小池質問
市の方針、具体的委託の経緯実績について一定理解しました。
過去3か年の送致頭数、保管頭数並びに委託料についてお伺い致します。また、大阪府との契約時と比べて委託料に変化はあったのでしょうか。
保健所所長答弁
過去3年の送致頭数等については、送致頭数が平成31年度42頭、令和2年度8頭、令和3年度9頭、年間の保管頭数と年間のべ保管日数が平成31年度43頭3,165日、令和2年度37頭3,910日、令和3年度14頭1,406日、現在最長で2年8ヵ月間飼養継続中の動物がいます。大阪府との委託料は平成28年度に19,880,858円でしたが、大阪府森林組合に変更してからは、平成31年度9,890,742円、令和2年度9,980,000円、令和3年度10,010,000円と、大阪府委託と比較して減少しています。
小池質問 委託先を大阪府森林組合とした理由と、競争入札でなく随意契約とされたその理由をお聞かせください。
また、送致頭数、保管頭数の減少が続いているものの、頭数の減少に対し委託料そのものに大きな変動が見られないように思います。
委託料と保管頭数の関連についての考えをお聞きします。
保健所所長答弁
当該委託業務を行う施設は、動物取扱業として登録し、犬・猫の飼養保管業務ができ、十分な収容規模を擁し、常に動物の受入体制が確保され、かつ本市職員が短時間で往来可能な距離にある必要があります。そこで、近畿の他府県市の動物の飼養管理等業務委託状況、及び大阪府内の動物取扱業者一覧を確認して、この要件を満たす施設が存在するか検討しました。その結果、収容規模などの要件に該当するものが大阪府森林組合の他になく、また実績を有していたため、随意契約を締結したものです。
委託料については、委託契約先は契約期間中、常時犬・猫の受入体制を確保するための、人員の配置、施設の整備等をしておく必要があり、これに関する人件費、設備費等の固定費の割合が大きくなっています。
今後、ご質問の趣旨を踏まえ、保健所での収容頭数の推移も見極めながら、引き続き、委託先や委託料の適正性の確保に努めてまいります。
小池質問
確かに現時点では多頭飼育崩壊時など緊急対応が必要な際の備えをしておくべきことは重要だとは思いますが、一方で競争性の確保も必要です。(8引き続き新たな委託先や諸条件についてもしっかり情報収集・検討を強く要望しておきます。
犬猫の送致数の多寡等にかかわらず、一定の固定的な費用負担が必要であり、一概に頭数と委託料が比例するものではないことは理解しますが、委託料は「税金」です。
その積算根拠と、適切なチェックをしっかりと行って頂き、常に適正な費用負担であるのかどうかを検証頂くことをお願いします。
また、犬猫の飼養環境についてはどのような状況で、市はどのような確認をされているのか緊急時の対応も含めてお聞きします。
また、2年8ヵ月間飼養継続中の動物はどのような経過があるのかお聞かせください。
保健所所長答弁
犬猫飼養環境については、仕様書に定めた規模を有し、給排水の整備、温度管理、個別ケージでの飼養ができる環境としており、動物の健康状態等についての記録なども行われています。
こうした環境の確認については、保健所の獣医師が週に一度森林組合を訪問し、収容動物の健康観察とともに施設管理状況の記録を点検のうえ現地での確認を行い、必要な指示を行っております。また、土日を含めた緊急時の対応については、電話連絡により相互に連携を取る体制となっています。なお、2年8カ月間飼養継続中の動物は、怖がりで人なれしていない猫でしたが、ようやく飼育担当者に慣れてきたところであり、譲渡希望の話もお聞きしているところです。
小池要望
くれぐれも保護された動物たちの飼養環境管理もしっかりと行っていただくよう要望いたします。
収容された動物達に対する対策だけでなく、市民全体の動物愛護に関する意識・関心を高揚させ、収容を未然に防ぐための予防策が必要です。
市民の皆さんの協力により、人と動物がともに幸せに暮らす枚方市となるよう、市として適正飼養と愛護精神の啓発を充実して頂くよう要望します。