伊藤匠七段が藤井叡王から先に二つ勝利をあげ 奪取に王手を掛けた 第9期叡王戦五番勝負 第5局は 今日(6/20)9:00から 山梨県甲府市「常磐ホテル」で始まりました。
 
第4局を見たかぎりでは 藤井叡王持ちですが、第2局、第3局のこともあるので 結果は終わってみなければわかりません。
 
八冠達成以来の注目局です。
 
9:40、52手目 伊藤匠七段が動きました!
 
 
 
「光速流」からの挑戦状
 
十七世名人が放つ、「読む力」を鍛える100番!
 
華麗にして玄妙

詰将棋は実戦の役に立つか、は 昔から議論されていることですが、私は有意義だと考えています。
 
詰将棋を数多く解くことによって、詰め手筋を身に付ける事ができますし、
 
慣れてくれば直感で詰みがあるかが分かるようになります。(本文より)
 
 
   著者 : 谷川浩司
   発行 : 文藝春秋
   2022/6/30 初版
 
 
<目次>
まえがき
第1章 九手詰・十一手詰(二段レベル)
第2章 十三手詰(三段レベル)
第3章 十五手詰(四段レベル)
     十七手詰・十九手詰(五段レベル)
コラム①詰将棋は本当に役に立つのか
コラム②永世名人と詰将棋
コラム③「双玉」と「単玉」
あとがき
 
 
<まえがき>
 
本書は、月刊「文藝春秋」に出題した問題を厳選し、百題にまとめてものです。
 

 

出題時は九手詰~十五手詰の短編でしたが、今回の書籍化に当たり逆算などで改作もしましたので、十七手詰十九手詰の作品も数作、収録しています。
 
 
『月下推敲』の初出誌はほとんどが『詰将棋パラダイス』でしたが、本書は月刊「文藝春秋」に出題した百題です。
 
といっても、二段~五段レベルですので、決して簡単ではありません。
 
まさに ”脳に汗をかく” 問題集です。
 
本書で物足りない方は、『月下推敲』 或いは 『詰将棋パラダイス』 の世界へお進みください!!
 

 

 

 
<コラム③「双玉」と「単玉」>
 
・・・コロナ禍で自宅にいる時間が増え、詰将棋の解図だけでなく、創作にも精を出すようになったのですが、どうも新しい構想が浮かばず、ふと思いついたのが、今まで何となく敬遠していた双玉でした。
 
するとこれが、面白いほど次々と構想が生まれます。
 
単玉ではありえないアクロバティックな手順や、自玉を移動しての王手、王手に対する逆王手、そして、単玉では修正不可能な余詰順も、双玉であれば簡単に消すことができるのも驚きでした。 ・・・
 
双玉問題は、逆王手やマニアックな手順が多く、 一般的には ”大道詰将棋”や”詰将棋パラダイス” の世界を連想してしまいます。
 
「よいこは 近づかないほうがいいですよ?!」
 
谷川先生 沼にハマってます!!
 
 
<あとがき>
 
月刊「文藝春秋」に詰将棋の連載を始めたのは、2010年のことでした。
 
「文藝春秋」の詰将棋欄自体は1950年代からあり、木村義雄十四世名人が20年以上、塚田正夫名誉十段が数年担当された後、二上達也九段が30年以上にわたり、務められたとのことでした。
 
歴史と格調ある月刊誌に、一時代を築かれた大先輩お三方の後を継いで、ということで、依頼を頂いたときは身の引き締まる思いでした。 ・・・
 
詰将棋は高度な知的パズルで、藤井聡太竜王が詰将棋で終盤力を磨いた、ということで話題になり、さらには昨今の将棋ブームも加わり、脚光を浴びていると言えるでしょう。
 
「文藝春秋」の詰将棋欄といえば、二上先生です。
 
1970年代後半から担当といえば、自分が初めて「文藝春秋」を手にしたころと一致するので当然ということになります。
 
木村名人、詰将棋上手の塚田名誉十段、詰将棋第一人者の二上九段の後を継いでの谷川さん、人選もさすがの”文藝春秋”です。
 
 
早速の伊藤匠七段の動き、今日は 第9期叡王戦五番勝負 にハマります!!