ホームの山雅はこの『信州ダービー』では前節から安藤選手に代わって安永選手が7試合ぶりに先発した。
一方のAC長野は、進 昂平選手などが今季初先発となり、浮田選手と2トップを組む。
更に今季は今まで採用していなかった4バックの[4-4-2]の陣形を採用した。
前半は激しいバトルの中、一進一退の攻防が続いたのであるが無得点のまま終わった。
そして後半の57分、菊井選手の左CKに対して樋口大輝選手が豪快なヘッドでゴールネットに突き刺した。
山雅アカデミー出身のSBが3試合連続ゴールを挙げて先制した。
彼は塩尻市出身の選手で、我が地域の広陵中学を卒業した選手であり誇らしい限りです。
自分も子供が中学生時代コーチ役を担っていた時期もあり、自分事のように嬉しさがこみ上げてきます。
当時息子1年生の時には元山雅戦士の小松憲太選手が3年生に在籍しており、当時から目立っていた選手でした。
実は当時の中学の監督さんは憲太選手が走りすぎている場面で、「次のことを考えて、そんなに走り続けるな」と走りすぎて注意されたことが印象として残っています。
話を樋口選手に戻すと彼は5月の県選手権決勝で信州ダービーを経験していました。
そこでのPK戦での敗戦で人一倍悔しい思いを抱いていた選手であり、彼自身
「山雅のアカデミーにいた時からダービーは負けられないという思いがある。県選手権は負けてしまったので、しっかり勝利で終われるようにしたい」と語っていました。
前々節の沼津戦では1ゴール1アシスト、そして前節の相模原戦では2ゴールを挙げてくれた。
そして今節のAC長野戦でも得点という結果を残してくれた。
「自分の特長が出る形や前線に入っていく動きができている。
そこにボールを届けてくれる選手がいるので、入っていくところを意識して生まれた点だと思う」
今節AC長野との対戦で同学年で長年ライバルとして対峙してきた小西陽向選手とは同一サイドでマッチアップした。
「自分と同級生でAC長野のアカデミー育ちの小西陽向選手とは、同じサイドで対峙する可能性がある。
そうなれば負けられない。高校3年間は育成組織同士のダービーで負けたことがなかったので、それを継続できるように頑張りたい」
ホームで臨む信州ダービー。地元出身選手としての思いを次のように語ってくれた。
「ずっと見てきたダービーをホームで戦うことができる。チームとして勝って終わって、ファン・サポーターの皆さんの笑顔が見たい。
アカデミー時代からずっと見てきて、山雅の選手が高い強度で走ったり、戦ったりする姿をサポーターの皆さんは期待していると思う。
がむしゃらに『オレンジには負けないぞ』と、サポーターの皆さんも思っていると思うし、選手たちもこの一戦を大事だと思っている。
自分は、信州ダービーの今までの歴史を知っているので、結果を出して勝利で終わりたい」
「周りからひしひしと伝わってくる緊張感もありながら『どうなってしまうんだろう』という気持ちもある。
『負けたらこの街にいられないんじゃないか』というくらいの一戦。
自分にとってもほかの選手にとっても、今まで通りの大事な一戦ではあるけれど、少し違うところはある。
ここで、アカデミーの選手が結果を出せばすごく盛り上がると思う」
彼は得点という結果を残してくれたのであるが、
最後はAC長野に同点とされて勝ち切ることは叶わなかった。
この悔しさを次の『信州ダービー』には晴らしてくださいな。