新体制発表会で下條佳明氏が語った「昨年は結果が伴わなかった」と仰ってくれたのであるが、その原因は何処にあるのか?
昨年の新体制発表会にて、山雅強化本部長である下條氏が昨年の数値目標を挙げてくれた。
「勝ち点および総得点76」の目標は、単純計算で1試合あたり勝ち点、得点共に2点の計算になる。
実際に昨季の結果を振り返ってみると。
勝ち点は54、得点数は51点と、何れの数値も目標に対して20ポイント以上も開きがある。
これは1試合平均で勝ち点が1.42であり、得点は1.34となっている。
得点力アップを強化の柱に据えているのであるが、確かに得点数は一昨年よりも多くなったように見えるが実態は・・・
一昨年の結果を見ると勝ち点66で得点が46であったのですが、1試合平均で勝ち点が1.94であり、得点は1.35となっている。
昨季はチーム数が2チーム増えて、試合数が4試合も増えたことで1試合平均にすると一昨年以下の数値となってしまうのです。
まあ首位の愛媛FCも勝ち点で73、得点数も59得点であったから、かなり高く現実離れした目標だったと言えるかもしれない。
更に目を覆いたくなるのが失点数であり、一昨年はリーグ3番目となる33失点であったものの、昨季は47失点とリーグ全体では7番目の数値となっている。
昨年結果として9位に沈んでしまった原因はこの失点数の多さにあり、やはり失点数を減らさないと上位に食い込むことは難しくなる。
得点は水物と言われるように、調子のいい時は大量得点が期待できるが、シュートを幾ら放っても入らない時は入らないのだ。
現に、最後の5試合で2得点しか奪えなかったことが、終盤戦で失速した原因とも言えるのではないでしょうか。
やはり手堅く守って少ない得点で勝ち点を積み上げていくという事が現実的な戦い方と見るべきである。
昨季は守備の主体を4バックにして、3トップの布陣で[4-2-1-3]あるいは[4-4-2]のフォーメーションで試合に臨んだ。
更に両SHが高い位置を取り、攻撃に人数を割いた分、相手のカウンターを浴びた時に守備人数が揃わず、相手の速攻で失点してしまうという事を繰り返した。
現に最終節の奈良クラブ戦でも相手のロングフィードから右サイドを突破され、慌ててGKビクトルが前に出てしまい、そのクロスにヘッドで仕留められてしまった。
特に攻めに転じて前がかりになり、パスミスなどで相手に速攻を仕掛けられると、CB二人では相手が二人あるいは3人と人数を掛けて攻められると数的不利な状況を作られ、守り切るのが難しくなる。
今季にかけて、守備戦術から取り組んでいるようであるが、既存戦力と新戦力が互いに特長を把握している段階。
今まで何度かトレーニングマッチを繰り返し、開幕までには互いの気心を把握して連携を図ってくださいね。
やはり「良い攻撃は、良い守備から始まる」という事を肝に据えてほしい。
そして、後方でのパス回しだけのプレーばかりでは攻撃の幅は広がらないのであって、ある程度リスクを冒して攻撃に人数を掛けることも必要な事。
そのためには、ボールを持っていない時の運動量とアグレッシブな走力が必要となる。
霜田監督は
「ボールを持つ選手が、走った選手を使わないのは簡単。
ただ、それが続くと走る選手が減る。
攻撃の選択肢を増やしながら、判断の質を上げていく作業が練習試合の一番のテーマ」
と挑戦する姿勢を求めた。