今から12年前の2011年3月11日東日本大震災が発生した日の記憶は決して忘れることはできない。
その後のTVから流れてくる映像には目を覆うばかりで、この世のものとは思えないものとなった。
<サッカーの力で人々に勇気と感動を与えることができた・・・>3.11東日本大震災を想う(その2)
そして、その東日本大震災の被災地を本拠地とするベガルタ仙台といわきFCであるが、そのチーム同士の戦いが、J2で12日、「復興応援試合」と銘打って対戦した。
いわきFCは昨年J3で断トツの強さを発揮してJFLから昇格した1年目にしてJ3で優勝を飾り、J2へと昇格した。
一方の仙台は21年にはJ1で19位となり、震災当時から11年間守り続けてきたJ1から降格して昨年からJ2の舞台で戦っている。
その2チームが互いにJ2の舞台で初めて対戦することになった。
実は今から6年前の2017年には仙台といわきFCがチャリティーマッチを実施していた。
当時のいわきFCは福島県社会人1部リーグの所属だったのであり、そこから僅か5年間でJFL昇格、そしてJ3、J2へと戦いの舞台を移してきた。
会場となったユアテックスタジアム仙台の入場口付近には犠牲者への献花台が置かれ、キックオフ前に黙とうがささげられた一戦。
お互いに強い気持ちがぶつかり合った東北勢対決は、J2初参戦のいわきが前半20分にDF江川慶城貴重選手が貴重なゴールを決め、そのまま仙台の攻撃を凌ぎ切って1対0で今季初勝利を手にした。
2016年に本格始動した いわきFCの原点には、震災復興への思いがある。
2016年11月に練習場『いわきFCフィールド』が完成して使用開始、翌年6月にクラブハウス『いわきFCパーク』がオープンした。
2016年11月に先行して開業したクラブハウスに隣接する人工芝グラウンドが整備された。
サッカーコート1面、フットサルコート2面が整備されており、観客席も設置されている。
ところが人工芝グランドは公式戦では使用できないため、今いわきFCのホームスタジアムは、震災の後に復興したJヴィレッジスタジアムとなっている。
Jヴィレッジであるが、本来の使用目的は日本サッカーにおけるナショナルトレーニングセンターである。
1997年開設。福島第一原子力発電所事故に伴い、2011年3月から3年間はスポーツ施設としては全面閉鎖し、国が管理する原発事故の対応拠点となっていた。
その後2018年7月より部分的に再開されて、9月には改修作業が終了し全面使用が可能となった場所であり、震災の象徴とも言える場所となった。
<復興の象徴・・・>いわきFCが目指す未来のスポーツビジネス
元山雅のコーチだったいわきFC村主博正監督は
「われわれは何のためにチームが創設されたのかを再確認して、選手たちはあきらめない姿勢をサポーターに見せようと戦ってくれました。
われわれが何のために立ち上がったのかを選手と再確認した」と試合後のコメントを残した。
そして仙台の伊藤彰監督もこの試合を振り返って
「このスペシャルマッチで、互いに全力で戦ったことは素晴らしかった」とこの2チームが対戦した意義を強調した。
スポーツの力で人々に勇気を与えることができる。
自然の猛威には逆らえない、
それでもこの出来事を教訓にすることで、
助かる命もあることを学んだ。