経験値、マニュアル、変動 | 中村教授の愉快な毎日

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ブログの内容は筆者の個人的な見解であり、明治大学とは無関係です。

大学病院の救急外来で、胃腸炎だろう、と言われたが、その薬があまり効かない。


別のクリニックへ行くと、触診される。


最近、こういう腸の人が多い、という。


(えっ、どういう腸なんですか?)と思ったが、自制した。


ここ3年ぐらい増えているという(どうみてもコロナかワクチンのせいだろう)。


(最初の大学病院の医師は)なんで抗生剤出さないのかなー、と言い、処方された。


一晩で魔法のように回復して驚く。


この医師は、総合病院勤務のあと開業した人で、経験値が高い。


大学病院の方は、まるで大学院生のように若く、おそらく、マニュアル通りの処方をしたのだろう。


(たぶん)ウイルス性には、抗菌剤は処方しない、と。


ところが、いくら、マニュアルが大量のデータをもとに統計的に作られているとはいえ、個々の状況は違う。


我々は最大公約数ではないのだ。例外だらけ。


検索すると、医師向きのものがあり、ウイルス性であっても、抗菌剤は投薬することはある、患者が安心するから、効果があるから、細菌性も否定できないから、と色々書いてある。


ほとんど、科学ではなく、経験の集積だ。


医学は、美しい抽象である数学のようにはいかない。


心身は、個別、個別。常に変動する春夏秋冬、気圧、社会に左右される。


わかっていないことも多い。


実は、治らない病気の方が治るものより多いと別の医師が書いていて驚いたことがある。