ナマケモノ、トマト、ジャガイモ | 中村教授の愉快な毎日

中村教授の愉快な毎日

ブログの内容は筆者の個人的な見解であり、明治大学とは無関係です。

動物の、ナマケモノという名前はいくらなんでもひどい。

と思って調べると、華語でも、樹懶(shùlǎn)、英語も sloth というから同じ意味である。

学名の語源はよくわからない:Folivora Delsuc, Catzeflis, Stanhope, and Douzery だそうだ。

学名というのはラテン語だが、2番目以下は人の名前だろう。

最初の語(foli-vora)は、辞書にのっていないが、「葉を食べる」という意味だと思う。

それはともかく、どこでも、ナマケモノというというのは、偶然なのだろうか。

どこかで、ナマケモノと言われていて、それが広がった可能性が強いと思うが、まずは、現地でなんとよばれていたか、が重要だ。

中南米らしく、16世紀にヨーロッパへ「紹介」された、とwikipediaに書いてある。

チョコレート、ジャガイモ、トマト、とヨーロッパで重要な食材もすべて中南米からだ。

その名前も、当然、現地語、それから、スペイン語→各国語という流れである。

チョコレートは、ナワトル語の「カカオ豆の食べ物」、「ジャガイモ」は日本語だが、potato は、ハイチ語の「サツマイモ」(!)から来ている。

ドイツ語の Kartoffel は複雑である。イタリア語、ラテン語にさかのぼる。

日本語のジャガイモは、ジャガタラ芋、の略だそうだ(ジャガタラは、インドネシアのジャカルタ)。

英語史の授業でもよくいうが、ほんとうにこれらの食材がなかったら、イタリア料理は成り立たないだろう。

ビッツァとか、パスタとかどうなっていたのだろうか。

ドイツ人も、フランス人も、ジャガイモのフリットがなければ生きてゆけなかったのではないか(笑)。