クジラをもらったパリ | 中村教授の愉快な毎日

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フランスには一度しか行ったことがない。

もう32年前になる。しかもパリだけだ。

寒い一月のある日、ヴァンドーム広場にいた。

そこのシャルヴェという店でシャツを作るためだった。

当時はフランス語会話がそこそこできていたので、コミュニケーションに問題はない。

すると、一気に張り切った三、四人の男性店員が出てきて驚いた。

店員の一人からムッシュ、この色の方が被りませんよ、などと言われ、採寸のとき、両肩を触られて、逆三角形で、athlète の身体だなどと明らかすぎる世辞を言われた。

まだ20代後半だったから、ウエストが細かっただけの話。スポーツをやった経験はゼロである。

会計をすると、baleines をタダで差し上げます、と言った。

えっ?クジラ?と思ったが、カラーに挿入して、型崩れしないようにするプラスティックの棒(?)をクジラと呼んでいるらしかった。

英語や日本語でこれをなんというのか知らない。