しかし、どこの大学院の入試でも、英語学のほかに、イギリス文学、アメリカ文学の問題がもれなく出る。
しかたなく、文学に興味はなかったが、文学部2年生のイギリス文学概論に出た。私は外国語学部だ。
ミルワード神父というイギリス人の教授が担当していたが、どうも相性は良くなかった。
日本人にイギリス文学のなにがわかる?という感じの上から目線なのだ。
あるとき、小レポートを返却されたが、
Very good but it’s too good to be true.
と言われた。ほんとうに自分で書いたのか?と。
この一言で、こんな、学生を信用しない猜疑心の強いところはダメだと思い、絶対、上智の大学院にはいかない決意をした(行く金もなかった)。
もし行っていたら、英語学の渡部昇一先生が指導教授になったはずだが、あまり偉い先生についても、その弟子は大したものにならないのが普通である。
避けてよかったとは思う。
しかし、東大であまり大した先生につかなかったが、やはり私は大したものにはなれなかった。
結局、人生はそんなものだろう。