映画『傲慢と善良』を観てきました。2019年に初版刊行、2022年文庫本化された辻村深月さんの小説()が原作で累計70万部を突破し映画化が決定()していた作品です。

先月の27日から公開されていますが、小説が売れた割には映画への期待値があまり高くないのか、上映館が少なかったので、初めてTOHOシネマズ二条というところまで足を運びました。

*ポスターの画像はネットからお借りしました

スタッフ=監督:萩原健太郎、原作:辻村深月、脚本:清水友佳子

キャスト=藤ヶ谷太輔(西澤架)、奈緒(坂庭真実)、倉悠貴(高橋耕太郎)、桜庭ななみ(美奈子)、菊池亜希子(岩間希実)、前田美波里(小野里)、阿南健治(坂庭正治)、宮崎美子(坂庭陽子)、西田尚美(よしの)

 

映画の公式サイトもあるんですが、イントロダクションとストーリーがコピー出来なかったので、映画.comの解説を以下に転載させて頂きます。

 

解説 

直木賞作家・辻村深月が現代に生きる人々のリアルな恋愛観と価値観を描いた同名ベストセラー小説を、藤ヶ谷太輔と奈緒の共演で映画化した恋愛ミステリー。

これまで仕事も恋愛も順調だった西澤架(藤ヶ谷太輔)は、長年交際していた恋人にフラれたことをきっかけに、マッチングアプリで婚活を始める。そこで出会った控えめで気の利く坂庭真実(奈緒)と付き合い始めたものの、1年経っても結婚に踏み切れずにいた。ある日、真実がストーカーに狙われていることを知った架は、彼女を守るためようやく婚約を決意するが、真実は突然姿を消してしまう。真実の行方を求めて彼女の両親(阿南健治・宮崎美子)や友人(桜庭ななみ)、同僚、過去の恋人を訪ね歩くうちに、架は知りたくなかった彼女の過去と嘘を知る。


婚活で交際を始めるも1年も将来を決めない“傲慢”な架を藤ヶ谷、親の敷いたレールの上で“善良”に生きてきた真実を奈緒が演じ、倉悠貴、桜庭ななみ、菊池亜希子、前田美波里が共演。実写映画「ブルーピリオド」の萩原健太郎監督がメガホンをとり、「ホテルローヤル」の清水友佳子が脚本を手がけた。

 

原作を読んだ時に書いた記事()以上のネタバレは止めておきます。

この時の記事に書いていますが、原作は大きく第1部と第2部の構成になっていて、第1部の終りで西澤架は婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消したいきさつと理由を知ることになります。そこまで読んだ時に、主人公の二人、架の学生時代の女友達、麻実の母親等、みんな身勝手で傲慢な酷い奴らばかりの話だったとの中締めになり「なんて後味の悪いストーリーなんやムキー」と不愉快な気持ちになりました。もう、読み続けるのをやめようかと思うほどのインパクトがあったものの、「まぁ、とにかく最後まで」と第2部を読むと、それなりにいい話になって終わるので、なかなか練られた作品だったとの感想に落ち着いたのです。

つまり、第1部と第2部のギャップの大きさが面白いと、その時は思えました。

 

映画はストーリー展開の順番が違うところもありましたが、概ね、原作をかなり忠実に再現していたように感じました。

で、感想としては、原作を読んだときほどのインパクトがなかったというのが正直なところですショボーン

キャストの皆さんの演技がどうとか演出がどうとかいう話ではなく、原作は「次はどうなるのか?」と先が分からず読んでいたのに対し、映画はストーリーを知った上で観ているので、原作第1部の終りの部分にしても、その後の第2部の展開にしても「あ~、こういう話やったな。」という受け取りになってしまったことがインパクトがないと感じた要因だと思います。

 

あくまで僕の勝手な意見ですが、この作品は原作を読んでから観るのではなく、映画のみ、もしくは映画を観てから原作を読んで理解を深めるというほうがいいように思いますし、原作を読んでしまった人は時間を置いて、どんな話だったか、かなり忘れてから配信等で観るのをオススメします。

 

映画の予告編の動画を貼っておきます。