一昨日の夜、フェスティバルホールに聴きに行った大阪フィルハーモニー交響楽団 第576回 定期演奏会のことを記載します。

指揮は、エリアフ・インバル、プログラムはマーラーの交響曲第10番(デリック・クック補筆版)でした。

僕がインバルを観るのは、2019年7月のベルリンコンチェルトハウス管・名古屋公演()以来、今回で2度目。

その後、タイミングが合わなかっりでしたが、久しぶりに聴くことが出来るのを楽しみにしていました。

 

  出演

指揮:エリアフ・インバル

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

コンサートマスター:須山暢大

 

  プログラム

マーラー/交響曲 第10番 嬰ヘ長調(デリック・クック補筆版)

Ⅰ.アダージョ:Andante-Adagio

Ⅱ.スケルツォ:Schnelle Vierteln

Ⅲ.プルガトリオ(煉獄):Allgretto moderato

Ⅳ.スケルツォ:Allegro pesante.Nicht zu schnell

Ⅴ.フィナーレ:Langsam,schwer

 

解説によると、未完となった交響曲第10番ですが、作曲当時、マーラーと妻アルマの関係が、妻と画家ヴァルター・グロピウスの不倫によって緊張したものとなった中、夫婦の危機に直面したマーラーが大きな衝撃を受け、第3楽章以降のスケッチに多くの書き込みをしていたとのこと。今回演奏されたのは、音楽学者デリック・クックによる補筆版第2稿。1960年にフィルハーモニア管が第1稿を初演。妻アルマはその録音を聴き、自筆譜をクックに提供。これを基に1964年には欠落部分をさらに補った第2稿を発表。また、インバルはBBC響と第1講を演奏していて、そのリハーサルに立ち会ったクックと交わした意見がこの第2稿に採り入れられているそう。

それ以降も、数多くの音楽関係者が補筆に挑戦してきたけど、今なお、クックの補筆が高く評価されているのは、マーラーが残した情報を少なくとも演奏可能な状態にするのが自分の役目とクックが控えめながら誠実な態度で補筆したことによるからではないかと記載されています。
 

下にリンクを貼った楽団の公式Xにも「10番を聴くのははじめてという方がほとんどだと思いますが、凄い作品です。」と記載されているように演奏機会も少ないようで、僕は第1楽章のアダージョのみは21/9の沼尻竜典×京響・マーラーシリーズ@びわ湖ホール()で聴いていますが全曲は初めてでした。

 
オケの編成は16-14-12-10-8。
定刻の19時過ぎにインバルが登場。
今回の自席は2階後方だったので表情とかは確認できなかったど、88歳ながらしっかりした足取りに見えましたグッ
 
第1楽章は重厚な緩徐楽章。冒頭のヴィオラだけが奏でるところから凄く暗いけど美しいキラキラ
第2楽章はスケルツォ。結構、明るいところもありましたニコニコ
第3楽章は5分足らずの短い楽章ながら、なんか濃縮された音楽を聴いている感じ。
第4楽章もスケルツォですが、あまり覚えてません…
というのは、第5楽章の不気味な感じの大太鼓の連打が強烈な印象となったからびっくり
その後のフルートの独奏も綺麗だったし、最後は静かに美しく終わるまで、この楽章はホントに沁みました。
会場の雰囲気もよくて、インバルが手を降ろすまで静寂が保たれ、充分に余韻に浸ることが出来ましたOK
 
数度のカーテンコールでの多数のブラボーと拍手に応え、インバルは両手を挙げて退場!!

大感動の演奏になったのは、クックの第1稿の頃から、この曲に関わってきたインバルならではだったからではと思います拍手

 

開演19時過ぎ、休憩なし、終演20時25分。

2日公演ということもあり、やはり客入りはいいとは言えず、70%程度だったのは残念です。