昨日は、ヴァシリー・ペトレンコ指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&ピアノ:辻井伸行のコンサートでフェスティバルホールに行ってきました。

5/20から始まった全国8箇所のツアーで、昨日の大阪は、5/20の福岡に次いで2番目。プログラムは前プロ=グリエールの「スラブの主題による序曲」と辻井くんが演奏するラフコン3・メインプロ=チャイコ6番「悲愴」のAプロと、前プロ=チャイコのピアコン・メインプロ=ショスタコ8番のBプロ、Aプロのコンチェルトをチャイコンに置き換えたSプロの3種があり、大阪はBプロでした。

 

  出演

指揮:ヴァシリー・ペトレンコ

ピアノ:辻井伸行

管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

 

 

  プログラム

前半
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23<ピアノ:辻井伸行>

 第1楽章 Allegro non troppo e molto maestoso - Allegro con Spirito
 第2楽章 Andartino semplice - Prestissimo - Tempo
 第3楽章 Allegro con fuoco

後半
ショスタコーヴィチ:交響曲 第8番 ハ短調 作品65

 第1楽章 Adagio - Allegro non troppo

 第2楽章 Allegretto

 第3楽章 Allegro non troppo

 第4楽章 Largo

 第5楽章 Allegretto

 

【ソリスト・アンコール】ワーグナー(リスト編):エルザの大聖堂への行列

【オケ・アンコール】シルヴェストロフ:夕べのセレナード(「沈黙の音楽」より)

 

ヴァシリー・ペトレンコと辻井くんの共演は、2018年5月に聴いています。この時のオケはロイヤル・リヴァプール・フィル()でしたが、プログラムは同じチャイコンでした。随分前のことなので殆ど覚えていませんが、この時の記事とコメントに、1階中央通路よりやや後ろ前から20列目でピアノがオケに負けて音が来ない部分があった記載していました。

元々、フェスティバルホールはオケの音が響くので、コンチェルトだとピアノの音が聴こえないことが起こりやすいと僕は思っているんですが、今回の自席は更に後方で3階席の最後列の一つ前。

でも、辻井くんの強音はとても迫力があって、凄くよく聴こえましたOK

3月に聴いたリサイタル()ではクリアで繊細な弱音がとても良かったんですが、昨日はカデンツァもさることながらコンチェルトらしいオケと強音で堂々と協奏するところが特に素晴らしかったグッルンルン

文末にリハを終えた後の辻井くんのインスタ投稿のリンク貼りますが、写真と共に「今リハーサルを終えました。ヴァシリーの素晴らしい指揮でリハーサルから盛り上がってやり込むほどにオケとの一体感を感じました、この気持ちは本番にぶつけたいと思います。お越しの皆様には絶対に楽しんで頂けると思います!」との文章が添えられています。

「やり込むほどにオケとの一体感を感じ、お越しの皆様には絶対に楽しんで頂けると思います!」との記載通りの自信に満ち溢れた演奏だったように思います。

オケの音も美しく、第2楽章でのクラリネット、フルート、オーボエ、チェロの独奏が綺麗でしたキラキラ

アンコールの「ワーグナー(リスト編):エルザの大聖堂への行列」、多分初めてでしたが、こちらは美しい弱音を聴くことが出来、ペトレンコも指揮台に腰かけて聴き入っていました。

 

前半のオケの配置は14-12-10-8-6でしたが、後半のショスタコの8番は16-14-12-10-8に拡大。

以前から、時折、ブログに書いているように、僕は、ショスタコに苦手意識を持っています。

なので、家では積極的に聴かないし、定期演奏会などで生で聴くようになって、交響曲なら第5番、第7番くらいはいいなと思えるようになりつつありますが、第8番は聴いたことがなく不安で一杯でした。

第1楽章が、低弦の重々しい演奏が始まり、胸がザワザワするようなとても暗い曲調が続き不協和音なんかも出てきて、やっぱり苦手かもと思いながら聴くことになりました。でも、第2楽章に入ると、ちょっとコミカルな感じの行進曲のようなフレーズが出たりしてちょっと面白く思え、更に第3楽章では全楽器による爆音が出たりとメリハリの凄さに引き込まれるようになりました。そして、第5楽章のコントラバスのピッチングで静かに終わるチャイコの悲愴のような終わり方のところはジーンときました音譜

ペトレンコは少し間を置いて手を降ろしましたが、昨日の会場はとてもマナーが良く、フライングブラボーもフライング拍手もなくきっちり余韻を味わうことが出来て良かったですニコニコグッ

 

アンコールの「シルヴェストロフ:夕べのセレナード(「沈黙の音楽」より)」も弦だけの静かに終わる曲で、ここでもペトレンコが手降ろすまでの余韻が心地よかったです。

 

開演14時過ぎ、休憩20分を挟み、終演16時30分。

久しぶりの海外オケでブラボーも飛び交いコロナ前の状況が戻ってきたなと実感するコンサートでした。

 

リハを終えた辻井くんのインスタ投稿のリンク、貼っておきます。

 

https://www.instagram.com/p/CsfPoD7xi8-/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==