昨日は、 「関西フィルハーモニー管弦楽団 リラックスコンサート in 野洲」 を聴きに、シライシアター野洲(野洲文化ホール)という県内のイベントホールに行ってきました。びわ湖ホールは、首都圏・京阪神のホールと比較しても全く引けを取らない立派なホールですが、こちらは建屋も随分古い、地方のイベントホールでした。
でも、特に音響に拘るというより、文字通り、リラックスして音楽を楽しむ目的の催しと理解して行ったので不満があったわけではありません。
出演者
指揮・お話:藤岡幸夫
司会:都築由美
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:岩谷 祐之
プログラム
前半
アンダーソン:舞踏会の美女
グリーグ:「ペール・ギュント」 第1組曲 作品46より”朝”
スタイナー(川上肇編曲):映画「風と共に去りぬ」より”タラのテーマ”
チャイコフスキー : バレエ「くるみ割り人形」より”花のワルツ”
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より”間奏曲”
シベリウス:交響詩「フィンランディア」作品26
後半
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
第1楽章 Adagio - Allegro molto 第2楽章 Largo 第3楽章 Scherzo. Molto viv5. 第4楽章 Allegro con fuoco
アンコール ドヴォルザーク:スラブ舞曲第10番
開演は15時でしたが、事前予告通り14時20分すぎから、先ずウェルカム・コンサートがありました。
第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの関西フィルメンバーによる弦楽4重奏で、1stヴァイオリンの泉谷更沙さんが進行役を兼ねておられました。
演奏曲
モーツァルト ディヴェルティメント
ベートーヴェン ピアノソナタ 悲愴(弦楽4重奏版)
ピアソラ リベルタンゴ
葉加瀬太郎 エトピリカ
僕は、全く知らなかったのですが、このリラックスコンサートは野洲文化ホールの夏の恒例行事で、2年の中止はあったものの23年前から毎年開催されているそうで、今回は昨年の夏開催予定分が延期となった公演。そして、本公演前のウェルカムコンサートも通常は気候もいいので、屋外の青空コンサートとして実施され、周辺には屋台のお店が出たりとまるでお祭りのようなものだったようです。今回は人が密集しないように、本公演での前後左右を空けた市松模様のSD仕様の座席配置で、そのまま聴けるようにホールでの演奏となりました。素晴らしいアンサンブルとは言い難いところもありましたが、この催しの本来の趣旨である野洲周辺を方が気楽に音楽を楽しむということには合致していると思ったし、お客さんも楽しんでおられました。
ウェルカムコンサートは20分程度で、本公演は15時から。
司会者と藤岡さんのMCで演奏曲に纏わるエピソードを紹介をしながら進行するやり方は、年末のシンフォニーホールでの「藤岡幸夫のクリスマス・ファンタジア」(★ )と同様で、クラシック音楽に親しみを持って欲しいと言う藤岡さんお得意のパターンです。賛否あると思いますが、クラシックファンの裾野を拡げようと努力されている藤岡さんの姿勢が僕は好きです。
ホールが小さいこともあり、オケの編成は弦5部10-8-7-6-5。
1曲目が終わった後のMCで、藤岡さんから、23年間、このコンサートが開催されていることに感謝の言葉を述べられると共に、毎年、話しているというエピソードの紹介。毎回、足を運ぶ人が大多数を占めているだろうから、知らない人は少ないのでは?といいつつ、話されました。
21年くらい前に、ダッタン人の踊りがプログラムにあり、舞台を飛び降りで階段を駆け上がるアクションを織り込んでいたそうです。
そのリハの際、本番と同じようにやろうとしたところ、階段で足を引っかけ、前のめりに倒れて前歯が3本折れたそうで、しかも、その時についた血痕が今の残っているとのこと。毎回、確認するけど、記念に血痕を消さずに残してくれているのでは?とのことでした。
今となっては笑い話ですが、23年もやると色々あるんですね。
2曲目以降も、聴き馴染みのある親しみやすい曲ばかりで楽しく進行。「ペール・ギュント」 の”朝”~「カヴァレリア・ルスティカーナ」の”間奏曲”は美しく、前半最後のフィンランディアはシベリウスが得意な藤岡さんらしい熱い演奏!
MCでは、昨年リリースした藤岡さん指揮・関西フィルによる「シベリウス交響曲全集+ヴァイオリン協奏曲」が評判もいいのに、5500円と、とっても、お得とのPRもありました。
後半は、新年に相応しい、「新世界より」。お正月が終わっていますが、1月中に生で聴くことが出来て良かったです。
ちょっと、ホルンとトロンボーンが時折、外しているのでは?と思うこともありましたが、リラックスコンサートとしては楽しかったです。
アンコールのスラブ舞曲まで、終始、楽しいコンサートでした。
休憩15分を挟んで、17時終演。
SD仕様の座席配置だったので収容の50%ですが、完売だったとのこと。クラシックファンでなくても、地元の人が、毎年の楽しみとしてちょっと行ってみるかという感じで集う地域密着のイベントでノイジーなところもありましたが、こういうのもたまにはいいかなと思っています。