昨日は「チャイコ3連投!熱狂コンチェルト2021」というコンサートを聴きにシンフォニーホールに行ってきました。

3人のソリストを迎え、日本センチュリー交響楽団がチャイコフスキーのチェロ・ヴァイオリン・ピアノのコンチェルトを一挙演奏する公演です。ソリストはチェロが伊藤悠貴さん、ヴァイオリンが川久保賜紀さん、ピアノが上原彩子さんです。

【出演】

[チェロ]伊藤悠貴

[ヴァイオリン]川久保賜紀

[ピアノ]上原彩子

[指揮]梅田俊明 

[管弦楽]日本センチュリー交響楽団

 コンサートマスター:後藤龍伸

指揮は日本センチュリー首席指揮者の飯森範親さんの予定でした。ご存知の方も多いと思いますが今月5日にコロナに感染され療養となり、その後、順調に回復されているそうですが公演までに完治することが難しいという医師の判断を受け、降板となって、梅田敏明さんに急遽変更になりました。既にシンフォニーホールのHP等で発表されていましたが、会場にも上の写真のように掲示があり、また、プログラムと共に紙面での配布もありました。

飯森さんの一日も早いご平癒と復帰を心よりお祈りすると共に急遽出演を受けられた梅田さんに感謝致します。

 

【プログラム】

前半

チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 op.33  フィッツェンハーゲン版

 第I変奏(原典版の第I変奏:以下同): Tempo della Thema
 第II変奏(第II変奏): Tempo della Thema
 第III変奏(第VII変奏): Andante sostenuto ハ長調
 第IV変奏(第V変奏): Andante grazioso
 第V変奏(第VI変奏): Allegro moderato
 第VI変奏(第III変奏): Andante ニ短調
 第VII変奏(第IV変奏)とコーダ(第Ⅷ変奏から転用): Allegro vivo

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35

 第1楽章 アレグロ・モデラート − モデラート・アッサイ ニ長調

 第2楽章 カンツォネッタ アンダンテ ト短調

 第3楽章 アレグロ・ヴィヴァチッシモ ニ長調

後半

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23

 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ - アレグロ・コン・スピーリト

 第2楽章 アンダンティーノ・センプリチェ - プレスティッシモ - クアジ・アンダンテ

 第3楽章 アレグロ・コン・フォーコ

 
前後半ともオケの弦5部の構成は10-8-6-6-4。
一曲目のロコロ、昨年11月に堤剛さんがウィーンフィルと演奏()されたを初めて聴いて以来、生で聴くのは2度目。
この時は、堤さんが朗々と奏でるチェロが深くていい音がしていると思いましたが、正直、どういう曲なのかメロディ自体があまりわかりませんでした。
今回、伊藤さんの演奏を聴くのも初めてでしたが、やっぱりとてもいい音だった上にメロディもじっくり聴くことが出来ました。
ロココって少し地味な感じもするけど、チェロの音が栄えるいい曲だなぁと。
これから、機会があれば、また聴いてみたい。
指揮の梅田さんはこの曲では動きは小さかったけど、伊藤さんと要所でアイコンタクトを交わされながら、掲示された書面に記載されている通り的確な棒さばきと言った感じでした。
御年32歳、若手から中堅となられておられる伊藤さんの演奏、また聴いてみたいと思います。
 
続いて、川久保賜紀さんが真っ赤なドレで登場。
川久保さんの演奏は過去に数回聴かせてもらってますが、ダイナミックでお気に入りのヴァイオリニストの一人。
チャイコのヴァイオリンコンチェルトを聴くのは、昨年10月、木嶋真優さんが兵庫芸術センター管PACの特別演奏会()で演奏された時、以来。
木嶋さんの演奏も良かったけど、川久保さんの演奏は正に正統派で流石と言った印象を僕は受けました。
強弱、テンポの揺らしとも、今回もとてもダイナミック。カデンツァでのメリハリは特に素晴らしく会場が聴き入っていました。
この曲から、曲調に併せて梅田さんの動きも大きくなり、でも、随所で川久保さんとのアイコンタクトはとりながらオケを鳴らしておられました。
 
休憩を挟み、後半は、ピアノコンチェルト。上原さんは白と紺のドレス。
この曲は昨年2月、コロナ禍になる直前の兵庫芸術センター管PACの定期演奏会で児玉桃さんの演奏()を聴いて以来。
チャイコフスキー国際コンクールで第1位になられた上原さんの演奏を生で聴くのは初めて。
児玉桃さんの演奏も男性的だと思いましたが、上原さんの強音はそれより更に凄いと言った印象を受けました。
鬼気迫るような音にも感じられ、僕がいままで聴いたこの曲の中では、かなり感動が大きな演奏で圧巻。
勿論、弱音にも繊細さがありました。
そして、オケも上原さんに負けじと、小編成と思えないほど良く鳴っていました!
終演後、退場の際、お客様が口々に、「ピアノの人、凄かったね。」と言っておられたし、迫真の演奏だったと感じたのは、僕だけではないようです。
上原さんの演奏も是非、機会があれば聴きに行きたいと思います。
 
最後はステージ上に前半のソリストも登場されてカーテンコール。
開演14時過ぎ、休憩20分挟み、終演16時10分。
緊急事態宣言で50%売り止めとなりましたが、その時点でかなり埋まっていたと思われ、ほぼ満席。
とても、いい演奏会でした。
 
終演後のソリストと指揮者のみなさん
*この写真は日本センチュリー交響楽団のTwitterからお借りしました
 
今日も、午後からコンサートに行きます。
京都の文化パルク城陽という初めて行くホールでの関西フィルの城陽定期演奏会。
前半は、ソリストが話題のピアニスト角野 隼斗(かてぃん)で、ショパコン1番。
後半はチャイコ4番。
感染予防しながら熱中症にも注意して出掛けます。