一昨日の辻井君のリサイタルと2日連続になりますが、昨夜は、兵庫芸文センターでのHYOGOクリスマス・ジャズ・フェスティバル2020の3公演目、小曽根真クリスマス・ジャズライブ Special Guest 小野リサでした。

ホントは、辻井君のリサイタルと間隔が空いているほうが嬉しいのですが、僕が決められることでもないし、両方聴きたかったので行くことにしていました。

小曽根さんは、昨年12月、兵庫芸術文化センター管弦楽団PACとの特別演奏会()には出演されましたが、このHYOGOクリスマス・ジャズ・フェスティバルのほうは、2017年にNo Name Horsesと出演()されて以来のはずです。

今回は、ピアノソロでの演奏と、ボサノバの女王・小野リサさんとのDUOです。

ピアノソロのほうは、9月に、いずみホールでエリック宮城さんと演奏()された時に、生で聴かせてもらっていたので、きっと今回も素晴らしいものになると確信していましたが、小野リサさんとのホール初共演というのが、どんな感じになるのかとすごく期待していました。

 

 
前半の第1部は、小曽根さんのソロ。白いシャツと黒のパンツで登場。
自席は、1階中央ブロック前から2列目の左端通路横。小曽根さんの表情も手元もしっかり見えました。
1曲目のGotta Be Happyは軽快な曲。
1曲終わって、マイクを握って、挨拶をされました。
こういう状況下、コンサートが出来ること、満員のお客様(今回は通常配席で4階まで満員)に来てもらったことがホントに嬉しいとおっしゃった。また、自粛期間中に自宅のリビングルームから53夜連続で毎日21時から1時間ライブ演奏を配信されたことにも触れられました。
最初は試しに20分演奏して、明日もやろうかなと言ったら、Facebookに「明日のやるっていいましたよね。」というコメントが続々と入ったとのこと。今まで支えてくれていたファンの皆さんに恩返しをしようと思って始めたけど、やっていくうちに、奥様の神野三鈴さん共々、逆に励ましてもらっているような気持になったという。というのは、ライブ配信を観るために、沢山のファンの方が21時に間に合うように帰宅したりして、配信をリアルタイムで見てくれているのが、コメントっを通じて、よくよくわかり、こんな時でも音楽で、みんなに寄り添えると実感したからだと。そして、自粛明けには、また劇場に帰ってきて欲しいと思って演奏し続けたので、今日、満員になっているのを拝見して本当に嬉しく思うとのことでした。
2曲目のBlack Forestでは、「最初の30秒だけは楽譜はあるけど後はアドリブ、なので、この曲いいな、と思ってCDを買っても、全然違うってこともありますよ」とのジョークもあって、会場はどんどん和んでいきました。
3曲目はあまり記憶にないのだけど、4曲目はだいぶ前に書かれたという美しいバラード。「I Need You Here」は正に今の皆さんに対する自分の気持ちだとのこと。
スタンダードのMoanin’を思いっきりスイングしながら演奏した後、前半最後の曲はカーラ・ブレイ作曲のバラード。
バークレイで共に学んだダイアナ・クラールとよくバラードの発掘合戦をやっていた。こんな曲を見つけたとお互い教え合っていた。とのエピソードを交え、師匠のゲーリー・バートンに教えてもらったのが、このバラードだとのことでした。
 
20分の休憩を挟み、真っ赤なドレスの小野リサさんがトップスを赤のタキシード風シャツに着替えた小曽根さんと共にで登場。
小野さんは、ピアノの右側に椅子に腰かけて演奏と歌唱。
前半の最後に、後半は雰囲気がガラっと変わって、ボサノバの世界にどっぷり浸かってもらいますとおっしゃっていたが、正にその通りになりました。
1曲目、ポルトガル語の蛍の光から、ボサノバの世界。
2曲目のイパネマの娘もすごく癒される。
僕は、小野リサさん、生で聴くのは初めてでしたが、聴いていると、ドンドン気持ちが良くなっていきます。
声量があるわけでもないけど、とにかく心地よく、優しい音色のギターと相まって唯一無二の歌声だと思いました。
 
演奏は、リハと全く違うアドリブを小曽根さんが入れたりしているらしく、リサさんも苦笑いのような表情になったりしながら終始リラックスムード。口では、「今まで、イパネマもウェイブも何度も歌ってきたけど、今夜は新鮮な気持ちになっています」、とか、「すごく緊張している。」とかリサさんは言っているけど、顔はすごく楽しそうでした。
ブラジルのポルトガル語は、ポルトガル本国と発音が違うことはもちろん、サンパウロとリオでも違うらしい。どっちがどっちだったか忘れたけど、Sの発音が違うので、マシュケナダがマシケナダになる、みたいな雑学のおまけもついていました。
前日に小曽根んさんはNo Name Horsesのライブを東京で開催され、そこにもリサさんはゲストで出演されたそうですが、今回の公演は、ツアーではなく、この場だけのものとのこと。また、機会があればやりましょうと言われていたので期待したいと思います。
 
アンコール1曲目は、小曽根さんのリクエストでリサさんが用意されたブラジルのクリスマスソング。
貧しいブラジルの子供に幸せのプレゼントがされることを願う曲とのこと。
そして、最後は、きよしこの夜、1番を英語、2番を日本語で歌われお開きとなりました、
終演21時10分、とてもいいコンサートでした。
 

●セットリスト

【1st】

■Gotta Be Happy / Makoto Ozone

■Black Forest / Makoto Ozone

■Nova Alvorada / Makoto Ozone

■I Need You Here / Makoto Ozone

■Moanin’ / Bobby Timmons

■Dreams So Real / Carla Bley 

 

【2nd】

■Auld Lang Syne (蛍の光)

■Garota de Ipanema / A.C.Jobim&V.de Moraes

■Samba de uma nota so / A.C.Jobim

■Wave / A.C.Jobim

■Chega de Saudade / A.C.Jobim &V. de Moraes

■Luiza / A.C.Jobim

■Batucada / Marcos Valle 

 

【アンコール】

■Boas Festas / Assis Valente

■Silent Night / Franz Xaver Gruber