瀬尾まいこさんの『君が夏を走らせる』という本を読みました。

昨年の本屋大賞を受賞された『そして、バトンは渡された』()で好きになり、『傑作はまだ』()、『春、戻る』()と読んできたのに続き、4冊目。2017年7月に刊行されているので、『そして、バトンは渡された』より以前の作品です。

今まで読んできて、瀬尾さんの作品で共通しているのは、人と人との出会い、繫がりをハートフルに描かれていることですが、今回読んだ作品は、なんと、16歳の金髪不良少年と1歳10ヵ月の幼子の出会いが題材です。

 

 

*写真はネットからお借りしました
 

BOOKデータベースでは、以下のように概要が記載されています。

「ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて―。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。」

 

また、新潮社のHPには、主人公の太田くんと言う少年の一人称視点で以下のように書かれています。

「金髪ピアスでろくに高校も行かずふらふらしている俺が、先輩の小さな子どもの面倒をみる羽目になった。泣きわめかれたり、ご飯を食べなかったり、最初は振り回されっぱなしだったけど、いつしか今まで知らなかった感覚が俺の心を揺り動かしていた――。16歳の思いがけない奮闘を描いた、感涙必至の新しい青春小説。」

 

最初は、泣きわめかれ、苦労しながらも、徐々になつかれるようになって、一緒に食事をしたり公園に行って他の子供やママとも交流したりしながら、最後は少年自身が幼子から刺激を受けたことで前に進んでいくことを決意するというストーリー。

 

金髪不良少年でないとしても、16歳の少年が1歳10ヵ月の幼子を約一か月、ベビーシッターのように面倒を見るというのは、現実的にはそうはあり得ない話ですから、浮世離れしている物語ですが、僕は、やっぱり、心が温かくなりました。

 

この主人公の少年は、現在16歳ですが、それ以前、中学生時代、駅伝に出ていたとのストーリーになっているのですが、その話は、この本よりも前に書かれた『あと少し、もう少し』という小説になっていると後から知りました、

そちらも読んでみようと思います。