「賃借人は賃貸人の承諾がなければ、賃借権を人にゆずったり、借りているものを又貸ししたりはできない。賃借人がこれに違反した場合は賃貸人は契約を解除できる」

物品の貸し借りであっても、他人から借りている物を、貸し主の了解を得ずに勝手に、第三者に貸したり(又貸し)、処分できない事は知っていると思います。これが不動産の貸借問題になると話が複雑になってきます。


通常、土地を借り、家を建て、借家人に住ますことは、借地人にとっては借地権を放棄する事にはなりませんので、何も問題はありません。
しかし、その家を第三者に売却する場合は、あきらかに借地権の譲渡になりますので、地主の承諾が必要になります。その場合、地主は新たな借地人に対して、相当多額の名義書替料を請求するのが実情です。新たな借地人が名義書替料の支払いを拒むときは、地主側では借地権の譲渡を断るでしょう。どうしても家を売却したい事情があれば、名義書替料を前の借地人が、地主に支払うことになります。
また、銀行などから融資を受ける場合などには、建物を担保として抵当に入れても借地権の処分禁止違反にはなりません。借金が返済できなくなり、担保権が行使されるようになったとき、はじめて借地権の無断譲渡になります。


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借家契約のなかで、トラブルになりやすいのが、契約期間が満了したときの明け渡しの問題です。
借家契約書に署名と印鑑の捺印をして契約をするのですが、通常に市販されている借家契約書には、家を借りる人にとって、不利な特約が書かれています。しかし、その不利な特約はほとんど効力を持たないことが多くあります。
「借家料金の支払いが一度でも遅れた場合は、契約を解除する」と言うような特約は、法律的にはまったくといって良いほど無効になります。
賃貸契約書以外に「○年△月◇日で明け渡す」という念書を取り交わしていた場合はどうなるのでしょうか?


借家契約の明け渡しについて、署名や印鑑の捺印をして念書を取り交わす場合は、大きくふたつに分ける事ができます。
◆家主側に正当な理由がある場合
家主が借家をつかう必要が生じた、借家が老朽化して建て替えを行なう、などの事情がある場合
◆家主側に特別な理由がない場合
家主から契約期限がきたので、催促され念書を書いてしまったという場合

念書とは、書いた本人の約束を記したものですので、通常は念書の内容通り実行しなければなりませんが、書いた本人の意志が変り、念書の内容が守れないときに、強制的に念書の内容を実行できるかには問題があります。この場合の「強制的」というのは、暴力行為での立ち退きではなく、裁判所へかけ合い念書の内容を実行させるという事です。裁判所では家主に正当な理由がある場合は念書の効力を認めるでしょうが、正当な理由が無い場合は効力をなかなか認めてくれないでしょう。

家主側はどうしたら借家人に明け渡しの念書を実行できるのでしょうか?
当事者同士では解決ができない場合は、弁護士などに相談するようになりますが、家主側の明け渡し条件に金銭的な条件(立ち退きに対する補償金など)を加えて、念書を書いてもらうようにするのが一般的です。

このような借家に対するトラブルでは、念書のみで済ませることはほとんどなく、和解契約書を作成して、和解金の額面や、支払い条件(例:和解契約した時点で半額、明け渡しの時点で残金)、明け渡しまでの借家料金、など当事者または代理人で条件を話し合い、双方が署名と印鑑の捺印をしておきます。

トラブルの内容が複雑なときは、念書一枚で解決にはならない場合が多いです。



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「未成年者が、法定代理人(親権者)の同意を得ないで行なった法律行為は取り消す事ができる」


Aさんのところに自動車のセールスマンが車を届けにきて、「車の代金を支払ってください」と言ってきました。Aさんは自分で車の購入をした覚えがないので、話を聞いてみると、息子のBさんが勝手に購入の契約をしていて、契約書には息子Bの署名と印鑑の捺印がしてありました。
このような場合、民法では、未成年者は単独で完全に有効な契約など結べない事になっています。法定代理人(親権者)の同意が必要になります。
たいていの場合、親権者は両親です。父親か母親の同意がなければ、契約は取り消すことができます。
例のような場合、Aさんは息子Bが勝手にした自動車購入の契約を取り消す事ができます。

未成年者であっても、既婚者の場合や、本人が成人していると相手をだまして契約した場合は、親権者でも取り消す事はできません。

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