建物を建設する目的で土地を購入する際、契約書に印鑑を捺印する前に特に注意をしなければ行けない事項をあげます。


Ⅰ 農地を購入する場合

登記簿上の地目が農地(田・畑・牧野となっている土地)は購入してもすぐに建物を建設することはできません。宅地への転用手続きが必要です。
転用手続きは、売り手買い手の双方が都道府県知事に申請し、転用の許可を得なくてはなりません。また、申請をしたからと言って必ず転用の許可がおりるとは限りません。転用の許可がおりるかや手続きについては、その土地の農業委員会に問い合わせをします。農地の無断転用は、農地法によって無効になり、土地の所有権は取得できなくなります。
土地の売買契約書にも「売り手が転用許可申請への協力をしない場合は契約解除ができる」という事項を入れておくとよいでしょう。


Ⅱ 分譲地を購入する場合

土地の権利関係については造成会社が所有権者ではなく、地主が所有権者のままということもありますので、所有権移転登記がすぐにできるか、分筆(一箇所の土地をいくつかの土地に分割して法的に登記すること)が済んでいるか、などを図面などで確認します。
また、造形工事・電気・ガス・水道・道路などの施設関係の工事についても調査をします。造形工事は、宅地造成等規制法、宅地造成事業に関する法律により規制されています。道路については建築基準法で「建物の敷地は道路に2m以上接していなくてはならない」という規定があります。電気・ガス・水道については、実際に使用可能かを電気会社、ガス会社、水道局に確認しておきましょう。



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土地や家を買うという事は、一生に何度もある事ではありません。土地や家を購入するために、退職金を当てにしたり、長期にわたってのローンを利用したりします。ですので、不動産の売買契約書に印鑑を捺印するまでに、念入りに事前の調査をしっかりとする必要があります。印鑑を捺印してしまってから「調査不足で話が違った」といって、トラブルに巻き込まれる前に、調べるべき事柄がいくつかあります。


Ⅰ 売り主が物件の所有者であるか
売り主と称する人が、常に本当の所有者であるとはかぎりません。もし本当の所有者ではない人から購入しても、所有権を取得することはできませんので、十分に調査が必要です。
そのために、売り主に最新の登記簿謄本を持参させます。登記簿謄本の最終ぺージに記載されている日付が古いものであれば、その後に所有者が変わっている可能性もあります。
登記簿謄本は、その物件がある場所を担当している法務局の支局や出張所に行き、一定の手数料を支払えば誰でも閲覧したり、謄本を取得したりすることができます。所有者が誰であるか判断でき、売り主がその物件の所有者であるか判断ができます。
登記簿は、真実の権利関係をあらわしているべきものですが、実際はそうでない場合も多くありますので、登記簿のみを信用するのは危険です。登記簿にはその物件の取得原因が記載されていますので、疑問がある場合は、以前の持ち主に聞いてみるなど、実態を把握する必要があります。
売り主は通常、その物件の権利証をみせるものですが、権利証は、物件の登記済権利証として発行されるものですので、その後の所有権については何も記載がなく、権利証のみで所有者と判断するのは危険です。

Ⅱ 登記簿上の表示と現状が一致しているか
登記簿上の表示と現状が一致しているかを調べるためには、現場にいってみることです。
登記簿の表題部というところには、
土地の場合、所在・地番・地目・地積が記載されています。
建物の場合、所在・家屋番号・種類・構造・床面積が記載されています。
建物の種類や構造は現場にいけばわかりますが、地目(山林・田・畑・宅地などの区別)が宅地のように見えても、登記簿上は畑ということもありますので注意が必要です。
面積も、実際と登記簿上では異なる場合もありますので、土地家屋調査士の作成した実測図を持ってきてもらうようにします。地番や家屋番号については、公図や建物所在図で確認します。
また、地形や近隣との関係については、登記簿や図面では分りませんので、現場にいって確かめるべきです。

Ⅲ 不動産利用を妨げたり、利用に必要な権利関係の有無を調べる
家を建てるつもりで購入した土地に借地権がついていたり、抵当権がついていたりすると、土地は十分に利用できなくなります。これらのことは、登記簿の乙区というところに記載されてあります。
その他に、土地が公道に面していないときの通路使用権の有無も重要です。こういった事項を売り主や近隣に住んでいる人に聞いたりして確かめておきます。

Ⅳ 土地計画法、建築基準法などの制限との関係
土地の場合は、土地計画法・建築基準法などの制限を調べておかないと、予定していた建物が建設できなかったり、道路用地に指定されていたりということが起きることもあります。
周囲が空き地の場合も、近隣にはどのような建物が建つ予定があるかなども、土地計画法・建築基準法を検討し予想します。建物の場合は建築基準法にあっているか調べます。これらは、不動産所在地の役所建築課に問い合わせれば確認することができます。

不動産の売買契約書に印鑑の捺印をした後に、トラブルにならないように、契約書に印鑑を捺印する前に、色々な方面からその物件に対して調査を行ないましょう。



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会社の借金について、例を挙げてお話しいたします。
○○株式会社の社長を7年前まで務めていたAさんは、社長在任時に会社がお金を借りる際の借用書に、署名と印鑑捺印をして連帯保証人になっていました。Aさんが退職した後、○○株式会社は倒産してしましました。
ある日、会社を退職して隠居生活をしていたAさんに「○○株式会社にお金を貸していた」というBさんが訪ねてきました。Bさんの要求は「Aさんは○○株式会社が借金をしたときの連帯保証人なので、会社が無くなった今、連帯保証人の責任で、借金を肩代わりして欲しい。いま全額支払いきれないのであれば、残りはいつ払うか念書を書いて欲しい。」と言うものでした。
この場合、Aさんは、連帯保証人の責任で、以前社長を務めていた会社の借金を肩代わりしなければいけないのでしょうか?


・Bさんの要求はもっともなので、連帯保証人の責任上支払わなくてはいけないのだろうか?
・会社で借金した金額を個人で支払らえるのだろうか?
・Aさん以外の連帯保証人の責任はどうなるのだろうか?
など思い悩んだ末に、Aさんは弁護士事務所に相談しました。

弁護士の見解は、
会社の借金は商事債務というものなので、債権者のほうで5年間放っておくと、法律上とりたてができなくなります。Aさんが社長をしていたのは7年前ですので、会社の借金返済の義務はなくなります。
連帯保証人は本人(この場合○○株式会社)に借金返済の義務がなくなった以上、連帯保証人としての責任も負わなくて済みます。しかし、時効によって無くなった借金もAさんが相手(Bさん)に時効を主張しませんと、時効の権利を放棄した事になり、借金はそのまま残ってしまいます。少額のお金を支払ったり、念書を書いたりしてしまうと、時効の権利を放棄した事になりますので、注意が必要です。
と言うのもでした。

Aさんが念書を書いて、印鑑を押してしまったら、法律上でも立場が逆転してしまいます。
また、債権者のほうでも、5年も取り立てを放っておくという事は、まず有り得ないでしょう。

トラブルが起きたときは、より慎重に対応策を検討するべきだ、という一例です。



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