よく「捨て印」として印鑑を捺印する欄があります。皆さんはこの「捨て印」というものをしっかりと理解していますか?
捨て印とは、後でまちがいを訂正するための訂正印として必要な物になります。「さしあたり訂正する箇所はないですが、訂正する必要があったときのために、あらかじめ押しておく印鑑」になります。


何かの契約書に署名と印鑑の捺印をする際に、この捨て印を何気なく押しておいたために、あとで知らない間に契約内容を書き換えられてしまうという危険性もあり得ます。捨て印の欄には本人の印鑑が押してあるので、書き換えられた契約書は、本人の意志で作成されたものと見なされてしまいます。

委任状においても、代理人の名前、委任事項を確認して署名と印鑑の捺印を行った場合でも、「捨て印」の欄があり印鑑を捺印してしまうと、委任事項の書き換えられてしまっても、契約書の場合と同じように、本人の印鑑が押してあるので、書き換えられた委任状は、本人の意志で作成されたものと見なされてしまいます。言うなれば、捨て印を捺印した委任状は、白紙委任状と変わらないものになってしまいます。

このように、「とりあえず捨て印の欄にも印鑑を」と言われたので、「たかだが訂正印」と思い何気なく押してしまいがちですが、とんでもない事になる可能性は充分にあります。

捨て印を押した場合、これ以上の訂正箇所がないとしたら、捨て印は消すようにしましょう。「不要な印鑑は押さない」に越した事はありません。



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「白紙委任状に印鑑を捺印するのは危険だ」ということは、皆さんご存じだと思います。しかし土地の地目変更や売買などの慣れない手続きを第三者(代理人)に依頼した場合に「白紙委任状に印鑑を捺印したばかりに・・・」とか「白紙委任状を信用してあずけたのに・・・」と、後悔したという例は多くあります。
「白紙委任状に印鑑を捺印し、あずける」という行為が危険だとは知りながらも、その行為にどういう意味があるのかを正しく理解していないために起こった事例です。


委任状とは、代理人に何かをしてもらう場合に、代理人が正当な代理権をもっていることを証明するためのに用意するものです。ですので代理人と取り引きする相手側も、委任状をみて信用して手続きを行ないます。委任状には代理人の名前と、委任事項(委任する事の内容)を記入して、委任を依頼する人が署名と印鑑の捺印をする決まりになっています。
白紙委任状とは、場合によって代理人の名前と、委任事項が記入されずに、委任を依頼する人の署名と印鑑の捺印のみがある委任状の事を指します。

以上から「白紙委任状をあずけた」と言う行為は、白紙委任状を受け取った人が「代理人の名前と、委任事項をあとから書き入れる事を承知した」という事になります。白紙委任状を受け取った人が依頼したとおりの内容を書き入れて使う場合には、何も問題はありませんが、依頼した内容と異なる内容を書き込まれ使用され、大きな不利益を受けると事例があります。


良く白紙委任状を悪用される例として
Aさん(あなた)がBさんの土地を買う事を決め、手続きに不慣れなので、代理人Zさんに白紙委任状と印鑑証明書を渡した。
代理人ZさんはAさん(あなた)に無断で白紙委任状に「Aさん(あなた)の買った土地の売却を委任する」と委任事項に書き込み、Bさんから買った土地をCさんに売却してしまい、移転登記も済ませてしまった。売却して受け取ったお金も代理人Zさんが使ってしまった。

この話の場合、Aさん(あなた)が事情を知り、Cさんに「代理人Zさんが白紙委任状を悪用したので土地を売却する気はなかった」と取り引きの無効を申し立てしても、Cさんは「Aさん(あなた)の実印が押してある委任状と印鑑証明書をもつ代理人Zさんを信じた」と主張されると、Cさんに落ち度はありません。「代理人Zさんが白紙委任状に勝手に委任事項を記入した事をCさんが知っていた」場合を除いては、裁判になっても土地を取り戻す事はできません。

このように、信用している人にでも、白紙委任状をあずけるという行為は、非常に危険な行為です。代理人に何かを依頼する時は、委任状に「代理人の名前と、委任事項の記入」をして、内容を良く確認してから、あずけるようにしましょう。



白紙委任状を安心してあずけられるケース

「白紙委任状は危険だ」とお知らせしてきましたが、白紙委任状をあずけなければ用が足りないという例もあります。司法書士や弁護士の先生に代理人を依頼する場合、先生の方から説明があり、委任状の文面を確認してから署名と印鑑の捺印をする事の方が多いようですが、何かの理由により、委任事項の項目に何を記入して良いか分らず、後で司法書士や弁護士の先生に書き入れて頂いた方が誤りがなく円滑に事を運べるような場合、白紙委任状をあずけるといったこともあるようです。
上記のように、何らかの手続き代行を職業として行なっている人(会社)に代理人を依頼する場合は、失職の危険を冒してまで白紙委任状を悪用しすることは、まず考えられませんので、安心してあずける事ができます。



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印鑑登録は、住民登録をしている役所で行ないます。登録したい印鑑を持参して行き、登録が済んで初めて「実印」と呼べる様になります。役所では、登録申請者が本人であることを確認してから印影を登録します。以前は印鑑登録が済み、印鑑証明書の交付を求めるときには、登録した印鑑を持参する様式でしたが、現在では印鑑登録を済ますと登録番号の記載されている印鑑登録証(印鑑登録カード)が発行され、そのカードを持参すると印鑑証明書の交付が求められるようになりました。
印鑑登録カードを持参するシステムでは、他人にはどの印鑑が実印であるかが分りませんので、以前のシステムに比べ格段に安全性が向上しました。


以前にも紹介しましたが、「実印の印鑑捺印と、印鑑証明書の添付は本人である事の証明」です。

印鑑証明書は、委任状があれば代理人でも交付の申請が可能です。委任状への印鑑は三文判で充分ですので、委任状を偽造して、印影がコピーされている印鑑証明書を取得し、そこから実印を偽造するという犯罪も可能です。こういった犯罪行為は、以前の実印を持参するシステムでは、実印の管理をしっかりしておくと防げたのですが、現在のカードを持参するシステムでは、印鑑登録カードの管理もしっかりとしておかなければなりません。実印と印鑑登録カードは別々に保管して、しっかりと管理しておきましょう。


印鑑登録は、各市区町村の役所によって多少異なりますが、印鑑登録に際しての本人確認は、写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポートなど)での確認を行なうなど、慎重に行なわれ、登録する印鑑にも規定を設けています。(参考


実印、印鑑登録カードを紛失した際は、すぐに印鑑の廃止届けを印鑑登録してある役所に提出し、新しい印鑑での登録をし直す事が必要になります。また、引っ越しなどで、他の市区町村へ転出する際は転出前の印鑑登録が無効になります。新しく転入した市区町村の役所で登録をやり直します。新しく別の印鑑で登録をし直す場合は改印の手続きを行ないます。

何度も言いますが、実印はあなたにとってとても重要な印鑑です。事件や事故、犯罪に巻き込まれてからでは遅いです。取り扱いには充分注意して、保管も、捺印も、気をつけて行なって下さい。



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