オランダには二つの修道院ビールがあります。ひとつはP99で紹介したZunderd(ズンデルド)、もう一つがティルブルフの「La Trappe」。このビールはティルブルフの南東に位置するBerkel-Enschot(ベルケルーエンスコット)という村(1997年ティルブルフ自治体の一部になる)にあるKoningshoven Abbey(コニングスホフェン修道院)(1881年)で醸造されています。
1880年フランスの修道会の状況は悪くフランス革命後に衰退していきました。追放を恐れた修道士たちは国外に避難を求めました。神父をオランダに派遣してティルブルフの神父の仲介があって当時の皇太子(後のウィレムⅡ世国王)所有の農場に修道院を建設することになりました。
当初は貧困によって運営は困難でした、農場を拡大したりしましたが多くの成果をあげられませんでした。ミュンヘンの醸造家の息子の修道士が醸造所を設立して財政は改善され修道士も増えました。
1890年新しく来た院長は膨大な借金を返済して新しい教会をたて修道院を大きくしました。修道院にあった羊小屋「ラトラッペ」はこの時期に壊されて名前だけ醸造所に移されました。
La trappeは羊小屋の愛称だったのですね。
20世紀になってもフランスの状況はひどいままで避難する修道士を受け入れるためズンデルドに修道院を建設します。1909年修道院の財産の名義は修道院長にありました、ローマから名義を譲渡するようにとの命令がありましたが無視してしまい結果修道院は一時的に閉鎖されました。(お代官の様な聖職者がいたんですね)
新しく来たシモン神父は財政を立て直し偉業を成しました。
1945年、シモン神父が亡くなり修道院では院長選挙が行われ初めてオランダ人の神父が選ばれ、修道院は地域に溶け込んでいきました。
醸造所の見学ツアーに参加しました。
ビール醸造のタンク
醸造の工程。白ビールから濃いトリプルビールは基本この工程を踏んでいくようです。
出来上がったビールは工場で瓶に詰められます。
近代的な工場です。
見学が終わると好きなビール一杯サービスです。
こんなにたくさんの種類があります。グラスもビールに合わせて同じだけあるんです。
レストランもあって
上のプレートはオランダと言えばのクロッケト(コロッケ)です。灰色のねっとりしたお芋のコロッケで衣が固いので日本のコロッケみたいにかじりつくと全く噛めません(笑)粒マスタードを付けていただきます。小さなカップに入っているのはこの時期(初夏)だけ楽しめる旬のホワイトアスパラのスープです。
ビールの他にもワインやチーズ、キャンドル、石鹸、ハチミツなどいろんな物を作って販売しています。
お腹いっぱいほろ酔いでバスで帰りました。
最後にビールラインアップ
写真をお借りしています。
読んでいただきありがとうございました。